海外で稼ぐ企業に投資すべき
GDPの一側面として賃金があり、国内で働いている人たちにとっては賃金が上がらないということも事実ですが、株式に投資をしていたら、円安によって企業が海外で稼いでくるとしたら、株価は上がっていくことになります。
冒頭の、「日本株に投資していて良いのか」という問いに対する答えとしては「良い」ということになり、特に海外で稼ぐ企業への投資は大賛成となります。
今、半導体業界が盛り上がっていますが、この半導体がまさに海外で稼げる分野で、日本企業が他には真似できない技術を持っていて、世界中で使われる半導体の部材や製造装置を作っています。
一見国内向け企業に見えても、海外に進出して株価を上げている企業もあります。
その最たるものがユニクロです。
ユニクロの海外店舗の割合はもはや67%です。
売上高で見ても5割を超えています。
日本国内では成長は難しいですが、海外に進出してさらに稼いでいて、当然株価も上昇しています。
このファーストリテイリングの歴史というものが、日本企業が辿るべき道といっても過言ではないと思います。
【割を食う労働者】
このGDPと株価の論理で、最も割を食っているのが労働者です。
企業の利益が増えても賃金が増えていないですが、その低賃金が海外での競争力を高めている側面もあります。
海外で利益を出す企業に投資をすれば、少なくとも賃金で割を食っている部分は補填できると考えることもできます。
日本株は第3ステージへ?
日本株を超長期で研究している岡本和久という方は、明治時代の殖産興業での上昇、第二次世界大戦で停滞、高度経済成長期、バブル崩壊後の停滞、これを経て2000年頃からの日本経済は第3次の上昇局面にあるのではないかと述べています。
感覚的な部分も多いですが、確かにそう思える状況でもあります。
国内にとどまっている企業の成長は難しいと思いますが、日本株がダメということはなく、海外進出を上手くやっている企業は利益を増やし、株価も成長するだろうと考えられます。
悲観に流されず、ポジティブで豊かに
株式投資は、株価が成長することを前提として行うものなので、物事を悲観しすぎる人はなかなか上手くいきません。
ニュースの悲観的な論調に惑わされることなく、ポジティブに投資を続けることで、豊かさが手に入ると思います。
GDPについては分かりませんが、個人金融資産2,000兆円を上手く投資して増やすことで、国として豊かになっていけるのではないでしょうか。
(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)
※上記は企業業績等一般的な情報提供を目的とするものであり、金融商品への投資や金融サービスの購入を勧誘するものではありません。上記に基づく行動により発生したいかなる損失についても、当社は一切の責任を負いかねます。内容には正確性を期しておりますが、それを保証するものではありませんので、取り扱いには十分留意してください。
『
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
』(2024年2月23日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
無料メルマガ好評配信中
バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問
[無料 ほぼ 平日刊]
【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。