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協和エクシオ、通期の受注高は過去最高 「Engineering for Fusion」をビジョンに社会課題の解決を目指す

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2021年9月11日にログミーFinance主催で行われた、第24回 個人投資家向けIRセミナー Zoom ウェビナー 第3部・株式会社協和エクシオの講演の内容を書き起こしでお伝えします。

自己紹介

三野耕一氏(以下、三野):ただいまより、協和エクシオの状況についてご説明させていただきます。このような機会を設けていただき、本当にありがとうございます。協和エクシオ経営企画部の三野でございます。本日はよろしくお願いいたします。

目次

三野:目次に添い、会社紹介、2020年度業績、今年度発表した「2030ビジョン」の10年後の姿と中期経営計画についてお伝えしていきます。また、株主還元および指標についても説明しますので、よろしくお願いします。

1.会社紹介(1)会社概要

三野:初めに当社の紹介をさせていただきます。当社は1954年5月に創立し、今年で67年目を迎えています。2020年度の連結売上高は5,733億円、従業員数はグループ全体で14,374名、本社を渋谷に置き、支店、営業所は北海道から沖縄まで全国に所在しています。

1.会社紹介(2)沿革

三野:こちらのスライドは創業以来の歩みを表した年表です。「協和電設」として1954年に創業しましたが、1991年に「協和エクシオ」に社名変更しています。「エクシオ」にはラテン語で「殻を破る」という意味があるため、外向きに挑戦していこうという気持ちを込めて社名を変え、ちょうど30年を迎えました。

この30年を迎える手前の2000年代からは、M&Aを含め提携していただける企業も増えており、線表にあるとおり成長を続けています。

コロナ禍の中、新しい時代へ向けてさらなる飛躍をしたいというグループ全体の願いを込め、この10月1日から「エクシオグループ株式会社」に社名を変えてスタートしますので、ぜひいろいろな分野でエクシオグループの名前を知っていただけますと大変ありがたく思います。

1.会社紹介(3)事業概要

三野:事業の概要についてご説明します。当社の事業内容は、エンジニアリングとソリューションの大きく2つに分かれていますが、中でも仕分けとしては、「通信キャリア」「都市インフラ」「システムソリューション」の3つの事業になっています。

スライド下の円グラフのとおり、事業構成の半分が通信キャリア、残りの約25パーセントずつが都市インフラとシステムソリューションを受け持っており、上のイラストが示すように社会のさまざまな分野で事業を営んでいます。

1.会社紹介(3)事業概要-通信キャリア

三野:まず通信キャリアがどのような仕事をしているかご紹介します。もともと通信キャリアは創業以来のコア事業で、通信キャリア企業向け通信網の工事をしています。各家庭から電話局まで、電話局と電話局の間、電話局からその先の家庭までの通信をつなぐ仕事です。

固定系だけでなく、無線系もいろいろな方式に対応しており、日進月歩の技術に対応できるようにしっかり研鑽しながら、日本の通信を支えているのが通信キャリア事業です。

1.会社紹介(3)事業概要-都市インフラ

三野:次に都市インフラについてご紹介します。都市インフラは、先ほどお伝えした通信キャリアの事業で培った技術力を活かし、電気・都市土木などの分野に応用して発展してきています。

通信キャリア企業向けの仕事も、交換設備をはじめとした各種機器の稼働には電気が必要であり、都市土木の面でも、とう道と呼ばれる通信用ケーブル専用の大きな地下トンネルを作ってきた、という実績があります。

そのような都市インフラ事業として、具体的にはCATVや鉄道会社向け通信設備の構築、オフィスビルやデータセンター、さらには再生エネルギー関連の工事も行っており、ユニークなところでは廃棄物処理プラントなども手がけています。

1.会社紹介(3)事業概要-システムソリューション

三野:システムソリューションについても、同じく通信キャリア企業から、交換機を動かすにしてもソフトウェアが必要になるなど、いろいろなニーズに対応しています。

そのため、ソフトウェアの受託開発をはじめ、サーバーやLANなどのネットワークソリューションや、保守・運用まで行っています。この技術を使って、国内だけではなくグローバルにも展開している状況です。

1.会社紹介(4)グループ体制と拠点

三野:グループ体制と拠点についてご紹介します。エクシオグループは、現在100社を超える集団になっていますが、その中でも、スライドのとおり5つの主要子会社があります。この5社は、もともと協和エクシオと発端を同じくし、通信建設の分野から成長した大きな会社です。

