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仮想通貨の大多数はネズミ講とポンジスキームを合わせた詐欺か。FTX破綻の連鎖は止まらない=栫井駿介

トークンを使用した錬金術

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トークンを使用した錬金術ということで、(こちらは)日経新聞に出ていた図を私の方で少し編集したものです。

創業者のサム・バンクマン・フリード氏。
先ほどの人がいまして、この人がFTXを立ち上げました。

同時に投資会社である、アラメダリサーチという会社も立ち上げていたのです。
そして、仮想通貨交換所であるFTXがトークン。

FTT・FTXのトークンだからFTT。
これを自ら発行していたのです。

これをBitcoinなどの多くの仮想通貨とともに、顧客に提供していたのですね。
だからもう1つ大事なのは、FTXは単に取引所というだけではなく、自ら発行していたことです。

トークンとは、要するに仮想通貨の1つです。
Bitcoinやイーサリアムと同じように、仮想通貨の並びでFTTを発行していた。

それを顧客も取引を行っていましたし、なんならFTXの取引所では、よりFTTを買ってくれと言っていたのではないかと思います。
なぜなら自分が発行するわけですから、いろいろ有利なことがあるわけです。

自ら発行していた、FTTをアラメダリサーチ。
自ら作った会社にも、供給していたという記述があるのです。

これは日経の図なので、供給というのが何を意味するかわからないところはあります。
しかし実際にアラメダリサーチのバランスシートを見ると、その資産が大部分がFTTだったというのです。

さらにはそのFTTを担保に融資していたということがあります。
一旦もう発行したFTTがあるからといって、FTXから今度はお金を同時に貸していた。

ここあまり重要じゃないかもしれません。
FTXとアラメダリサーチは、ある意味一心同体だと思ってもらった方がいいかもしれないです。
(ともかく)融資していた。

何を行っているのかというと、FTXが単に取引所として手数料を稼いでいるだけだったら、問題なかったはずなんです。

しかしここに錬金術が生まれているのです。

まずは、このFTTというものを自ら発行することによって、お金を得ることができたわけです。
しかし一方でFTTは、本来お客の持ち物ですから、それに手をつけることはできないのです。

ところがその一部を流用して、(スライドの下にあります)仮想通貨関連サービス企業に投融資。
お金を投じて、さらに仮想通貨関連で儲けてやろう、という動きが見てとれるわけです。

これはFTTだけではなくて、他の仮想通貨。
顧客の資産に手をつけて、そのお金を使ってどんどん事業を拡大させてきた。
あるいは仮想通貨の関連企業にも投資していたというところがあります。

さらにはFTX Earmというのがありまして、これは仮想通貨をFTXで保有している顧客に対して、仮想通貨を当社に預けてくれたら、5%から8%の利息を払いますと言っていたのです。

これは後ほど説明しますが、こういった固定的な利息を提供するお金を集めるやり方というのは、典型的な詐欺。
ポンジスキームと呼ばれる詐欺の1つになってくるわけです。
全く同じとは言いませんが、限りなくそれに近い仕組みである。

こういったとにかくお客さんから預かったお金、貸してもらったお金、仮想通貨を使って、どんどん投資をしていた。
あるいは投資だけではなく、事業拡大のための広告宣伝とかシステム費用に使っていたのではないかと見られているのです。

Next: 大谷翔平さんも広告出演で加担…。新規顧客が増えて回る仕組み

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