孫正義氏とイーロン・マスク氏、そしてトランプ前大統領。この三者の関係が、アメリカのAI投資を巡り激しい火花を散らしています。孫氏が主導する「スターゲート」プロジェクトは、AI関連インフラに巨額の投資を行い、アメリカ経済を牽引することを目指していますが、マスク氏からは厳しい批判が飛び出しました。この巨額投資をめぐる真偽や、トランプ氏を巡る両者の駆け引きに迫ります。(「 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 」浜田和幸)
※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2025年1月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。
プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。
トランプの「お気に入り」は孫正義
トランプ大統領のお気に入りの日本人ナンバーワンは「ソフトバンク」の孫正義会長でしょう。
安倍晋三首相亡き後、昭恵夫人をフロリダの私邸に招待したトランプ夫妻でしたが、同じ時に、孫正義氏も1泊70万円のマーラーゴに滞在し、トランプ氏と商談を重ねていました。
そのうえで、孫氏は今後4年間で米国企業に1,000億ドル(約15兆円)を投資すると発表したのです。
その発言を受け、トランプ氏は「マサは大した奴だ。俺の大統領1期目の時にも大きく協力してくれたが、今回はさらに大きなプレゼントを用意してくれた。ありがとう!現金の注入は最高のプレゼントだ」と孫氏を抱きしめました。
その後、孫氏はトランプ氏が大統領に就任すると、間髪を入れず、ホワイトハウスに乗り込み、アメリカの新たなITビジネスの拠点作りに名乗りを上げたのです。
これは「スターゲート」と銘打った新規事業に他なりません。
孫正義が「スターゲート」で全面支援
今後4年間でアメリカ国内にデータセンターなどAI関連のインフラ整備に5,000億ドル(約78兆円)を投資するとのこと。
ソフトバンクは「チャットGPT」を開発した「オープンAI」やソフトウェア大手の「オラクル」等と協力する模様です。
トランプ大統領は再び大喜びで「アメリカ史上最大級のAI投資になる」と述べ、孫氏は「これこそアメリカの黄金時代の幕開けだ。トランプ大統領が望まなければ、この決断はなかった」と相槌を打ちました。
「スターゲート」の会長に就任する予定の孫氏は、「アメリカで新規雇用を10万人以上生み出す」と主張。
しかし、この新規事業に疑問符を投げつけたのが、「影の大統領」と異名を取るイーロン・マスク氏です。
Next: 「ソフトバンクには無理」イーロン・マスクはどう出る?