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【QAあり】KeePer技研、売上高は前年比14.1%増、営業利益は22.2%増 12月の需要期以降も来店が伸び、3Q単体では最高益を達成

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2025年5月15日に発表された、KeePer技研株式会社2025年6月期第3四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

2025年6月期 第3四半期実績

賀来聡介氏(以下、賀来):KeePer技研、代表取締役社長兼Co-COOの賀来です。これより、2025年6月期第3四半期決算説明会を始めます。よろしくお願いします。

まずは2025年6月期第3四半期の実績についてです。累計売上高は、前年比14.1パーセント増の172億4,200万円となっています。第3四半期の1月から3月は需要期の12月が終わった後となるため比較的落ち着くのですが、今年はたくさんのご来店があり、お店も非常に忙しくなりました。

第3四半期単体の営業利益は前年比24.8パーセント増、累計営業利益は前年比22.2パーセント増の53億7,000万円となりました。大幅な増収増益となり、この期間においては過去最高益という結果になっています。

2025年6月期 第3四半期(1-3月):営業利益の増減益分析

営業利益の増減益分析です。スライドを見ると一目瞭然ですが、「キーパーLABO」は来店台数の増加、製品等売上は新車マーケットの成長が増益要因となっています。

「キーパーLABO」については、新店が増えているのはもちろん、既存店ベースでもご来店が増加しました。特にこの1月から3月は来店が多く、車が汚れた3ヶ月間だったと言えます。

1月は寒いため、車に霜が降りることで車が汚れます。今年はPM2.5も飛来しましたし、1月には黄砂が飛び、3月は花粉の汚れが過去最高に多くなったということで、非常に来店数が増加しました。

一方で、製品は需要期となりました。新車のディーラーは、期末に向けた2月・3月に車の営業へ力を入れます。現在、KeePer製品は全体的にシェアを伸ばしていますので、新車マーケットにおいて大きな増収要因となっています。

四半期ごとのセグメント別業績推移

四半期ごとのセグメント別業績推移はスライドのとおりです。みなさまが一番気になっているのは、営業利益よりも営業利益率だと思います。

製品事業の営業利益率は第3四半期単体で40パーセントとなり、年々営業利益率が増加しています。これは、KeePer製品の中で一番付加価値の高い「EXキーパー」の導入がどんどん進んでいるためです。

「キーパーLABO」の営業利益率は、第3四半期単体で13パーセントとなりました。サービス業の現場を適正人数で進めるとおかしくなります。そのため、今は店舗拡大の時期として積極的に増員を行っており、このくらいの水準が目安となります。

上期における製品等関連事業のサブセグメント内訳

セグメントごとにご説明します。まずはKeePer製品等関連事業についてです。

KeePer製品等関連事業は4つのマーケットに分けています。事業全体の売上は前年比14.3パーセント増で進捗しましたが、マーケットごとにかなり特色があることがわかるのではないかと思います。

3ヶ月ごと決算説明会を行っていますので前回から大きなトレンドは変わっていませんが、今回はこの1月から3月に起きたことについてご説明します。

アフターマーケットの売上は、前年比1.4パーセント増にとどまりました。ガソリンスタンドを主体とするアフターマーケットにおいては、「ガソリン1リットルあたり200円」の看板が出始めると、さすがに買い控えが起きてしまいます。そもそも需要期である12月の後は買い控えが起きるのですが、ガソリン価格の高騰が買い控えを加速させた要因の1つになりました。

しかし一番大きな要因は、業界自体が少しずつシュリンクしていることです。決算短信にも記載のとおり、今年4月にENEOS系の直営店舗3社・839店舗が統合しました。

839店舗の統合も大変な労力を使いますが、4月にはすでに新しい会社ができており、この1月から3月においては燃料以外の収益を活用するにもかなり混乱してしまいました。したがって、ENEOS系がかなり弱くなったことに加え、業界全体でも1月から3月は厳しかったと思います。

