飲食店の検索に関する意識調査で、「食べログ」などのグルメサイトの利用率が下がり、「Google」が初めてトップになったと報じられている。
この調査は、飲食店向けに予約・顧客管理システムの開発・提供等を行う会社が、20~60代の全国の男女1100名と、20~50代の飲食店に勤務する全国の男女550名を対象に行ったもの。それによると、飲食店検索の際に利用する手段に関して、Googleが前回2020年調査の78.5%から今回は86.1%と上昇したのに対し、グルメサイトは1位だった前回78.9%から今回は61.3%と、大幅に下降している。
いっぽう、グルメサイトの利用・閲覧が減った理由としては、「自分好みのお店が見つからないから」「信頼できる情報ではないから」「人の意見や評価に興味が無いから」といったものが多くあがっているという。
評価アルゴリズムを巡って飲食店と裁判沙汰にも
食べログをはじめとしたグルメサイトの人気凋落を印象付ける形となった今回の調査結果。
SNS上も「何を探すにもGoogleマップ便利だもん」と、Googleの利便性を評価する声が多くみられるいっぽうで、「営業時間とぼったくりもしくは接客的に大外れじゃなければいい」「もうグルメサイトに点数を求めている人は少ない」といった声もあがるなど、この結果には至極納得といった反応が多いようだ。
Googleがトップに!
最新のnewsで『飲食店を検索する際に使う手段』でGoogleが1位に!ついに食べログ・ぐるなび等のポータルサイトで検索する時代から変わりました!でもそりゃそうよね…家から近い所、口コミがいい所、美味しそうな所、何を探すにもGoogleマップ便利だもん…MEO対策やらない理由ない pic.twitter.com/D9FDJMHMhv— 黒山結音|Sooon株式会社COO (@Yuito_NOSIDE) August 17, 2022
確かに自分も最近、Googleマップで「場所」「食べ物」みたいので、検索してる気がする。
reading…
飲食店検索で「グーグル」初のトップに グルメサイト離れ進むhttps://t.co/GF0kPphuU9— 深津 貴之 / THE GUILD / note.com (@fladdict) August 17, 2022
正直、もうグルメサイトに点数を求めている人は少なく、営業時間とぼったくりもしくは接客的に大外れじゃなければいい、クラスの人増えているんじゃないかな。 / “飲食店検索で「グーグル」初のトップに グルメサイト離れ進む” https://t.co/LPxgE90Fuw #webサービス #食
— nakakzs (@nakakzs) August 17, 2022
いっぽう、飲食店検索の主流を追われたグルメサイトの代表格とされる食べログは、2005年のサービス開始以降、全国のレビュアーからのクチコミや評価点の投稿によって、サイトが巨大化。人気サイトの仲間入りを果たし、飲食店への影響力も強まっていくなかで、業者によるやらせレビューの横行や、店側が望まないにも関わらず無断掲載、さらにレビュアーに誤情報を流されるといった被害が出て訴訟沙汰になるなど、様々なトラブルも表面化していった。
なかでも、以前より大いに取沙汰されていたのが、食べログ独自の評価点アルゴリズムの公平性を巡る問題。2019年には、食べログのアルゴリズム変更によって、とある焼肉チェーンの評価点が全体的に下がってしまい、その影響で売上が減少しブランド価値も毀損されたとして、食べログを運営するカカクコムを提訴する事態が発生するに至ったのだ。
訴えた側は、チェーン店の評価が一律で下がるようアルゴリズムを変更したことは、独占禁止法が禁じる「差別的取り扱い」「優越的地位の乱用」に当たると主張。対するカカクコム側はそれを真っ向から否定したものの、今年6月にあった東京地裁での判決では、食べログのアルゴリズム変更が「優越的な地位の乱用」にあたると認定。カカクコムに対して3,840万円の賠償を命じたのだが、同社これを不当な判決であるとし即日控訴。法廷闘争はいまだ続いている状況だ。
飲食店の間でも「ブラックボックス」だとの不満が多い食べログの評価だが、いっぽうで過去には、評価点への影響力が高いとされるいわゆる有名レビュアーが、特定の飲食店から過剰な接待を受けていると報じられ、大きな騒動になったことも。
サイト側による不透明な評価基準もさることながら、それに対しあまりにも振り回されっぱなしな飲食店側という構図が、ひいては評価点そのものが何やら胡散臭いものだという印象をユーザーに抱かせ、それが今回の調査結果のような利用率低下にも繋がったとも言えそうである。
おじさん構文多めなレビューも弊害に?
いっぽうで、そんな食べログの目玉コンテンツのひとつである投稿者によるレビューだが、最近では「おじさん構文の墓場」といった評価も固定化されつつあるようだ。
本物のおじさん構文を浴びたいなら食べログがお勧めですよ 一人称小生で始まり顔文字満載で町に着いた時点で関係ない自分の昔の思い出を長々綴って「閑話休題。」、店員さんの可愛さをネチネチ語って、最後にここで一句。って謎の俳句を読んで「お後が宜しいようで。」で〆たりするの一杯見れるよ
— オダワラハコネC100新刊委託中 (@odawarahakone) August 10, 2022
「やたらと多い句読点」「乱用される絵文字と顔文字」「上から目線」などといった特有の言い回しが、若い世代の特に女性からはとにかく嫌悪されているおじさん構文。
サービス開始が20年近く前で古い世代にも馴染み深く、Twitterのような字数制限もなくクソリプが飛んでくる心配も皆無、さらに飲食店を評価するという、いわば“お客様は神様”といったスタンスで書ける食べログは、そんなおじさん構文を駆る中高年男性にとって相当居心地が良い空間のようなのだ。
食べログのおじさんのレビューまじで気持ち悪いよね。「小生」はあるあるだし、誰だよそれっていう謎のグルメ仲間が登場したり、謎の内輪ネタ、おじさんがその店に行こうと思い立った経緯とか、とにかくいらん情報が多くて文体がまじで気持ち悪い>RT
— 趣味垢˒˒ (@may_sparkle6) August 10, 2022
食べログはレビューの自分語りが臭すぎるみたいなのはあるけど、GoogleはGoogleで私怨で低評価書いてるクレーマーみたいなのもいるので一長一短というかなんというか
— 星・ルミエール♂️ (@tabete_sugu_nel) August 17, 2022
SNS上には、おじさん構文そのものの気持ち悪さもさることながら、ここぞとばかりに入れ込んでくる自分語り、さらに馴染みのレビュアー同士でしか通じないような内輪なネタもキツいといった声もチラホラ。こういった状況も、冒頭の調査結果にあったような利用率の低下、さらには今後の先細りを招く要因ともなりかねないところだろう。
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