楽天銀行の成長戦略
しかし、楽天グループが苦しいことがすなわち楽天銀行が苦しいというわけではありません。
楽天銀行は現時点では苦しい状況ではありません。
預金は多くあるので、それを運用すればどうにかなることはなります。
ただ、楽天銀行単体での成長戦略が見えてこないように思えます。
企業融資を進めると言っていますが、実績も無く、融資先を判断する人材も現時点ではいません。
台湾に子会社を作って事業を行って、収益は上がっているものの、市場がそもそも大きくないので今後はどうなるかというところです。
また、『BaaS事業』といって、他の一般的な事業会社に銀行機能を提供して使用料を取るサブスクリプションモデルで展開しようとしていますが、これに関しては住信SBIネット銀行の方が進んでいる印象です。
預金はどんどん集まってきているのでやってこれていましたが、運用に関してはまだまだなところがあります。
逆に言えば、成長余力があるということでもあります。
収益性の低い住宅ローンや、実質的に運用していない預け金をうまく運用できれば、今後成長してくる可能性もあります。
しかし、今は低金利で全ての銀行が収益性に苦しんでいる状況で、良い投資先が見つけることも難しいと思われます。
<SWOT分析>
このように『SWOT分析』を行うと、状況が把握しやすくなります。
バリュエーション
最後にバリュエーションを見てみましょう。
直近で上場する住信SBIネット銀行と比較しました。
成長性を考えると、大きく割高というわけではありませんが、足元の数字を見るとやはり割高感が否めません。
金利に左右される面も大きいです。