損失回避に潜む落とし穴
これを韓国の若者に当てはめてみます。
何もしないでボーっと過ごしているだけでも、先の見えない苦しい生活しか待っていません。それだったら、もし大損を被ってしまったとしても、値動きの激しい仮想通貨で一攫千金を得ることができれば、幸せな生活が送れるのではないか……ということを夢見て、いま若者が借金をしてまで仮想通貨にのめり込んでいるという実態があります。
これを皆さん漫画でご覧になったことがあるかもしれませんが、まさに『カイジ』の世界です。
有名な「鉄骨渡り」のように、成功したら借金はチャラ、落ちたら当然死んでしまうというようなものすごくリスクの高い取引を、追い詰められれば追い詰められるほど、やってしまうということになります。
韓国の若者がビットコイン仮想通貨にのめり込む状況を、お分かりいただけましたでしょうか。
もちろん、このような取引をしてうまくいく可能性はかなり低いです。現時点で、韓国の仮想通貨で損をしている人が半数以上ということになっていますし、これから価格が下がれば、さらにその割合は高まっていくものと思われます。
やはり、リスクの高い取引あるいは目先の高い利益を求めようとすればするほど、投資の世界は不思議なもので、どんどん利益は逃げていきます。
堅実な皆さんに関しては、自分が取れるリスクをしっかり認識して、最悪の状況に陥ってしまわないように、将来のことを考えて、着実にやっていく。これが遠回りに見えますが、投資で成功する唯一の道だと私は考えます。
目先の欲に目をくらませてはいけません。リスクの高い取引というのは、必ずどこかで落とし穴があるものです。
それを心に留めて、一方でしっかりと勉強することで投資は着実に歩んでいけるものではありますから、ぜひ皆さんは幸せに資産を築いていただければと思います。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
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『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年5月30日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。