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ヘルメット大手「SHOEI」の知られざる優良企業ぶり。なぜ世界シェア60%に?株価評価と投資リスクも解説=佐々木悠

それは値上げを行っているからです。地域別の単価推移から、単価が上昇していることがわかります。

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出典:地域別売上高/地域別販売数量より推計

直近では22年10月にヘルメットを一律2,000円、オプションパーツを10円〜1,000円値上げしました。そして、値上げをしても販売数量が落ちないのが、SHOEIの特徴です。

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出典:有価証券報告書より作成

中国が21年→22年にかけて落ち込むなど地域によってやや差がありますが、販売総数は増加しています。

まとめると、売上高の拡大と利益率の改善が行われている要因は、単価が上昇しても、販売数量が落ちていないこと、と言えます。では、なぜ販売数量は落ちないのでしょうか?

それは、SHOEIが持つブランド力が関係しています。ブランドの構築を海外展開の成功商品の質という切り口で考えていきます。

海外展開成功の秘訣はタイミングの早さ

まずは海外展開についてです。

実はSHOEIは早い時期から日本よりも海外の成長性の高さに注目していました。企業の重要な沿革を見てみましょう。

1960年:オートバイのヘルメットを製造開始
1965年:本田技研工業の純正ヘルメットに採用される
1968年:アメリカに現地法人を設立
1978年:ベルギーに現地法人を設立
1987年:フランスに現地法人を設立
1980年:世界一の生産量を誇るヘルメットメーカーに成長
1994年:ドイツに現地法人を設立
2011年:イタリアに現地法人を設立
2019年:タイに現地法人を設立
2021年:中国に現地法人を設立
出典:有価証券報告書より作成

世界トップシェアを獲得できている要因の1つは海外展開のタイミングの早さです。

本格的にヘルメット製造を開始した8年後にアメリカへ進出しています。直近では、2020年にバイクヘルメット着用が義務付けられた中国で現地法人を設立しています。

現在は、アメリカや欧州の拠点からアフターサービス、マーケットリサーチを行うなどワールドワイドに活動しています。世界中のライダーのニーズをリアルタイムでとりいれながら生産した製品は40ヶ国以上に輸出しています。

しかし、海外進出のタイミングが早いとしても、商品が悪ければ消費者には受け入れらません。SHOEIの最大の強みであり、ブランド力の源泉である商品の質という観点で考えていきます。

Next: 海外展開に成功も「made in JAPAN」にこだわるワケ

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