治安悪化の中で生き残れる小売店のひとつ
アメリカは世界最強の資本主義社会であり、世界最強の大国でもある。しかし、弱肉強食の資本主義に突き進んでおり、アメリカ国内では貧困層が4,000万人以上も存在する。そして、その貧困層がインフレによってダメージを受けており、大量万引きのような深刻な犯罪はどんどん増えていく。
このような中で、ドラッグストア・ディスカウントストア・スーパーなどの小売店はバリケードを張り、商品には厳重に鍵をかけて防御するか、いっそのこと閉店してオンライン販売に切り替えるような手を打つしかなくなってきている。
そんな中でコストコは徹底的に中流階級以上だけが来店できるようにシステムを作っていて、それが成功している。いってみれば、顧客を分離して、自らが望む層だけを取り込むことに成功したといえる。非常に巧妙なビジネス選択である。
中流階級が満足できるような商品選定においては、品質・価格・供給能力のすべてを厳しくチェックし、さらに自社ブランドである「カークランド」も展開して品質を保っている。こうした施策がすべて店の売り上げにつながっている。
株式としてのコストコ(ティッカーシンボル:COST)を見た場合でも、このビジネスモデルの成功によって、多くの投資家にとって魅力的な投資対象となっている。

COSTCO WHOLESALE CORP <COST> 週足(SBI証券提供)
コストコは会員制ビジネスモデルにより、安定した収入を確保しやすく、経済の変動に対しても比較的強い耐性を持つ。会員数の増加や既存会員の更新率の高さが収益の安定に寄与している。会員の更新率は90%を超える。これは顧客満足度が高いことを示している。
コストコは大量仕入れによるコスト削減と、薄利多売のビジネスモデルを組み合わせることで、他の小売業者に対して高い価格競争力を維持している。コストコは非常に健全な財務基盤を持っている。負債比率が低く、現金流動性が高いため、経済の変動や市場の不確実性に対しても強い耐性がある。
今後もコストコは治安悪化の中で生き残れる小売店のひとつになるだろう。アメリカが貧困で荒れ狂えば荒れ狂うほど、コストコは独特の輝きを増す。皮肉なことでもあるが……。 ※有料メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』好評配信中!ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。 ※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編
[月額880円(税込) 毎週日曜日]
弱肉強食の資本主義が蔓延し、格差が急激に広がっていき、いよいよ日本人の間にも貧困が蔓延するようになってきています。経済暴力の中で日本人がどのように翻弄されているのかを、危険なまでの率直さで取り上げ、経済の分野からいかに生き延びるかを書いているのがこのメルマガ編です。