最悪上場廃止の可能性も。コンプライアンスのリスクは重大
神戸物産のPERは約11倍と、成長企業に対する評価としては割安な水準にも見えます。
しかし、自己資本比率の低さに伴う財務リスクや、上場企業としてのコンプライアンスのリスクは成長性を覆い隠すほど大きいように見えます。
コンプライアンスのリスクは最悪上場廃止の可能性を含んでいるので、もしそうなった場合株価は急落し、株式を保有したまま上場廃止になると売却の機会を失ってしまいます。
どんなに成長性があるように見えても、コンプライアンスの怪しい企業の株式は、長期投資ではおすすめできません。
過去最大というインサイダー取引の規模から考えても、今回の問題の根は深いように思われます。神戸物産のビジネスモデルは一目置く価値がありますが、リスクはあまりに重大です。
問題が解決し、同社の社内体制が「適正」となるまでは、投資は慎重になったほうがよさそうです。
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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2016年6月9日)
※太字はMONEY VOICE編集部による
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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。