儲かっているのはひと握り
しかし、5月に入りましてこの仮想通貨が非常に大きく下落していまして、ビットコインに関しても3割も下落するということで、多くの投資家が損失を被っている状況です。
韓国内の5月頭のアンケートでも、52%の人が損をしているということでしたから、そこからさらに下がっているので、実は今、大半の人が損失を被っているのではないかと思われます。
実は一方で、韓国内ではものすごく成功した人なんかもいて、短期間で何億円も儲けた人というがYouTubeで動画を配信していたりして、憧れの的になっているような人もいます。
しかし結局、結果としては半分以上の人が損失を被っているということで、これだけ価格変動リスクの高い資産ですから、そういった状況になってしまうのは歴史から見ても「さもありなん」です。
では、なぜそれほど危険とわかっているのに、そんな取引をしてしまうのでしょうか。そこには、韓国が抱える闇、韓国の社会背景というものがあります。
なぜ韓国の若者は「無茶な投資」をするのか?
結論から言うと、韓国は特に若い人にとって、もはや希望がなかなか見出しにくい社会となっているということが挙げられます。
韓国というと、経済成長をこれまで遂げてきたのですが、実はそこで生まれたのは巨大な格差ということになります。
まず、大学生の就職率で言いますと、文系大学に関して言えば、就職できるのがわずか56%となっていて、半数近くの人は就職ができないということになっています。
そして、もし就職できたとしても、就職先にも格差が存在します。
実際に韓国の株式市場を見てみると、なんと上場している大企業の3割がサムスンによって占められています。残りの大きなところも、ヒュンダイといった財閥ということになります。
すなわち、韓国においては、サムスンなんかの財閥に就職できれば勝ち組ですが、そうでなかったら、もはや有象無象の負け組というような形なってしまいます。
韓国の受験戦争なんかもテレビで見たことがあるかと思うのですが、サムスンに入るために必死にやっていますが、数には限度がありますから、そう上手くいかなかった人は落ちぶれていくというような状況になっています。
就職できない若者たちに「住宅価格の上昇」が追い討ち
就職率56%というと、日本の比ではないです。日本でも8割・9割は就職するということになりますから、それだけ韓国の若者にとっては、先が見えない状況なのです。
そこに追い討ちをかけているのが、住宅価格の上昇です。
特に人口が集中するソウルに関して見れば、マンション価格がこの2020年までどんどん上がりまして、5年前のおよそ2倍になっています。
その価格を見ると9億1,200万ウォンが平均価格ということですが、これがどれぐらいの金額かというと、東京の約1.4倍ということになります。
東京もかなり高いですから、簡単に言うと、普通のマンションに入ろうと思うと、1億円ぐらいの金額を積まないと入れないといった状況になっています。
これが何によって起きているのかというと、ある種、投機的な動きが絡んでいます。