この5社を中心に関連部門を展開していくかたちにしています。拠点についても、日本全国に営業基盤を持ち、海外はシンガポールに統括拠点を置いて、フィリピンやタイでも対応しています。

1.会社紹介(5)当社グループの強み

三野:当社の強みは、スライド下に横軸でトータルプロセスと書かれているように、企画段階から実際の施工・構築、さらには保守までを一貫施工でしっかり行っている点です。縦軸にもトータルソリューションと書かれていますが、アクセス、ネットワーク、モバイルなどさまざまなセグメントを融合させた事業展開を強みとしています。

1.会社紹介(6)外部からのご評価

三野:また、外部からいろいろな評価をいただいているのですが、建設セクターにおいて、女性が活躍できる環境をしっかり整えていこうと、「くるみんマーク」「えるぼし(最上位)」「準なでしこ銘柄」など、きちんと認められるような活動をしています。

1.会社紹介(7)近年の業績推移

三野:近年の業績推移です。詳しくは2020年度の業績でもお伝えしますが、2025年に向けて、成長していくシナリオをしっかり持って取り組んでいきたいと思っています。

2.2020年度業績(1)決算ハイライト

三野:2020年度の業績についてご説明します。まずハイライトですが、昨年度は受注高が過去最高の6,300億円を突破しました。国の施策によるGIGAスクール構想でかなりの特需となり、エクシオグループとして500億円弱の受注を取れたことで、過去最高の受注高を牽引したかたちになっています。

そのようなこともあり、受注高・売上高ともに前年度比でプラス9パーセント超、営業利益も大幅に18パーセント増という結果になっています。また、前回の中期経営計画、2016年度から2020年度までの計画策定時は、最初の設定で売上高4,000億円、営業利益300億円でした。

それを大きく上回った要因については、先ほどの主要5社の中にも入っていた、シーキューブ、日本電通、西部電気工業の、トータル約1,500億円規模の会社と経営統合したことが非常に大きかったのですが、それを見直しても、利益面ではさらにプラスになったかたちです。

2.2020年度業績(2)業績ハイライト(受注高・売上高)

三野:業績ハイライトです。スライドにあるとおり、トップラインではシステムソリューション事業が牽引して、受注高・売上高ともに大きく上げています。

2.2020年度業績(3)業績ハイライト(営業利益)

三野:営業利益についても、売上増加に伴う影響、また施工の効率見直しやDXによる生産性向上に取り組んだことにより、利益率がきちんと上がってきたことが大きく牽引し、昨年度の311億円から366億円まで引き上げることができました。

3.2030ビジョン・中期経営計画(1)2030ビジョンについて

三野:次に2030ビジョン・中期経営計画についてご説明します。冒頭にお伝えしたとおり、今年度は中期経営計画見直しのタイミングだったため、10年後に我々がなりたい姿をしっかりと見据えて中期計画を作りました。説明の前に動画を1本見ていただきたいと思います。

スライドにエクシオグループが目指す姿を記載していますが、やはり我々は社会課題を解決する会社になりたいと思います。その中の「挑戦1」「挑戦2」「挑戦3」として、「イノベーションによる課題解決」「エンジニアリングによる課題解決」「ESG経営の実践」を挙げています。

我々の会社は、いわゆる通信キャリア企業の工事でモバイルの基地局を作ったり、通信インフラを作ったりする仕事がメインに見られがちなのですが、システムソリューションの分野でソフト開発をかなり行っています。

世の中で「SIer(エスアイヤー)」と言われる業者は、ソフト開発でさまざまなソリューションを提供しています。しかし、我々はそれに加えて、エンジニアリングという工事の現場を知っていることになります。

もちろん、建設セクターの中には工事を主体にするところもありますが、システムソリューションとエンジニアリングを両方持っている会社は、あるようで案外ないと思っています。

我々はイノベーションとエンジニアリングを融合させることによって、社会貢献や社会の課題解決に挑戦していきたいと思っています。もちろんそれは、日本だけでなく、グローバルにも取り組んでいきたいということです。

