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タイミー株価25%急落…なぜ利益上方修正でも投資家失望?スポットワーク市場の将来性とリスクを解説=佐々木悠

タイミーのビジネスモデルと「ネットワーク効果」の強み

タイミーのビジネスモデルは、労働者とクライアントが相互に増える「ネットワーク効果」が特徴です。

  • 仕組み
  • ワーカー数が増えると求人に対する労働者数(稼働率)が増え、クライアントは「タイミーに頼めば人が集まりやすい」と感じ、募集人数が増加。これがさらにワーカー数を増やし、プラットフォームの価値を高めるという好循環を生み出します。

  • 収益源
  • クライアントが労働者に支払う賃金と交通費の合計の約30%が手数料収入として計上されます。

  • ワーカー側のメリット
  • ◦ 好きな時間に働ける「スポットワーク」
    ◦ 履歴書・面接などの採用プロセスが不要
    ◦ 働いたらすぐにお金がもらえる

  • クライアント側のメリット
  • ◦ 「急な欠員」時でもすぐに働ける人が見つかる
    ◦ 高い稼働率:タイミーの求人稼働率は86%と非常に高く、ハローワークの13%と比較しても圧倒的
    ◦ リピーターの豊富さ:一度働いた人が再度同じお店で働くケースが多い
    ◦ 効率的な労務管理:応募時点で労務手続きが完了するため、手間がかからない
    ◦ レビュー機能:労働者とクライアントが相互に評価し合うことで、適当な働き方を防ぎ、質の高いマッチングを促進

これらの強みが、スポットワーク市場におけるタイミーの確固たる地位を築いてきました。

タイミーが直面する課題と競争環境の激化

<新規労働者獲得の壁とコワーカーへの依存>

タイミーの懸念点として、新規労働者の割合低下が挙げられます。

  • 新規ワーカーの減少
  • 月8回以上タイミーを利用する「コアワーカー」が増加している一方で、新規ワーカーの割合は減少傾向にあります。

  • ネットワーク効果への影響
  • ビジネスモデルの根幹である新規登録者数の伸びが鈍化すると、将来的な稼働率の低下やプラットフォーム価値の停滞に繋がる可能性があります。コアワーカーの働き方には限界があるため、新規ワーカーの獲得は非常に重要です。

  • マーケティング費用との関連
  • 労働者側へのマーケティングは継続して行われているものの、苦戦している状況が見受けられます。

<利用者の高齢化:40代以上が半数以上を占める変化>

タイミーの利用者層にも大きな変化が見られます。

  • 40代以上の増加
  • 2024年7月現在、登録ワーカー全体の50%以上を40代以上が占めています。特に50代や60代以上の伸び率が顕著で、60代以上は1年間で倍増しています。

  • 以前との変化
  • 元々は30代以下の若い世代に人気とされていましたが、この1年で状況は大きく変わりました。

  • 男女比と職業
  • 男女比は男性52%、女性48%と大きな変化はありません。全体で見るとパート・アルバイトが34%、無職・専業主婦が22%、正社員が21%を占めています。

この利用者層の変化は、タイミーが当初想定していた「若い世代向けのサービス」というイメージから、「幅広い年齢層に支持されるサービス」へと転換していることを示唆しています。

<激化するスポットワーク市場の競争>

スポットワーク市場は、異業種からの参入により競争が激化しています。

  • メルカリハロ
  • 2024年3月に開始し、早くも登録者数1,000万人、登録拠点数15万と、タイミーに匹敵する規模に成長しています。

  • LINEスキマニ
  • 圧倒的なネットワークを持つLINEを基盤に、2,400万人の登録者数を誇ります。

  • その他
  • パーソルなども参入しており、選択肢が非常に豊富になっています。

このような競争激化の中で売上が鈍化していることは、他社との顧客の食い合いが発生している可能性も示唆しており、飲食業界のコスト抑制だけでなく、競合サービスの台頭も影響していると考えられます。

Next: タイミー株は買いか?リクルートは撤退、スポットワーク市場の未来は…

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