「アフターマーケットは今後どのくらい下がるのですか?」と、よくご質問されます。もちろんここから10パーセントや20パーセント伸びることはありませんが、いきなり大きく下がることもないと感じています。

その要因は2つあります。1つ目は、当社が「キーパー PRO SHOP」向けに毎年開催している技術コンテストの参加者数が、今年も過去最高を更新したことです。ちょうど今は予選会を行っているところで、意外とまだ盛り上がっている状況です。

アフターマーケット

スライド左側のグラフを見ると、ガソリンスタンド自体の数は年々減っていますが、「キーパー PRO SHOP」の店舗数はまだ伸びています。これが、アフターマーケットがいきなり大きく下がることはないと考える2つ目の要因です。

中身を見ると、ガソリンスタンド向けの「キーパー PRO SHOP」は残念ながら少しずつ減っています。しかし一方で、新しい業界が入ってきています。一番多いのは、みなさまが街中を走っていてもよく見かけるであろう未使用車専門店のディーラーです。そして、新車メーカー以外のディーラーが、アフターサービスを取り込むべく「キーパー PRO SHOP」に登録し始めています。

そのようなディーラーも当然ながら技術コンテストに出ており、「キーパー PRO SHOP」はもうすぐ6,600店舗に到達する勢いで伸びています。アフターマーケットが徐々に減っている一方で伸びている業種もあることから、結果としては徐々に下がっていくトレンドになると思いますが、激減はしないということでご安心いただければと思っています。

新車マーケット

当社が今一番伸ばさなければならないのは、何と言っても新車マーケットです。ここは確実に伸びており、第3四半期累計売上は前年比で36.9パーセント増となっています。

一番牽引しているのは、日本の約半分の車がトヨタということで、ここの伸びが非常に大きくなっています。それ以外のメーカーも当然ながら着実に伸びてはいるのですが、特にトヨタの伸びが大きくなっています。

海外

海外事業についてです。みなさまもご存知のとおり、昨年8月に初めてシンガポールの「キーパーLABO」直営店1号店をオープンし、第2四半期の決算発表で順調に立ち上がっていることをご説明しました。

春節後の2月3月は不調になり、オペレーションの乱れもありましたが、5月になって元通りになりました。また、オートバックス店舗下の1階駐車場で「キーパーLABO」を運営していますが、どうしてもお客さまが閉鎖的・限定的です。そのため、SNSマーケティングを今月からスタートする予定です。

スライド右側に記載している「キーパー PRO SHOP」の台湾での拡大状況や店舗数を見ると、海外でもKeePerは通用するということをあらためて感じます。台湾の「キーパー PRO SHOP」は、昨年度は3店舗でしたが、今は9店舗まで急拡大しています。

台湾の「キーパー PRO SHOP」は日本の「キーパー PRO SHOP」とは異なり、いわゆる専門店の「キーパーLABO」のようなイメージになります。実績で言うと、日本の「キーパーLABO」と遜色ないほどの売上を出しています。

スライドにも記載のとおり、台湾でキーパー PRO SHOP事業を運営する会社は、先月台湾の証券取引所に上場しました。この結果を見ても、このマーケットは通用するということがわかると思います。

海外は昨年7月から力を入れており、十分通用することがわかりました。時間もそれなりにかかるとも感じていますが、可能性は十分あると考えています。

車以外のサービス

車以外のサービスについてご説明します。売上を牽引したのは、KDDI向けの「モバイルキーパー」で、販売数はスライドに記載のとおりです。

しかし、これはauのキャリアショップに納品されて施工が始まったばかりの数字ですので、実を言うと大切なのはこれからになります。今後は定期的に再施工や新規売上が発生しますので、拡大していくと見ています。

今はdocomoとauのみですが、それ以外にもメーカーはありますので、引き続き拡大に努めます。

また、今後一番伸びるだろうと考えているのは、お風呂やシンクです。それ以外にも船や自転車、バイクなどのさまざまなものがありますが、車より面積が小さいですので、売上が大きく急激に伸びるわけではないと思いますが、プラスアルファで伸びていくサービスだとご理解いただければ幸いです。