非常に抽象的ではあるのですが、「Engineering for Fusion ~社会を繋ぐエンジニアリングをすべての未来へ~」というビジョンのもとに、10年後をしっかりと見据えた姿を決め、まず最初の5年はそれを事業の基盤として確実に作りあげることを目標に、中期経営計画を組み立てています。

3.2030ビジョン・中期経営計画(2)大きな改革の時代へ

三野:課題については、みなさまもすでにご承知のとおり、新型コロナウイルス拡大を含め、今の世の中は非常に先が見通せない時代になっています。社会課題の面で見ても、環境破壊や資源の枯渇が問題となっており、日本においても自然災害が年々増加しています。

インフラの老朽化、人口減少による過疎化・空洞化などの課題もあるため、そのようなところもしっかりと改善してくことが求められています。また、産業・社会の変化としては、技術革新が急速に進み、それを支えるプレイヤーもどんどん変わっています。

もう以前のような、レガシーに支えられた会社群は消えてなくなり、GAFAをはじめ、新しい文化を持った人たちによって世界が作られていることを考えると、そのような変化へも柔軟に対応することが必要になっています。

社会の意識の面では、LGBTQやダイバーシティなどへ配慮した、働きやすい環境作りにしっかり取り組んでいくことが求められていると思います。

3.2030ビジョン・中期経営計画(3)2030年に目指すポートフォリオ

三野:そのような中で、我々の目指すポートフォリオをまとめました。前回の中期経営計画で2015年からスタートした時は、通信キャリア企業向けの仕事が3分の2を占め、残りがシステムソリューションと都市インフラというかたちになっていました。

その5年間で、通信キャリア企業自体は成長しているものの、当社に占めるウエイトは少なくなり、ようやく半分を切って、システムソリューションと都市インフラが約25パーセントずつの売上高を実現しました。

2030年には、これをそれぞれ3分の1ずつの仕組みにすることで、景気や社会情勢に左右されない体制にしていきたいと考えています。そのために最初の5年間は、その礎となるよう、通信キャリア40パーセント、システムソリューションと都市インフラを30パーセントずつまで引き上げていきたいと思います。

3.2030ビジョン・中期経営計画(4)中期経営計画の目標

三野:具体的な目標ですが、2025年度の業績目標を売上高6,300億円、営業利益470億円、営業利益率7.5パーセントに設定し、それぞれのセグメントの戦略と経営基盤を強固なものにしていきます。

3.2030ビジョン・中期経営計画(5)セグメント別戦略

三野:セグメント別の戦略についてご説明します。通信キャリアでは、5G展開への積極的な取り組みや、収益性・生産性の向上が求められていると思います。今後は5Gによって、いわゆる基地局というものは非常に小さくなり、数が増えてきます。

それに追従できるよう生産性を上げて、多くの5G基地局を作り込むことが必要になってきます。これはもともと創業以来の分野でもあるため、そのような通信キャリア企業の要請にもしっかりと応え続けていきたいと思っています。

都市インフラ事業については、通信・電気・土木・プラント・空調などの技術があり、それぞれ別々に成長していたのですが、これからはビルまるごとのような新しい領域で考えていかなければいけません。

具体的に言いますと、環境エネルギー分野には、都市インフラの面でもさまざまな技術が集約しているため、通信と電気の融合、電気と土木の融合などが求められています。

そのような事業への参入にあたって、レジリエンスを高めるエンジニアリングを提供し、最近言われているBIM/CIMのようなモデリング手法にもしっかり取り組んでいきたいと考えています。

システムソリューションにおいては、高付加価値事業をしっかり拡充していくとともに、保守運用や、昨今非常に注目されているセキュリティ部門などにも技術を提供し、ソリューションプロバイダとして進化していきたいと思っています。

3.2030ビジョン・中期経営計画(6)ESG目標

三野:ESG目標である「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(ガバナンス)」については、「再生可能エネルギーへのシフト」を一例に言いますと、自社拠点での再生可能エネルギー由来の電力購入を100パーセントにしていくことで、環境に優しい事業運営に積極的に取り組んでいきたいと思います。

4.株主還元および指標(1)株主還元

三野:株主還元について我々の考え方をお伝えしたいと思います。当社は株主還元を非常に重要なものとして位置付けており、DOEに基づいて、安定的・継続的な配当を行っていくという還元方針を掲げています。現在までそれを着実に進め、10期連続増配のかたちとなっており、昨年度は82円、今年度は88円の配当としています。

