楽天銀行の問題点
楽天銀行を調べていくと、自ずと問題点も見えてきます。
- 預金獲得、資金運用のいずれも「楽天経済圏」に依存
- 親会社は モバイル事業の赤字 で資金繰りに苦しむ
- 今後、ポイント改悪や証券化商品条件悪化 の可能性も…
”楽天経済圏無しでは楽天銀行に強みは無い”と言えるほど、楽天経済圏に深く依存しています。
親会社である楽天グループは財務的に苦しんでいて、その結果として楽天銀行を売りに出さなければならなくなった側面もあります。
楽天グループとしては、楽天銀行の株を売って現金を得たとしても、根本的な解決にはならないので、今後コスト削減のために、ポイント制度の(顧客目線での)改悪や、楽天カード・楽天モバイルの証券化商品を楽天銀行に高く売る(楽天銀行には損)可能性もあります。
楽天銀行も上場しているにも関わらず、親会社の楽天グループの影響を強く受けてしまうという親子上場の問題から逃れられていない状況です。
ポイント改悪となると顧客離れにつながるでしょうし、楽天グループの影響で証券化商品の運用条件が悪化する懸念もあります。
楽天グループの状況
ここで、親会社である楽天グループの状況を見てみましょう。
営業利益(赤線)を見てみると楽天モバイルへの投資がかさんで、赤字がどんどん膨らんでいます。
キャッシュフローを見ても、フリーキャッシュフローがマイナス、つまり会社からどんどん現金が出て行ってしまっている状況です。
無くなった現金をカバーするためには借入を行わないといけないということで、有利子負債もどんどん膨らみ、約5兆円まで増えています。
この財務状況を受けて、格付け機関からの格付も引き下げられています。
楽天グループはどう見ても苦しいという状況です。
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