ゲームセンターはなぜ伸びる?
コロナ禍以降、ゲームセンター事業が成長している理由は、複数考えられます。
- サブスク動画配信でアニメがいつでも見れるようになったこと
- アニメメーカーが様々なグッズ生産を行うようになったことコ
- ゲームセンターが、気軽にアニメ景品等が取れる場所であること
- youTubeなど、インフルエンサーによるクレーンゲーム動画のアップロード
こういった理由で、より多くの世代がアニメコンテンツに触れるようになりました。
都市型店舗だけではなく、家族層が多いショッピングモール内の店舗でもアニメグッズ景品が人気であり、決して若者だけではなく、親世代もクレーンゲームを楽しんでいます。実際、クレーンゲームの種類は多様化しており、大きなぬいぐるみから手のひらサイズのキーホルダー、アニメフィギュアなど様々なニーズに対応できることがビジネスの特徴です。
これらのニーズに応えるべく、ラウンドワンは「ギガクレーンゲームスタジアム」というクレーンゲーム機を合計約300から600台設置したアミューズメント施設を増やしています。

出典:決算説明資料
ただし、クレーンゲームの市場では、近年、急成長中のGiGOを運営するGENDA<9166>やnamucoを運営するバンダイナムコ<7832>、タイトステーションのタイトー<9684>(スクエニの子会社)などが存在しています。
これら企業のゲームセンター事業も利益を伸ばしており、市場全体が拡大していると言えます。
他のゲームセンターとラウンドワンの違いは、ゲームセンターの他にもボーリングやカラオケ、スポッチャなどの複合型アミューズメント施設を展開していることです。
さらに多くのゲームセンターが主要都市などの人が集まる地域に出店することが多いですが、ラウンドワンは幅広い敷地を要するビジネスであるため、郊外を中心に出店している特徴があります。
部分的に競合しているとは思いますが、ラウンドワンと全く同じビジネスをやっている会社はほとんどありません。近年の成長はアミューズメントが中心ですが、ボーリングやスポッチャのビジネスは、初期投資は大きいものの損益分岐点を超えれば、売上がそのまま利益に反映されやすいビジネスです。
事業ポートフォリオの観点でも、競合他社とは異なる特徴を持っていると考えます。
しかし、リスクもあります。アミューズメント需要がヒットする前の2000年代に業績が横ばいだったように、国内の市場は、そこまで魅力的ではありません。
ラウンドワン社長の杉野氏は、日経新聞のインタビューで以下のように答えています。
国内市場は縮んでゆくことが明らかだ。日本が世界に対して売っていけるものを見いだして世界に広めていく事業をやっていきたい。日本経済新聞より引用
次は、ラウンドワンのアメリカの戦略を見ていきます。