この10期連続増配というバトンを落とさないように、増配基調をしっかり続けていきたいと思っています。会社や従業員だけでなく、株主を含めたステークホルダーすべての方に還元していく方針をしっかりと見据えて取り組みたいと思っています。

自己株取得についても、期初に30億円の取得を発表しましたが、必要に応じて適宜判断し、株式価値の向上に努めていきます。

4.株主還元および指標(2)総還元額、ROE・EPS

三野:ROE・EPSについても、着実な上昇をしっかりと目指していきたいと思います。

5.その他(1)人材育成の取組み 技能五輪全国大会で金メダルを獲得

三野:トピックスをいくつかお話しします。人材育成についても非常に重視して取り組んでいます。若手技能者の育成という面では、技能五輪大会というものがあり、いろいろな職種別に技能を競い合うのですが、その中のネットワーク関係の種目において、当社社員が金メダルを獲得しています。

スライド右側の成績の表に記載があるとおり、世界大会で金メダルを有している社員が5名います。写真に写っている者が、今回国内大会で金メダルを取得し、海外への挑戦権を獲得しました。こちらについては、来年上海で世界大会が行われます。先に世界大会で金メダルを取っている者に続き、彼もしっかり取れるようにサポートしていきたいと思っています。

5.その他(2)準なでしこに選定 ー女性活躍推進の取組みー

三野:「準なでしこ」にも選定いただいています。先ほどもお伝えしましたが、女性社員の活躍推進という面も非常に重要視しており、今回執行役員に昇格した女性役員は2人、また、支店長も1人出てきているかたちです。しっかりと女性活躍の場を広げていきたいと思っています。

5.その他(3)サステイナブル・オフィスが完成 ー環境負荷軽減の取組みー

三野:環境問題にも取り組んでいます。直近では、横浜に南関東支店として新社屋があるのですが、こちらがゼロ・エネルギー・ビルに認定されました。ここでは、実質的なエネルギー削減量としておよそ75パーセントを実現しています。このようなサステイナブルなオフィスコンセプトについては、これから作るビルにもしっかり取り入れ、環境に優しい運営を行っていきたいと思っています。

5.その他(4)新しい農業のカタチへの挑戦 ー地域共生の取組みー

三野:少しユニークな取り組みです。主要子会社のシーキューブについてはすでにご紹介しましたが、そこではICTを活用したスマート農場を運営しています。「SWEET CUBE」という名前で今世の中に売り出しているのは、8度以上と非常に糖度が高く、本当に甘いトマトです。

いろいろな環境モニタリングセンサーの使用などがスマート農業の一端としてあり、どんどん拡張しています。単に技術的なソリューションの提供のみならず、スマート農場への展開や現場へのフィードバックにも取り組んでいくかたちになっています。

5.その他(5)当社グループの新型コロナウイルス対応

三野:当社グループの新型コロナウイルス対策として、約1万人に対してしっかりと職域接種のスキームを作り、協力会社およびご家族の方にも先行して受けていただいており、すべての方が2回接種済みです。

同時に感染防止対策も徹底しており、工事をする中においてもお客さまにご迷惑をかけないように取り組んでいます。ニューノーマルの世界を目指して働き方も変革しており、本社などの主要オフィスをフリーアドレス化したり、顔認証とサーモグラフィーカメラ搭載のセキュリティゲートを作ったりと、いろいろな取り組みを行っています。

5.その他(6)当社が提供するリモートワークソリューション

そのようなことを含め、我々はリモートワークのいろいろなソリューションを実践しています。実践を通じて、それを世の中のみなさまにもソリューションとして提案することで、社会貢献につながるようにしていきたいと思っています。

以上が会社の概要です。投資家の方々にも引き続きしっかりと情報公開を行い、みなさまに心から喜んでもらえるような会社になれるよう取り組んでいきます。ぜひご理解とご期待をしていただければと思います。どうもありがとうございました。

質疑応答:M&Aの実施について

坂本慎太郎氏
(以下、坂本):スライドの6ページに関して、2000年以降にM&Aを多く行ってきた理由と、M&Aにおいて効率化の面で寄与した部分があれば教えてください。また、今後さらなる同業のM&Aをお考えでしょうか?

