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「ネットも繋がっていて、仕事も続けている」ウクライナからのメールで思い知る大国間“戦争ゲーム”の身勝手さと「明日は我が身」=矢口新

ウクライナには仕事関係の知人がいて、気になるのでごく短い「安否確認」のメールを送ったら、このような返事が来た。「ウクライナの状況は本当にひどいものだが、今のところ、自分も家族も、会社の皆も問題はない。インターネットも繋がっていて、仕事も続けている」とのことだ。ウクライナで起きていることは大国同士のゲームに過ぎない。このことで改めて思うのは、日本も「ロシア・米国・中国」の3つの大国間“戦争ゲーム”の真っ只中にいるという事実である。(『相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』矢口新)

※本記事は矢口新さんのメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ー有料版ー』2022年3月7日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。配信済みバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

「仕事も続けている」ウクライナの知人からメール

毎日、ウクライナからの悲惨な映像が流れている。また、エストニアの貨物船がウクライナ沖で沈没したという。機雷に接触したと思われるらしいが、当地は本当の戦争をしているのだ。

そんな時に、わが身を思うとは、身勝手だろうか。実を言うと、ウクライナには仕事関係の知人がいて、気になるのでごく短い「安否確認」のメールを送ったら、このような返事が来た。

Dear Arata,

Thank you for your kind message and your concern. Much appreciated!

The situation is really terrible in Ukraine, however right now I and my family as well as Vxxxx Ixxxx staff are in order, we have access to the Internet and we continue working.

We all hope and pray for the soonest end of this war!

Again, I appreciate your concern.

Kind regards,
Oxxxx

「ウクライナの状況は本当にひどいものだが、今のところ、自分も家族も、会社の皆も問題はない。インターネットも繋がっていて、仕事も続けている」とのことだ。

そこで私は、「実のところ、プーチンがNATOの拡大を懸念するのは、侵攻前までは理解できていた。しかし、米国ではなく、ウクライナの人々を攻撃するのはフェアではなく残酷だ。ウクライナの人々は超大国の戦争ゲームとは何の関係もないのだから」と述べた。

Dear Oxxxx,

I’m sorry for all of you. And I’m glad to hear that you are safe.

To tell the truth, I could understand Putin’s worry about NATO’s expansion before the invasion.

But it is unfair and cruel for him to attack people in Ukraine, instead of the US. You did nothing for this superpowers’ war game.

I hope you’ll be safe and pray for the soonest end of this war as well.

Best regards,
Arata

ウクライナ戦争は大国同士のゲーム

我々は西側諸国の側にいるので、一方的にロシアを責めているが、ウクライナ戦争の本質は大国間の戦争ゲームだ。

戦争ゲームでは、世界には超大国の「米国」と、大国の「ロシア」「中国」しかいない。後の国々は基本的に巻き込まれるだけだ。

ウクライナはソ連崩壊後も概ねロシア側で、2014年の初めまでは親ロ政権だった。それが親米派による議会の武装制圧で、親米政権となった。西側諸国は直ちにそれを承認した。

似たようなことはベネズエラでもあった。2018年に親ロ政権のマドゥロ大統領が再選の出来レースを行ったとのことで、大統領の再選を認めず、グアイド国民議会議長(野党第4党の少数政党だが、党首が持ち回りで議長となる制度のため、議長となっていた)が、自ら暫定大統領に就任した。西側諸国は直ちにグアイド大統領を承認、ベネズエラに2人の大統領が並立することとなった。

その前後に伴う混乱で、ベネズエラからは100万人を超える大量の難民が流出した。

Next: 大国に振り回される近隣諸国。誰が戦争ゲームを仕掛けているのか?

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