fbpx

株価乱高下「レーザーテック」空売りレポートに何が書いてある?長期投資家は売りか買いか=栫井駿介

レポートへの反論

しかし、当然レポートに対する反論もあります。

<受注残>

まず、レーザーテックの商品が使えないとするならなぜここまで売上高が上がっているのかということです。

さらに言うと、在庫が溜まっているという指摘も、この仕掛品や原材料の在庫は当然これから売るための在庫であると言えます。
レーザーテックの有価証券報告書には「受注残」というものが書かれていて、既に受注があってそれに向けて作っていくという数字も示されています。

E383ACE383BCE382B6E383BCE38386E38383E382AF7.png

出典: Investigative report by Scorpion Capital

レポートの中にも受注残のグラフが載せられていて、この受注残をこなすために原材料や仕掛品を仕入れるのは当然で、在庫が膨らむのはおかしなこととは言い切れません。

この受注残をこなしていけば売上高も伸びていくことになります。
逆に言えば、レーザーテックのPERは70倍くらいとかなり高い水準にあるのですが、この高いPERを維持できているのは受注残の分の売上が目に見えているからこそ期待値が高いと言えます。

<動機がない>

また、レーザーテックが不正会計などを行う動機が見えません。

今の状況になる前も業績は悪いわけではありませんでした。

創業家の人が株を大量に持っていて、株価を吊り上げて高値で売ろうとするということはあり得ますが、レーザーテックの大株主で、大きな影響を持つほど大量に株を保有している人はいません。

E383ACE383BCE382B6E383BCE38386E38383E382AF8.png

出典:株探

また、上からプレッシャーをかけて業績を上げさせるようなことが必要な状況にも見えません。
もしそれでここまで業績を上げさせたなら単純にやりすぎです。

 

動機についてはレポートの中でも特に触れられていなくて、強いて言うなら「嘘を隠すには、もっと大きな嘘が必要になる」という抽象的なことしか書かれていません。

Next: レーザーテックは買いか売りか?長期投資家が持つべき判断力

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー