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東芝、経産省に泣きつき株主に圧力。日本の癒着企業を投資家が見限るワケ=栫井駿介

政治に勤しむ会社に先は無い

東芝という会社にとってみても、国とのズブズブの繋がりがあって、報告書の中にも出てきましたが、東芝ほどの会社が大変な状況になっては困るという、ある種自分たちの会社が特別であるかのような発言も随所に見られるわけです。

実際に政権と深いつながりを持っているというのも確かなのでしょうけれども、このように政治の話ばかりやってる会社というのは、先が見えないわけです。

本当に大切なのは政府を見て仕事をするのではなくて、顧客を見て仕事をすることです。いかに顧客のために尽くすか、それが最終的に企業の利益という形になって返ってきます。

経営陣がそれをせずにこうやって政治に明け暮れているようでは、会社の将来というのはを決して見えません。そういった会社に長期投資はまったくできないということになります。

実際に業績に関しても、ずっと売上高は右肩下がりになっています。株価も長期で見るとずっと下落傾向にあります。一時的に上がったりはするのでしょうけれども、結局それは投機と変わらないということになります。

東芝<6502> 月足(SBI証券提供)

東芝<6502> 月足(SBI証券提供)

一方で、東芝というと技術などはまだ持っている会社でもあります。車谷社長が退任し、今は綱川会長が兼務しているという状況ですけれども、今後、東芝にまともな経営陣が出てきて、従業員や顧客に真面目にやっている人が報われるということを切に願っています。

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image by:nitpicker / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2021年6月15日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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