LABO-KPI推移(売上・来店台数・平均単価)

谷好通氏(以下、谷):KeePer技研、代表取締役会長兼CEOの谷です。「キーパーLABO」は天気などのいろいろな条件が重なって、平均単価が上がったり下がったり、台数が急激に伸びたりしながら、全体としては継続して伸びているという傾向には変わりありません。

LABO新店と店舗分布

店舗数についてです。直営店が100店舗を超えたあたりから、いろいろな面で難しいことがどんどん増えています。

特に今はお客さまからの需要がずいぶん増えており、新店をオープンするスピードがなかなか追いついていません。気を抜くとすぐにオーバーフローが起き、どうしてもお断りしなければいけない状態にもなりがちですが、いざそれをやってしまうと、需要が落ちてきた時にはまともに落ちてしまいます。

一度断ってしまったお客さまはなかなか再来しませんので、今は件数をなんとか増やそう、需要になんとかついていこうと一生懸命に努力しています。

今期の初めには30店をオープンしようと出発し、今はそのくらいのペースで進んでいますが、第3四半期と第4四半期には多くの追い込みが溜まり、それがいろいろな都合で1ヶ月や2ヶ月の遅れとなっており、現実的には直営店が17店舗オープンできるかというところです。

それに加えてFC店が8店舗あり、ここまでは間違いなくできるという状況です。それでも25店舗をなかなか超えることができずに苦労しています。なんとか改善しなければならないため、採用強化などに取り組んでいますが、建築管理の人材不足は現在大変厳しくなっており、ここはあまり強化できていません。

お客さまが増える時期になるとすぐに店舗人員の過労状態が生まれてしまいますので、これまでは先行して人材を投入してきました。しかし、それにより管理的な色がついてしまう時期があり、人材投入を若干抑えた時期がありました。そこからふと気がつくと今年の4月は非常に忙しくなり、生産性が高くなってしまっていました。

このような状況に対し、「これから暑い時期になったらどうなるんだ」という空気が流れそうになりましたので、先行して人材をたくさん入れようと本格的に採用強化を行っています。7月にはベースアップなどを行う予定になっていますので、そちらを先取りするかたちで募集をかけており、今回はアルバイトも募集することにしています。

今までは少なくとも直営店は全員が正社員で、クオリティを第一に考える方針でした。しかし、お客さまの数がどんどん増えていますので、技術がいらないわけではなくともそこまで複雑ではない洗車作業などをアルバイトにやってもらおうと考え、今回の募集に至っています。

おかげさまで「キーパーLABO」という職種は、募集をかけると非常にたくさんの応募があります。今回は力を入れたこともあって370万円ほど募集費を使いましたが、そちらに対して600人の応募がありました。そこから面接などを進め、現在は百数十人の採用ができています。これから暑くなっていくことを踏まえ、先んじて人数を増やしていきます。

店舗数は、直営店・FC店の両方をあわせて25店でとどまっていますが、7月・8月に大きく伸びます。いつもは上半期のオープン数が少ないのですが、今年は相当な数になります。現時点でも10店以上がオープン予定ですので、第1四半期か第2四半期あたりの新店も相当出てくるのではないかと思っています。

KeePer LABOのフランチャイズ展開

昨年11月にフランチャイズを解禁しました。今までは「フランチャイズをやりたい」という方がいらっしゃっても、「うちは直営だけで行っていますから」ということで、ずっとお断りしてきました。2021年から2024年にかけてはわずか1件だけでしたが、今年になってからは9件です。

よって、フランチャイズも進めていこうということになりました。お客さまの数がどんどん増えて、需要が大きく増え、どんどん大きくなってきていることを実感していますので、店を開かなければなりません。

新車のコーティングや「キーパー PRO SHOP」のコーティングなどもどんどん増えていますが、そのようなものが増えていけばいくだけ「どうせやるなら専門店で」という需要もそれに増して増えていきます。

