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クルマを“軽くする”日本企業に海外メーカー各社が熱視線。EV市場拡大とともに成長する5社とは=田嶋智太郎

ダイセル<4202>

有機合成化学に伝統的強みを持つ化学メーカー。タバコフィルター材料で国内トップシェア。
現在の稼ぎ頭は、自動車部品や家電製品などで金属に替わって使われる高機能樹脂の「エンプラ」。液晶フィルム材やエアバッグ基幹部品も展開している。

自動車や電子デバイスの需要が下期にかけて回復の見込み。主力のエンジニアリングプラスチック(エンプラ)分野で電気自動車(EV)の軽量化などに寄与する製品が堅調。

また、インドに自動車のエアバッグを膨らませるガス発生装置の工場を新設。年度内の稼働を目指す。

このたび2Q実績発表時に通期の利益予想を上方修正。徹底したコストダウンの実施に加え、政策保有株式の売却も進める。

ダイセル<4202>

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24年3月期は、売上高が前期比4.5%増の5,620億円、営業利益は同28.4%増の610億円、純利益は同32.7%増の540億円と過去最高を見込んでいる。年間配当は50円を予想しており(前期は38円)、利回りは3.5%前後と高水準。

リョービ<5851>

同社が中長期テーマとして掲げてきた「セカイヲ軽クスルカンパニー」の実現に向けた努力が様々な形で実を結び始めている。世界トップクラスの独立系ダイカストメーカーで、最近の注目は言うまでもなくギガキャスト。アルミ鋳造設備で一体成型する新たな生産技術「ギガキャスト」を使った大型車体部品の生産に参入し、25年3月から主に国内の自動車メーカーなどからの部品受注を見込むとしている。

9月には、「ギガキャスト」による車体製造装置をUBEに発注したと発表。数十個の鋼板部品を1個のアルミ部品に置き換えて一体生成し、車体の製造コストを2割下げると同時に、車両重量の軽量化にも大きく貢献する。

リョービ<5851> 日足(SBI証券提供)

リョービ<5851> 日足(SBI証券提供)

23年12月期は、売上高が前期比8.2%増の2,700億円、営業利益は同50.7%増の105億円、純利益は同75.6%増の84億円を見込んでいる。株価は「ギガキャスト」の話題で6月初旬以降に大きく上昇し、10月に一旦調整入りしたが、再び戻りを試す動きに転じてきている。

Next: まだある自動車“軽量化”で業績拡大が見込める日本企業

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