三野:2000年以降にM&Aを多く実施してきたことについて、主に2000年から2010年までは東日本エリア、2010年から2020年までは西日本エリアでのM&Aを加速しました。

なぜかと言いますと、やはり日本全国に施工拠点をしっかり持ちたいという理由です。ただ施工拠点を持つだけでなく、保守や運用を全国レベルできちんとやり込めるかたちになることを狙い、M&Aを行ってきたという背景があります。

M&Aによっていろいろなグループが入ってくるのですが、先ほどお伝えしたように、同じく通信建設会社の仕事をしているメンバーが入ってきたことが大きなウェイトを占めています。システムはバラバラで取り組むことも違いますが、これを統合していくことにメリットを感じていますし、統合によりいろいろな情報交換がスムーズにできるとも考えているため、そのような面での組み立てをしっかり行っていきたいと思っています。

今後の同業間の大型なM&Aについては、業界全体は一巡したと思っているため、これからは都市インフラ事業やシステムソリューションなど、今後伸ばしていくところが主体になってくると考えています。

質疑応答:各セグメントの状況について

坂本:次に、スライド7ページの現状の事業概要についてです。右下の円グラフでは通信キャリアが約半分を占め、都市インフラとシステムソリューションが残りの半分を占めています。将来はこれを均一化させたいとお話しいただきましたが、直近の比率や、技術の進化による作業内容の変化、もしくはこの3セグメントの売上が急激に変わってきたというようなトピックがあれば教えていただけますか?

三野:まずシステムソリューションについては、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の流れが相当出てきています。DXはいろいろなところで話題になっていますが、特に国がデジタル庁を作り、思い切ってDX化を推進することが大きいです。

今回のコロナ禍からもわかるとおり、「国に備わっているものが本当にデジタル化に即しているか」については、諸外国に比べてまだまだ弱い部分があることが明らかになっています。そのようなところが今後、我々のビジネスチャンスとして大きく伸びてくると思っています。

都市インフラについても、直近は環境問題が非常に大きくクローズアップされてきています。脱炭素社会についてもいろいろ言われていますし、再生可能エネルギーにもしっかり取り組まないといけないことから、このセグメントも非常に大きく伸びてくると考えています。

通信キャリアのセグメントも成長するとは思いますが、それ以上にシステムソリューションのDX化、環境問題に関連する都市インフラが相当伸びてくる予想です。

八木ひとみ氏(以下、八木):VTRの中で洋上風力のお話もしていましたが、それも都市インフラ事業に入ってくるのですか?

三野:入ります。都市インフラの中でも、我々は特に土木と電気関係が強いとお伝えしましたが、当然、風車などを含め洋上風力のすべてを我々が手掛けられるわけではありません。例えばケーブル敷設の技術を活かして、地下を掘って電力ケーブルを埋めるなど、そのようなところを中心に伸ばしていこうと思っています。

質疑応答:グループ会社の統合について

坂本:スライド11ページです。M&Aについてはお話ししていただきましたが、連結子会社制ということでたくさんの組織があります。これらの統合は将来的にあり得るのかどうかをおうかがいできますか? 統合することにより、人的資源の融通などがかなり行いやすくなるかと思っています。

また、統合しない理由があるとして、給与面の差や労務関係などいろいろな課題が出てきそうですが、例えば地域限定の入札がたくさんある場合はグループとしてメリットがあるのかとも個人的に考えています。そのあたりを含めて教えてください。

三野:協和エクシオには100社を超えるグループ会社があるとご説明しましたが、やはりある程度一枚岩にしなければならないと考えています。ただ小さい組織を100社も持っている状態ではいけないということです。やみくもにM&Aを進めて100社になったわけではありません。実は、買収した西日本の3社は2018年に経営統合したのですが、その際に三十数社が漏れなく付いてきたのです。

坂本:なるほど、傘下企業が多数あったということですね。

三野:そのようなことを経て、協和エクシオがすでに持っていた会社を含めさまざまな組織が存在するため、重複している部分を整理して統廃合していかなければならないと考えています。しかし、各企業に創業からの歴史など備わっているものですし、そこは丁寧に進めていきたいと思います。

坂本さんが先ほどおっしゃったように、地域限定の入札があることも事実だと思っていますが、それでも統合を進めなければということで取り組んでいます。西日本の3社は一緒になってからまだ2年から3年しか経っていないため、その傘下企業まで統合しようというゴーサインは具体的にまだ出ていませんが、検討しているところです。

