<既存事業(テーマパーク、ホテル)の強化>
テーマパーク事業については、主に施設の増設や刷新を進めていく計画です。具体的には、ディズニーランドのスペースマウンテン周辺の大規模リニューアルや、アニメ「シュガー・ラッシュ」をテーマにした新しいアトラクション(シューティングゲーム)の導入などが進行中です。こうした新アトラクションの導入は、パークに話題性を生み出し、リピーター獲得の動機付けとなり、さらにはディズニー・プレミアアクセスの利用増加にも繋がることが期待されます。
ホテル事業も重要な成長の柱です。現在6つのホテルがあり、稼働率は95%以上と非常に高い人気を誇っています。需要が非常に高いため、ディズニー周辺での新規ホテルの増設を検討しています。特にラグジュアリータイプ(高価格帯)のホテルは稼働率が高く、チケット価格と比べて料金設定の自由度が高いという特徴があります。熱心なファンは価格が高くても利用する傾向があるため、ホテル事業は成長の期待が大きい分野と言えるでしょう。
<新規事業:クルーズ事業の開始>
既存事業の強化だけでは、いずれ成長に限界が来るとの見方もある中で、新たな成長ドライバーとなるのがクルーズ事業です。この事業は2029年度から本格的に稼働する見込みです。
ディズニーキャラクターを使った船上で、食事やショー、船旅を提供するというものです。これまで舞浜エリアに限定されていたサービスを、初めて「外」に展開する新しい事業となります。これは、本家アメリカのディズニーが既に実施している「ディズニークルーズ」を日本に導入し、オリエンタルランドが運営することで許可が下りたものと考えられます。
このクルーズ事業は、時間とお金に余裕のある富裕層などが主なターゲットとなる可能性が高いでしょう。そして、オリエンタルランドは、このクルーズ事業によって年間1000億円程度の売上貢献を見込んでいるようです。これは、1兆円という売上目標達成において、既存事業の成長を補完する非常に大きな柱となるでしょう。
オリエンタルランド株への投資はどう考える?
現在のオリエンタルランドの株価は、PER(株価収益率)が約40倍と、まだ高い水準にあります。ただし、以前の100倍といった過熱した水準からは落ち着いてきています。
今回の65周年記念特別株主優待は、100株(約30万円)の投資でワンデーパスポート(約1万円)がもらえるということで、優待目当ての投資ハードルが以前より下がったと言えます。優待利回り約3%は、オリエンタルランドの株主優待としては魅力的な水準でしょう。
業績見通しは増収減益となっていますが、オリエンタルランドには強固な顧客基盤があり、また長期経営計画で新規事業(クルーズ事業)を含む成長戦略も示されています。これらの点を踏まえ、継続的に注目していく価値のある銘柄だと言えるでしょう。