その需要に対してお断りを入れなければいけない状態は、マーケットそのものを縮めてしまいますので、なんとか応えていこうと、「キーパーLABO」の店舗数を揃えるべく、フランチャイズの促進も始めました。

出光興産が2030年までに150店舗の展開を目指すと宣言されたのをはじめ、全国のFC希望者は61社です。スライドには50社と記載がありますが、61社からの申し込みがあり、その中の相当数と話を進めています。

2025年6月頃から、フランチャイズ店の説明会をキャラバンで実施する計画を立てており、ある程度公表もしていました。しかし現在61社、件数にして100件を超えているため、これらの対応に手がつかないまま説明会を開催すると、混乱を招くおそれがあると判断し、説明会そのものを延期することにしました。現時点では「秋に実施します」とお伝えしていますが、状況によっては冬の開催になるかもしれません。

今は建築費が非常に高騰していますので、店舗を建てる費用といった面も、FC店の取り組みによってクリアできます。そして何より、FC店を巻き込むことで、ある程度勤続年数のある落ち着いた社員を確保できます。

「キーパーLABO」は品質が生命線になっています。よって、そこをきちんと担保していくためにも、クオリティを維持できるような仕組みを作りつつ、FC店舗数を急速に増やしていきます。年間で50店舗、70店舗とペースが上がるよう、さまざまな角度から力をつけています。

業務提携をするなど、変化を取り入れながら店舗の増加に注力したいと思います。

ソフト99株式を12.38%取得

3月にソフト99の株式を12.8パーセント取得しました。同社とは昔から交友があり、取引もありましたが、お互い少し異なるマーケットで商売をしてきました。商品に関しても、同社はBtoCがメインで、私どもはBtoBという違いがあります。したがって、共存できるとともに、

お互いに得たいものを生み出し合いながら協力体制を築き、ともに成長していくことを望んでいます。これは時間をかけて、ゆっくりと進めていきたいと考えています。

質疑応答:出店計画およびガソリンスタンド業態のブランドの位置づけについて

質問者:出店については、ずいぶん遅れているものの、現在は軌道に乗りつつあるとのことですが、次期中期経営計画における出店計画がどのようなものになるか、イメージでもかまいませんので、差し支えない範囲で教えてください。

特にガソリンスタンド関連の店舗形態は、現在さまざまなものが出てきています。「出光はFCで」といったかたちは比較的わかりやすいですが、ENEOSについてはどのようなかたちになるのでしょうか?

また、ガソリンスタンド関連の店舗形態が複雑化していく中で、「LABO」と「PRO SHOP」の垣根が曖昧になってくるようにも思います。それぞれの店舗ブランドを、どのような位置づけでお考えなのか、整理して教えていただければと思います。

:まず出店ペースについてですが、希望としては来期に50店舗出店したいと思っています。

現実的には、この1年間で25店舗しか出店できませんでした。ただ、あと10店舗ぐらいはすぐに出店できる見込みがありますので、なんとか40店舗には届きたい、そしてその体制を作っていきたいと考えています。

「PRO SHOPとLABOの違いがあやふやになってくるのではないか?」という部分については、おそらく大丈夫だと思います。「キーパー PRO SHOP」は、どこも物販の形態で運営していますので、店舗の対応、お客さまへの対応が明確に異なっていると認識しています。

確かに技術のクオリティという点では、「LABO」のスタッフも、コンテストのおかげもあって着実にレベルが上がってきています。よって、ここは私どもとしても、しっかりと引き締めていかなければならないと考えています。

また、店舗形態そのものについても、おそらく混在することはないと思っています。というのも、ガソリンスタンドの中に「LABO」を設けるようなことは、これまでもしていません。ガソリンスタンドでするならば、あくまでも「LABO」の一角に1基だけ計量器を置くなど、こだわりを持って対応しているため、そのような店舗はまだ1店も存在していません。

計量器を残すとなると、タンクの問題などもあり、相当な面積が必要になります。そのため、計画が進む過程でいつの間にか計量器がなくなっていたという状態で、「ごちゃまぜ」になることは今のところあまり心配していません。

質問者:ガソリンスタンド側が「LABO形態にしたい」「LABOブランドにしたい」と希望した場合でも、計量器を残すのであれば、御社側で制限をかけているのでしょうか?