特に、東北および北海道は統合を始めており、先月それぞれのエリアで1つの会社に合併し、報道発表も行いました。そのような取り組みを継続しているとご理解いただければと思います。

質疑応答:営業利益率に関する施策および特需について

坂本:スライド14ページにて、近年の業績推移と将来の目標をお伝えいただきました。2019年度に営業利益率が落ちているのはM&Aの影響によるものか、もしそうであれば利益率を落としてでもM&Aに振り切った理由をおうかがいできますか? 同業他社の買収はだいたい一巡したというお話でしたが、こちらを急がれた理由を教えていただきたいです。

また、2025年度の営業利益率の目標は、2016年度から2018年度までの平均程度に戻るというところですが、どのような取り組みによる利益率向上をお考えでしょうか? 加えて、GIGAスクールは足元の特需だったとのことで、今後も同様の特需を想定されているのか、いろいろなところをじっくり効率化することで利益率を上げていくのかなどのイメージを教えていただけたらと思います。

三野:まず、経営統合した西日本3社の営業利益が概ね3パーセント台だったということが、営業利益率が下がっている要因となっています。3社合わせると1,500億円くらいの規模で、それがかなり効いていることは事実です。

先ほどもお伝えしたとおり、なぜそのような会社と一緒になったかというと、日本全国の施工拠点を手に入れて、保守・運用などのリカーリングビジネスも全国でしっかり行うことができる体制を構築するためです。法人ユーザーのことを考えますと、全国できちんと対応できるということが非常に大事になると思っており、そのようなビジネスのチャンスをさらに広げて成長していこうという意図です。

また、西日本3社との間のシステムもできつつあり、営業連携をしっかり行うための取り組みも進めています。経営統合から3年目を迎えていますが、昨年度の結果では3社とも5パーセント台に営業利益率が上がってきているということで、協和エクシオ並みの利益率まで引き上げていけるように引き続き取り組んでいきたいと思います。

GIGAスクールについては非常に大きな特需でした。統合報告書を発表しており、その中の3ページ目に記載があるので会社の公式サイトから見ていただければと思いますが、約5,000校の小中学校に対して学習端末パッケージを導入しています。5,000校は国内全体の約6分の1に相当する規模で、トータルとして非常に大きな特需になっていました。

そのような特需が今後ないかと言いますと、実は今年と来年は高度無線整備事業というものがあり、ルーラルエリアの光ファイバー網を張り巡らせるという国の施策が出ています。そこまで大きくないのですが、案件が取れているかたちになっています。

しかし、このような特需が続くとは思っていないため、コンサバティブではありますが、継続的に織り込まずに計画を立てています。もし特需が出てきた時には、今までの実績を踏まえつつ社会貢献の一環としてしっかり取っていきたいと思っています。

質疑応答:各事業における工事の内容について

坂本:次はスライド16ページです。受注高が非常に高い水準で、過去最高の6,300億円を突破しているとのことで、工事の種類や、受注から作業完了までの平均的な期間など異なるのは当然とは思うのですが、その内容を具体的に教えていただけますか? そうしますと、投資家の方も今後の売上のイメージが湧くのかと思います。

三野:通信キャリア事業においては、まず光ファイバーの開通工事のような需要対応のものがあり、およそ1ヶ月以内に開通まで完了します。

それ以外に、計画工事というアクセス部分を工事するものもあります。そちらは3ヶ月から1年というレンジで組み立てをしている通信工事です。1ヶ月以内のものがだいたい半分、3ヶ月から1年以内のものがもう半分を占めるイメージです。

都市インフラ事業は非常に大規模な工事が多く、複数年契約で行っているかたちです。システムソリューションのところでは、大規模なものもありますが、だいたい1年以内の工事が主体になっているイメージです。

質疑応答:収益の季節性について

八木:会場の方からのご質問です。おそらく決算書などをいろいろ見てご質問されているのだと思いますが、収益に季節性が影響するかどうか、この方にとっては特に第4四半期が高いような印象があるため背景を教えてほしいとのことですが、いかがでしょうか?

