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なぜ電通“五輪談合”で起訴も株価は上がる?長期投資家から見た本当の企業価値とリスク=栫井駿介

業績は実は…。電通の光

ここで業績の推移を見てみましょう。

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1990年から2013年あたりまでは伸びていませんでした。

しかし、イギリスの広告会社イージスを買収してからは海外の事業を大きく伸ばしてきました。

2020年にはコロナの影響等もあり大きく赤字となっていますが、2021年には過去最高益を達成しています。

直近では「セプテーニ」というデジタル広告に強みを持つ会社を連結させました。

このように、業績を見ると実は右肩上がりとなっているのです。

売上総利益で見ても、海外が中心になっています。

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さらに、今では「コンサル」の領域にも進出しています。

企業のDXなどの変革をサポートしたり、マーケティングまで担うといった”総合コンサルティング”をやろうとしています。

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このように電通は、従来的な日本の広告代理店というところから脱却し、働き方も(少なくとも表向きには)改革して、海外進出やコンサル事業を推し進めるなど、前に進もうとしていることは見て取れます。

投資家的な見方をすると…

経営の部分は「まとも」であると言えます。

東京五輪談合が露呈してからも、株価はほとんど下がっていません。

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投資家からの評価はあまり下がっていないようです。

今回の不祥事で、日本政府はさすがに手を引いているようですが、海外事業に関してはそれほど影響はないかもしれません。

かつてはPER30倍ほどだったことを考えると、今は割安感があり、利回りは高い水準となっています。

今の電通のような“不祥事銘柄”は手が出しづらいところではありますが、長期的に見て面白い会社だとは思っています。

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image by: Grand Warszawski / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年3月7日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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