株価が下がった今、買うべきか?
まとめると、金利高による景気減速リスクを受ける可能性があったが、内容が良くない上方修正によって、建設機械需要の減退が明るみになった。結果、株価の大幅な下落が起こったものと考えます。
決算と同時に発表された建設機械の世界需要予測では、24年3月期の当初予測である0%〜▲5%から▲10%〜▲15%に引き下げられました。
現在11月2日のPERは9.9倍、PBRでは1.17倍と割安感があるように感じますが、建設機械の市場動向が良くありません。加えて為替が円高に動く可能性もあります。計算上は、ドル円で為替が1円円高になると利益に対して約75億円のマイナス影響を与えることになります。
(今回為替想定が10円円安になり、セグメント利益が745億円増加しているため)
「配当利回りが4%超えなんだから、目をつぶって買えばいいじゃん!」と思われるかもしれませんが、コマツは業績が悪ければ減配する企業です。配当銘柄として、今は安心感が高いとは考えづらいのです。
出典:マネックス証券
従って、今買うべきか?の答えは、本業の建設機械の販売が上向きになる要素が出てきてからでも良い、です。現在の業績の好調ぶりは、為替の恩恵が大きいことに注意するべきでしょう。
すでに投資されている方は、米国の金利動向などを確認しながら、売却を考えても良いかもしれません。
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『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2023年11月6日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。