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韓国“半導体二流国”に陥落。台湾との圧倒的技術力の差が露呈し、韓国経済は暗黒時代に突入する=勝又壽良

対中貿易で台湾に追い抜かれた韓国半導体

台湾は、「ファブレス(設計専門)─ファウンドリ(委託生産)─後工程」と連なる半導体生産の全段階にわたって競争力のある構造を構築している。台湾政府が、中国へ進出した半導体企業に対して、リショアリング(国内復帰)支援政策を通じて、台湾復帰を促したことも影響した。巨額投資が行なわれている背景である。

台湾は2019年から、ファウンドリ分野の競争力を基に、中国向け半導体輸出で韓国を追い抜いた。今年1~7月、中国の半導体輸入市場で台湾のシェアは35.0%で、米国の対中国制裁開始の時の2018年(28.9%)よりむしろ高まった。同期間、韓国のシェアは24.4%から19.6%に低下している。
※参考:韓国・台湾の対中貿易収支の明暗、半導体で分かれた – ハンギョレ新聞(2022年9月28日配信)

メモリー型半導体から非メモリー型半導体へと、市場ニーズが移り変わっていることを示している。

韓国は改めて、非メモリー半導体分野の競争力を育て、半導体市場への対応力を高めなければならないことを浮き彫りにした。そうでなければ、韓国は「半導体大国」などと恥ずかしくて言えまい。

中国の圧力もどこ吹く風。欧米各国の台湾詣で

台湾は、すでに未来産業に欠かせない半導体大国の地位を手に入れている。それだけに、半導体で大きく出遅れた欧州が、台湾への接近を始めている。もちろん、「半導体がほしい」などという品格のないことを口にしないが、中国による「台湾接近反対論」を無視した行動の裏には、「半導体」の3字があるであろう。

バルト三国の1つであるリトアニアは、中国と犬猿の仲である。リトアニアが、外交関係のない台湾と積極的交流をしており、中国はこれを阻止すべく圧力を掛けているからだ。ロシアへも立ち向かうリトアニアである。自由と民主主義の戦いでは中ロに屈しないという強い姿勢を見せている。

リトアニアは、今年6月、8月と立て続けに台湾へ代表団を送った。中国は、制裁措置としてすでに、リトアニア製ピアノ輸入契約を破棄した。これに怒ったリトアニアの富豪が、輸入破棄されたピアノを全量肩代わりして、中国を物笑いの種にした。中国はさらにドイツへ圧力を掛け、リトアニア製部品を組入れた工業製品の輸入禁止をドイツへ通告。ドイツは、中に入って困惑していたが、フランスがEU(欧州連合)議長国の権利を行使して、中国の不当なリトアニア制裁に反駁した。

台湾政府は、リトアニアが中国政府の制裁をものともせずに関係を強めていることに共感し、工業分野での協力関係を打ち出している。暗黙のうちに、リトアニアへの半導体工場の進出を臭わせているようにも見える。

これに刺激されて、欧州の大国であるフランスやドイツまでが、議員団を台湾へ送るようになった。昨年までは、想像もできないような事態の進展である。従来であれば、中国の目を気にして議員団の訪台は考えられなかったのだ。

Next: 台湾が世界の中心に。半導体が外交を動かす大きなテコになってきた

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