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仮想通貨の大多数はネズミ講とポンジスキームを合わせた詐欺か。FTX破綻の連鎖は止まらない=栫井駿介

ネズミ講のような仕組み

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これはまさにネズミ講に近い仕組みであると私は考えます。

ネズミ講と言うと1人の人が2人紹介して、どんどん会員を増やしていくことによって、最初の人が「これいいもんだよ」というふうにして、次の2人に物を売ります。
そしたらその下の人は、さらに2人にどんどん売ることによって、たくさん収入を得ますみたいな形で、どんどんどんどん買う人を増やしていって売った人は儲かる。
さらに買って、さらに売った人はまだ儲かるという仕組みです。

これって結局、2の累乗でどんどん大きくなっていきますから、あっという間に買う人が人口をゆうに超えてしまうわけです。

このトークンにおける仮想通貨も同じような仕組みがありまして、要はFTT(トークン)を発行しました。

するとこれに価値があると思った人がいれば、需要と供給の関係で価格は上がっていく可能性があります。
買う人がいるうちは、価格が上がっていくと見込まれるのですが、やがてその数は限界を迎えますし、そもそも怪しいというところになって、みんな買わないというふうになるわけです。

こうなった瞬間にもう買う人はいませんし、そもそもそのトークンの使用価値。
何か使えるもの、例えば同じようなものとして金があります。
金だったら欲しい人がいるというのもありますし、実態として使用価値があるという部分もあると思います。

しかし仮想通貨に関しては、そもそもデジタルの世界ですから、使用価値もないのです。
従ってもうみんながいらないと言った時点で、仮想通貨価値を失うわけです。

つまり買う人が新たに現れなければ、もうそれで終わり。
そういう世界なのです。

実は既存の通貨というのも、中央銀行が発行する通貨というのも、これと同じ意味合いはあります。
みんなが例えば日本円だったり、ドルに価値があると思っているから使えるのであって、それがみんながもういらないとか、価値があると思わなくなった時点でその通貨を価値を失ってしまうわけです。

これはどの通貨もちろん一緒です。

ただ1つ悪いのは、少なくともBitcoinとかイーサリアムみたいなブロックチェーンで担保されたものだったら、変に増えないとかいうちゃんとした仕組み。
誰かの意思によって増やすことができないというものがあるからこそ、信用力が担保されます。

しかしFTTのようにFTXが発行できるということになったら、そこが信用力を失った時点で駄目になってしまうというのは、目に見えているわけです。

錬金術がばれて……

こうやってネズミ講のような仕組みで、どんどんFTTの価値あるいは、他のお客さんから預かった資産を流用してしまうことによって、どんどん拡大を続けてきたFTX。
しかし錬金術がばれたというところがあるのです。

誰にばれたかというと、最初に出資した世界一の取引所であるバイナンスグループの会長さんです。
アラメダリサーチの資産・バランスシートを見ると、実は大部分がFTTであった。

FTTってそもそもすごい価格の変動も大きいし、価値も曖昧なものです。
それに対して現金はほとんどないというところでしたから、それを無理やり投融資しているわけです。

それ自体が怪しいというのがありましたし、さらには最近の仮想通貨相場、市場自体が崩れてます。
FTTももちろん下がってますし、仮想通貨関連サービス企業の価値も一気に下がっているわけです。

そうなると投融資ですから、投じた資金調達の部分に関しても、あるいは投じている資産もガタガタになってしまったというのが、アラメダリサーチ・FTXの本質だったのです。

それに気づいた業界1のバイナンスグループは、FTTを一気に売ってしまった。
するとFTTは3527円といったところから、10分の1にまでダダダダダと崩れてしまった。

それで、先ほどの仕組みから言うと、FTXは信用もやばいということになっていますから、当然取り付け騒ぎです。
銀行と同じように、どんどんお金を引き出そうという動きになります。

一方で顧客資産を流用しているので、そんなお金はないということで、もう完全にお手上げ。
チャプター11、破産法を申請したということなっています。

Next: 時間の問題だった経営破綻。仮想通貨は典型的なポンジスキームだ

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