:制限をかけているわけではないのですが、まだ1つもありません。出光の場合、店舗側が「これを活かして」と言うこともあります。そういった際には、真ん中に壁を設けるなどします。「計量器を1基だけ残しても意味がありませんので、なくしてしまいましょうか? そうすれば、このようなこともできます」といったかたちで乗り切ります。

その結果、「ガソリンスタンドの中にLABOがある」という店舗形態は実現していませんし、今後も出てこないだろうと思います。私たちとしても、そこは譲っていませんし、そういったかたちにはならないと考えています。

質問者:先ほどの「来期はLABOは50店舗を目指して、40店舗に届くようにしたい」という目標は、FC店を除いた数字でしょうか?

:FC店を含めた数字です。FC店の影響はかなり大きいため、優先しすぎると直営店が増えません。よって、そのあたりは全体の店舗数について多少妥協してでも、直営店を優先していきたいと考えています。

1店舗あたりの売上がまったく違いますので、そのような意味でも、力を入れつつ調整していきたいと思います。

質疑応答:消費マインドの変化について

質問者:インフレ等による消費マインドの悪化について、何か影響は感じていますか? 低単価へのシフトや来店頻度の減少など、いわゆる「買い控え」といったかたちで、変化を感じていることがあれば教えてください。

:景気についてですが、私どもの商売の歴史をさかのぼってみると、一番伸びたのはリーマン・ショックの頃で、その次は新型コロナウイルスが始まった頃です。いずれも前年比で40パーセントほど伸びています。

つまり、景気が悪くなり消費者が買い控えをし始めると、「新車を買うつもりだったけれど、もう2年乗り続けようかな」といった需要が大きく出てきます。そのため、むしろ世の中の景気が悪化した時のほうが、当社としては成長するのではないかと考えています。

質問者:特に懸念していないということですか?

:「期待している」と言うと語弊がありますが、懸念はしていません。

質疑応答:T社へのシェアと競合状況について

質問者:卸についておうかがいします。T社が好調とのお話でした。日本国内の販売台数のシェアはT社が50パーセントほどです。よって、御社のT社へのシェアが50パーセントほどになれば、非常によいと思っています。そのあたりの感触について、お聞かせください。

また、T社の中でもコーティングに関しては他社との競合があるかと思います。ポテンシャルと競合の状況についても教えていただけますか?

:具体的にはあまりお伝えできない部分です。

賀来:手応えは十分にあります。

:全社でトヨタが一番感触がよいと思います。例えば、レースなどもトヨタの車を使っていますし、さまざまな意味で一番目立っておりムーブは持っていると感じます。

質問者:T社は、数年前は特に手応えがなかったと思います。

:以前はトヨタは手応えがありませんでした。悪い意味ではなく、それぞれで動いている分、反応に時間がかかるということです。ただ、一つひとつの反応は非常に力強くなってきています。よって、トヨタが中心になってきます。

質疑応答:「LABO」の課題について

質問者:「LABO」についてです。好調だと思いますが、今後、店舗を増やしたり売上を伸ばしたりする時に、ボトルネックになりそうなところを確認させてください。

人時生産性が8,000円を超え、過去と比べると上昇傾向にあります。夏を迎えますが、離職率が増えるのではないかと懸念しています。アルバイトを採用するという話でしたが、いかがでしょうか?

また、御社の理由ではなく、建設会社の人手不足や材料費の上昇などにより、店舗が建てられないという懸念もあります。この点についての考えもお聞かせください。

:本当は8,000円を超えてはいけませんが、9,000円を超える店舗も出てきます。すると、「断り」が始まることになります。そのため、そこを何とかすべく人を集めています。

ただ、集めようと思えば実際に集まります。みなさまが驚くぐらいです。したがって、そこは十分に解決できると考えています。基本を忘れずに、「売るほう」よりも「人の確保を先に考える」ことを忘れずに進めており、それが解決につながると見ています。

質問者:暑い中でも十分休むことができて、夏を乗り切れるということですか?

