fbpx

韓国ユン政権を襲う経済成長率0%台の停滞地獄。文在寅が去っても山ほどある「負の遺産」=勝又壽良

公営企業に赤字の山

政治の良し悪しは、経済成果に集約されるものである。いくら美辞麗句を並べても、経済パフォーマンスが悪ければ、国民生活は豊かになるはずがない。

文政権では、美辞麗句が先行しており、公営企業に多大の赤字を垂れ流す結果になった。この赤字は、最終的に国民負担としてはね返る。文政権は、労組と一体になって赤字垂れ流しを強行した。

韓国は、経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、公営企業の数字と役割が最も大きい国である。公営企業のずさんな経営では、政府が政策費用を公企業に負担させた影響も多かった。公営企業の借入金は、政府保証と同じ意味であり「隠された国家債務」と呼ばれる。

昨年末、公営企業数は350社にもなり、人員も2017年に比べて10万人近く増加した。文政権発足時である2017年の人権費総額は、24兆2,000億ウォン(約2兆4,200億円)だった。それが昨年は、32兆4,000億ウォン(約3兆2,400億円)へと急増している。4年間で33.8%増になった。

韓国電力は、かつて黒字経営の模範的企業であった。それが、今年4月までに発行した社債総額は、50兆ウォン(約5兆円)を超えるほどになっている。発電子会社から電気を購入する代金が足りず、買掛金にするほど落ちぶれた状態だ。この遠因をつくったのは文政権の「脱原発政策」である。文氏は、皮肉にも今年に入って、その「脱原発」政策を放棄せざるを得なかった。朝令暮改である。

昨年、公共機関2ヵ所のうち1ヵ所の割合で赤字だった。公営企業全体の負債も583兆ウォン(約58.3兆円)で、今年の政府予算607兆ウォン(約60.7兆円)に匹敵する規模に膨れ上がっている。この5年間、公営企業の放漫な経営と負債急増、組織肥大化を考慮すると、改革はこれ以上先送りできない緊急課題になっている。

韓国では不思議にも、公営企業の民営化論がタブーである。

進歩派は、民営化論を「新自由主義」として排撃する硬直性に嵌っている。この裏には、巨大労組の圧力がかかっているのであろう。公営企業の職員であれば、「準公務員」である。韓国のように公務員志望が圧倒的な社会では、「官員様」に憧れる風習が極めて強いのだ。

日本と40年遅れる

先進国の流れは、公営企業民営化である。

日本は、中曽根内閣で行政改革を行い公営企業の民営化を断行した。1985年、電電公社を日本電信電話(NTT)に,専売公社を日本たばこ産業(JT)として民営化した。87年には国鉄を民営化して,旅客鉄道会社6社のJRと日本貨物鉄道1社に分割した。

国鉄の場合、政治家の要請で赤字路線が増え毎年、鉄道運賃の値上げがあっても累積赤字が膨らみ最悪事態に陥っていた。こうして、民営化によって国鉄はJRとなり、各社に経営の裁量権を与えたので、つい最近まで運賃の値上げはなかった。韓国は、公営企業民営化が「新自由主義」などと屁理屈をこねず実施へ踏み切らないと、赤字と債務が雪だるま式に累積するであろう。

日本が1980年代に行なった民営化が、韓国では議論もできないほど遅れている。日韓には、少なくも40年の差がある。

この理由は、屁理屈が先行して社会がまとまらない、韓国社会特有の欠陥にある。反日もこの類いである。日韓併合はすべて悪として捉えるのだ。日韓併合は、韓国社会が近代化に向かうスプリングボードの役割を担わったはずである。だが、感情論に支配されて、その成果を「全否定」している。

韓国進歩派は、こういう非科学的な歴史観で反日運動を行なってきた。コチコチの民族主義集団だ。話しても理解を得られない以上、韓国に反日派は消えないであろう。

これと同じ理屈で、韓国の公営企業民営化の実現は絶望的である。結局、赤字を溜め込んで二進も三進も立ちゆかぬ事態が予想される。

Next: 計算できない感情論だけの「進歩派」が韓国経済を破壊し尽くした

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー