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韓国“半導体二流国”に陥落。台湾との圧倒的技術力の差が露呈し、韓国経済は暗黒時代に突入する=勝又壽良

“半導体大国”を謳っていた韓国だが、生産する半導体は技術力を要しない汎用品が大部分を占めていた。一方、高い技術力を要する半導体は、台湾が先行しており、世界市場の中心となりつつある。韓国は“半導体二流国”に成り下がった。工業生産の大部分が半導体だった韓国経済は、暗黒の時代を迎える可能性が高い。(『 勝又壽良の経済時評 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)

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※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2022年10月6日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。

「半導体がこけたら皆こける」韓国経済構造

韓国経済の屋台骨は、半導体輸出である。韓国は5月以降、貿易赤字に落ち込んだ。半導体輸出の不振が影響している。最近のウォン相場急落の裏には、半導体輸出不振による貿易赤字という問題があるのだ。

韓国経済は、製造業における一種の「モノカルチャー」的な現象を呈している。モノカルチャーとは、一国の産業構造が1つまたは2~3品目の農産物や鉱物資源の生産 (輸出向け)に特化した経済のことだ。韓国は、工業製品で半導体が圧倒的なシェアを占めている。その意味では、半導体が転けたらコリア経済も転ける構造だ。

韓国は、底の浅い経済である。こういう脆弱な構造にあるという認識が、ゼロというのも珍しいことだ。それどころか、GDP10位となって先進国意識に燃えている。文在寅前大統領のように「日本に2度と負けない」と強烈発言もある。産業構造から見て、これは不可能というほかない。

韓国には、バランスの取れた産業構造へ転換することが、最も必要になっている。

技術力の低さが露呈した韓国産半導体

韓国は、メモリー型半導体で世界一のシェアを誇るが、非メモリー型半導体(システム半導体)では、台湾の後塵を拝している。

一口で言えば半導体技術力の差である。メモリー型半導体は、パソコンやスマホ、ゲーム機などに大量に使われる汎用品である。非メモリー型半導体は、自動車など一段上の品質を要求される「オーダーメイド」になる。汎用品半導体の市況は大きく変動するが、オーダーメイド半導体はその性格上、価格は比較的に安定している。注文生産ゆえに、過剰生産にならないからだ。

一口に半導体と言っても、メモリー型と非メモリー型ではこういう大きな差がある。韓国は、メモリー型半導体に依存するゆえに、すでに輸出面で市況下落の影響を受けているのだ。

韓国は、中国への輸出全体の依存度が25%と4分の1も占めている。韓国半導体輸出額に占める中国の割合は40%。香港を含めると60%にも達している。だが、中国のメモリー型半導体需要そのものが、大きく落ち込んでいるのだ。これを受けて、韓国からの半導体輸出も落ち込む結果となった。

中国国家統計局によれば、中国の8月の半導体生産は、前年同期比で24.7%も減少した。1997年に統計を始めて以来、最大の減少だ。7月も前年比16.6%減である。今年1~8月までの半導体生産量は、前年比10%減少である。この減少は、パソコンなどの需要減を反映したもの。ゼロコロナで生産が落ちたわけでない。半導体生産は、全自動化であるのでコロナ感染とは無縁である。ただ、停電の影響は受けている。

Next: 台湾が世界の半導体の中心へ。消えた韓国“半導体大国”論

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