:今年は前もって「冷感スーツ」を全員に配りました。今のところ非常に好評です。また、コーティングは涼しいところでできるのですが、洗車は外でしなければなりません。そのため「1台いくら」というインセンティブをつけました。

これまでは、技術をまだ覚えきっていない新人スタッフが暑い中で作業し、先輩たちは涼しいところにいるという不公平な場面がありました。しかし、インセンティブをつけることにより、むしろ洗車が「押し付け合い」ではなく、「取り合い」になるのではないかと思います。

現在のムードを見ても、そうではないかと思いますが、離職率を上げないよう、手を尽くしています。今も2桁に届くか届かないかといったところで推移しており、今後人員が増えても急上昇することはないと思っています。

質問者:建設会社の問題で開店が遅れることや、建材価格が想定以上に上がって、採算が合わないということはないと思いますが、御社が困ることはありませんか? 

:建材価格の上昇は非常に厳しい状況ですが、安価に建設する方法を考え、試行錯誤を重ねています。出光も驚いていましたが、発注側の言いなりになるのではなく、私たちなりに工夫し、建設会社の都合で工期が遅れることがないようしっかりと取り組んでいます。

質疑応答:第3四半期の業績進捗について

質問者:第3四半期の業績については、営業利益の進捗率が76.7パーセントと高かった一方で、売上高が70.3パーセントと、計画に対して足りなかったのではないかと思います。

営業利益は、おそらく社内予算を上回ったのではないかと思いますが、計画に対してどのような状況だったかお聞かせください。また、販管費もかなり抑制できたのではないかという点についてもお聞きできればと思います。

:第3四半期では、売上は若干計画を下回りましたが、売上総利益はプラスとなりました。当社の事業計画は売上総利益を軸に組み立てていますので、その予算は無事に達成しています。

売上に展開した時に一部下回っており、設定の仕方がよくなかった部分はありますが、ほぼ予定どおりの着地です。

質問者:営業利益についてはいかがでしょうか? 

:営業利益もプラスです。

質問者:営業利益は社内予算を上回ったということでしょうか? どのぐらい上回ったのか、教えてください。

:今、FC店を多数展開しようと計画を進めています。そのFC予定の店舗から、多くの研修生が来ています。したがって、ここの部分の人件費は上がっていません。

研修のため、その方たちに対する給与はFC側の負担になっています。そのような面で、人件費の効率が非常によい状態になっています。

質問者:人件費の観点で言えば、来期以降、このあたりが発生する見込みでしょうか?

:今後さらに増える見込みですので、このあたりで儲かっているとは言えないと思います。

質疑応答:FC出店の中期的な見通しについて

質問者:FCを取り込むことで、収益性が向上すると見ています。来期以降、利益率もさらに高まっていくと考えていますが、中期的に見た今後のFC出店のペースやイメージについて、教えてください。

:現在、FCを希望される方はかなりいます。ただし、まだ半信半疑な部分もあります。しかし、先行してオープンしている店舗、特に出光のケースでは、「こんなに上がるのか」というくらい、当初の予算を楽々と超えてきています。

このような結果が出れば出るほど、FC側の出店ペースもますます上がってくると予想しています。相手があることですのでなんとも言えませんが、「すごい」というムードになっていますので、上がってくるのではないかと思います。

質問者:会長が考えているペース感について、何か定量的に示せるものがあればお聞きしたいのですが、いかがでしょうか? 

:私は楽観的ですので、あまり数字は言わないようにしています。ただ、2年後にはFC店だけで50店舗程度の出店になるのではないかと見ています。

質問者:年間50店舗というイメージでしょうか? 収益性については、FCの展開によって、来期以降さらに高まっていくという理解でよいでしょうか?

:おっしゃるとおりです。利益率は確実に上がります。

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