三野:設備工事のウエイトがやはり非常に大きいもので、どうしても年度末に完成させたいという状況が多く、年度末に完成工事が集中して上がってくるかたちになっています。

今後若干変わってくるのは、収益認識基準と言いまして、要は「完成していなくても、工事の出来高で進捗しているところをきちんと決算に反映させなさい」という話です。そこが非常に小さな額で計上されるため、今までのように第4四半期でグッと収益が立つのではなく、だんだん年間を通してなだらかになってくると思っています。

しかし、それを差し引いても、年度末までに完成させたいというお客さまの要望が非常に強いため、どうしても第4四半期に高くなる傾向が強く出てきます。

質疑応答:エンジニアリングの活用について

坂本:スライドの20ページで、「イノベーションにより多様なエンジニアリングをつないで融合する力」について掲げていますが、こちらについて具体例などがあればよりイメージが湧くと思います。

三野:NTTドコモさまと進めている話の内容にも関わりますが、例えば、最近は台風が強力ですよね。一時期ニュースで取り上げられましたが、倒木の被害などがあります。

坂本:千葉で停電などもありましたね。

三野:鉄道の列車が止まったところもあったと思います。そのような時を想定して、実際に発生したら鉄道の軌道線上にドローンを飛ばし、撮影した映像をAIで認識して、速やかに復旧につなげることができます。ソリューションを組み合わせることにより、エンジニアリングの力でしっかり復旧するというような取り組みを現在行っています。

また、コロナ禍でテレワーク需要がすごく伸びていると思うのですが、出社率は低くなりますよね。実は我々もオフィスを変更して、1フロア100人入るところを60人に抑え、フリーアドレス化しました。しかし、みなさま自由に好きなところに座るため、全館で同じように空調をつけていたらエネルギーの無駄になると考えました。

そこで、ビーコンという技術を使って各メンバーの位置情報を把握し、そこに向かって空調を使えば効率を上げられるということを今考えています。アズビルと組んで仕組みを作っており、そのようなところでもソリューション・イノベーションを起こして、エンジニアリングとしてうまく連携できるのではないかと思っています。

坂本:おもしろいですね。ビルの省エネについては、最近は日米ともにかなり力を入れているところですからね。

質疑応答:配当と自社株買いのバランスについて

坂本:株主還元についておうかがいします。継続的に自社株買いを実施されており、配当についても非常に意欲的でいらっしゃると思うのですが、配当と自社株買いのバランスはお考えでしょうか? 自社株買いについてはおそらく、株価をある程度勘案して検討する部分もあると思うのですが、このあたりのイメージを教えていただけたらと思います。

三野:配当については先ほどお伝えしたように、DOEを3.5パーセントに設定して、確実に、かつコンスタントに投資家のみなさまに配当していきます。要は利益率の増減によって出る出ないということではなく、資本に合わせてきちんと配当するということを基本にしたいと思っています。

自社株買いについては、やはり情勢を勘案しながらですが機動的に行っていきます。バランスという面では、総還元性向をいくらにするということまで決めてはいませんが、まずはDOE3.5パーセントとして、年間配当は増配し続けるというかたちを軸に動いているとご理解いただけたらと思います。

質疑応答:教育体制について

坂本:最後にスライド30ページですが、高い技術を持った若手社員がいるということで、教育体制についておうかがいします。技術の伝承みたいなものが御社の中にあるのかということと、セクションによっても変わると思うのですが、新卒入社された方がどのくらいで戦力化するのかも含めて、具体的に教えていただけたらと思います。

三野:アクセス系の技術に関する教育体制については、埼玉県和光市に技術研修センターがあり、そこで研修をしっかり行うかたちになっています。そこでは、アクセス系の技術の伝承に加え、モバイルの工事などの研修も実施しています。

それと同時にOJTも大事にしています。現場に出て、優秀な工事長などに付いて実務の技術をしっかり身につけて、そこでマンツーマンの指導も受けて、新たな現場に行くという流れです。そのような取り組みを軸としています。

資格も重視しており、インセンティブを設けて取得を推奨しています。そのような取り組みはモチベーション維持や向上のためにも重要ですし、本人の成長を図る上ではっきりした指標になるということで大事にしています。

どのくらいで戦力になるかは人それぞれです。いきなり戦力になるような人が入ってくる時もありますが、「手に職をつける」レベルに達するには通常3年くらいはかかるかと思います。ソフトウェア開発の分野では、専門スキルを持った人は立ち上がりが早く、1年くらいで戦力になっている人もいるイメージです。

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