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株価ピークから半値以下「ワークマン」は買いか?急拡大の“代償”と直面する3つの壁=栫井駿介

長期経営で大切なこと

長期経営で大切なのは「既存顧客」です。
既存顧客をいかに定着させて、彼らの来店頻度や一人当たりの売上高を伸ばすことが長期の経営において王道となります。
長期経営と長期投資の考え方は常にリンクしていて、私たちも長期的な視野で経営を見ていかなければなりません。

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出典:モノタロウ 決算概要

これは、ワークマンのライバルでもあるモノタロウの、顧客の登録年度を1とした時の顧客1人当たりの売り上げの推移です。
モノタロウは作業用品の通販を手掛ける会社ですが、コロナ禍のバブル的な部分を除いて、1人当たりの購入金額が年々増えていることが示されています。
それほどモノタロウが使いやすくて商品がそろっているということでしょう。
毎年お客さんが増え、かつ1人ひとりの購入金額が増えていくことで、盤石に右肩上がりの業績を築くことができるわけです。

新規の顧客を獲得することは難しい一方、既存の顧客をいかに伸ばすかを考える方が、労力も少なく効果ものぞめるのです。

ワークマンは新規の顧客に軸足を持って行ったがために既存の顧客が離れかねない状況になっています。

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ワークもカジュアルも定着させることが理想ではありますが、カジュアルの新規顧客を定着させることはかなり難しく、せめてワークだけでもきちんと維持していくということが最も現実的な戦略だと思います。
カジュアルを追い求めすぎてワークが疎かになると、最終的に何も残らないということになってしまうので、そうならないように今対策を打つことが、ワークマンに求められることでしょう。

まとめ

  1. 急拡大の「ツケ」が回ってきている段階
  2. 少なくとも数年内に在庫ロスが発生しそう
  3. 既存顧客離れが進んでいれば危険な状況
  4. 今は長期的に成長できるかの岐路にある
  5. 無理に投資する段階ではない

今、ワークマンの株を持っていて、ワークマンの成長を確信しているなら持ち続けて良いと思いますが、経営に疑問があるなら、いったん身を引いておいて、また良くなりそうだったら戻ってくるという戦略がベターではないかと思います。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:beeboys / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2023年10月14日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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