FY21の売上が大きく下落した理由
IBMのFY21の売上が$57B(約5.7兆円)、YoY▲22.1%と大きく下がっていたのは、Kyndryl(キンドリル)を分社化したことが大きく影響しています
ecosystemandacquiring 15 companies to strengthen ourhybrid cloud andAI capabilities
With the separation of Kyndryl we now have taken the next stepin the evolution of our strategy, creating value through focus andstrengthening our financial profile.
Kyndrylの分社化は、IBMがハイブリッドクラウドとAIにより集中し、テクノロジーとコンサルティングを中心としたポートフォリオにより、IBMの成長目標を達成するために取り組んでいる施策の中の一つです。
また、IBMは引き続き独立した企業となるKyndrylと協業していく方針をとることになっています。
Kyndrylについて
IBMによるKyndrylの分社化の詳しい背景については後述していきますが、まずはKyndrylの企業・事業概要を整理していきましょう。
KyndrylはIBMの顧客先インフラ・サービス部門が独立した会社であり、大規模な情報システムの設計、構築、管理、開発を受託しています。
2021年11月3日にIBMから分社化されましたが、すでにニューヨーク証券取引所にも上場済みです。
様々なプラットフォームと提携しており、MicrosoftやGoogleCloudなどを始め、2022年2月にはAWSともパートナーシップを結び提携を開始しました。
Kyndryl社の戦略
上記の様々なプラットフォームとの提携からも見て取れますが、IBMというベンダーに囚われず、マルチベンダーのテクノロジーニーズに対応するため、クラウドベースのサービス提供で成長を目指す戦略に舵を切っています。
具体的には、現状は20%の従業員がIBMのクラウド関連事業に従事していますが、中期的には50%の人材がAWSなどのハイパースケーラーと関わるようになることを目指すなどしながら、現状減少傾向にある売上を2025年までに成長させる素地を作ろうとしています。
従来のクラウドサービスを成長させることに加えて、アプリケーション、データ、AI、DXなど今まで提供できていなかったサービスサインナップの拡充も目指しています。