村田製作所の業績
村田製作所はスマホブームと同時に、大きく業績を伸ばしてきました。
ここでは、これまでの村田製作所の業績の推移についてみていきます。
<村田製作所の業績推移>
業績推移をみていきましょう。

業績は、右肩上がりで順調に伸びてきています。
営業利益に波がありますが、売上は着実に成長しています。
iPhoneが日本に上陸したのが2008年でした。
そして13、14、15年が一時スマホブームだったので、その追い風を受けて右肩上がりに上昇してきたことがわかります。
2022年3月期に大きく伸びていますが、これは新型コロナウイルスの影響で一時的に需要が急増したことから売上、営業利益ともに大きく成長しました。
<直近の利益率が落ちてきている理由>
直近でいうと、2024年3月期にかけて営業利益が落ちています。
これは一時期のピーク時と比べるとスマホ需要が落ちてきたことや、自動車業界が低迷していることが原因で下落傾向にあります。
他にも、この先半導体市場が伸びていくことを見越して設備投資を加速させていることも考えられるでしょう。
ちなみに村田製作所は、最終製品を組み立てる前の部品を製造している会社です。
そのため、最終製品の販売動向よりも少し前にピークが来るようです。
半導体業界全体が悪くなったのは2019年ですが、村田製作所に関しては2018年の営業利益が近年では底になっていることからもわかります。
村田製作所の競合は?
村田製作所の世界シェアは40%超であることは先ほど紹介しましたが、今後もシェアを維持できるのか気になりますよね。
そのためには、どのような競合がいるのかを知っておく必要があります。
そこで、村田製作所の競合についてみていきます。
<村田製作所の競合>
村田製作所のライバル企業として、以下の会社が挙げられます。
- サムスン
- TDK
- 太陽誘電
この3社が競合他社でシェアを獲得していて、積層セラミックコンデンサの市場は村田製作所を合わせた4社の寡占市場です。

ちなみにサムスンは韓国の企業で、TDKと太陽誘電は日本の企業です。
積層セラミックコンデンサに関しては、7割を日本で製造していることから日本が牽引している市場だといえます。
<積層セラミックコンデンサ市場で日本企業が強い理由>
高度経済成長期に日本の電気機器メーカーが強かったことが、理由の1つとしてあります。
たとえば松下電器や東芝、ソニーなどの日本企業が生活家電で世界を席巻していました。
家電類でもコンデンサが必要だった流れから、日本の半導体企業が家電市場の成長とともに伸びてきた背景があります。
家電に関しては中国勢や韓国勢が強くなってきましたが、部品の分野に関してはシェアを塗り替えられるような事態にはなっていません。
その理由は、積層セラミックコンデンサのセラミックにあります。
セラミックは材質をどう扱うかによってコンデンサの性能が決まるので、積層セラミックコンデンサの製造には高い技術力が必要です。
そのため、簡単には真似できる技術ではなかったことが理由としてあります。
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