三菱重工業の株価は割安か? PER・PBR・配当利回りで判断
防衛・重工業銘柄として長期的な成長期待は高い一方で、現在の株価水準は過去と比べて割高感も否定できません。PER・PBR・配当利回りを整理し、現在のバリュエーションが許容できる水準かどうかを確認します。
<三菱重工業のバリュエーションを確認>
2026年2月25日時点の株価4,752円に対し、会社予想ベースのEPS(1株あたり利益)77.38円をもとに計算すると、予想PERは約61.4倍となります。東証プライムの機械・重工業セクターの平均PERが概ね15〜25倍程度であることを踏まえると、現在の水準は成長期待を大きく先取りした高バリュエーションといえます。
PBRも6.0倍と、重工業セクターの過去平均(1倍前後)を大きく超えており、防衛・脱炭素の成長テーマが株価に反映されていることがわかります。
配当利回りは0.5%と、高配当株としての妙味が薄れています。
2026年3月期の年間配当予想は1株あたり24円で、前期の23円から増配の方向にありますが、インカム投資目的での保有には向かない水準です。
株価は業績拡大と防衛テーマへの期待を反映したグロース株的な性格が強く、PERの正当化には今後数年にわたって高い利益成長率の維持が必要です。
三菱重工業の今後の株価見通し
足元の業績は絶好調ですが、中国リスクが意識され、PER面には割高感も意識される三菱重工業。今後のスケジュールやチャートを分析し、どのあたりが下値の目処になるかを確認していきます。

三菱重工業<7011> 日足(TradingView提供)
<27年3月期の業績見通しは保守的に開示される可能性も>
2026年5月上旬に発表を予定する第4四半期決算では、27年3月期の業績見通しを開示するとみられますが、期初計画は保守的に開示されやすいものです。現在の市場の期待が高い分、市場予想を下回った場合には、一時的に失望売りが波及するリスクがあります。
次回の決算が大きく評価される期待は限定的で、今は急いで買いに入るというよりも、下げ止まりや中国リスクを見極めるべき局面と言えそうです。
<三菱重工業の下値目処をテクニカルで探る>
2026年2月25日の終値4,752円は、25日移動平均線(4,769円)をわずかに下回って推移しています。直近では日足チャートに陰線も目立っており、短期的な上値の重さが確認できます。上値の重さを嫌気した一段の調整も想定される値動きですが、節目の4,500円近辺や、75日移動平均線の位置する4,357円近辺は下落局面でのサポートラインとして機能する余地があります。
投資戦略としては、中国リスクが業績に与える影響を注視しつつ、75日移動平均線付近の4,300〜4,400円近辺への押し目買いが一考かもしれません。4,000円を明確に割り込んだ水準などをロスカットの目安にしておくと、リスク管理がしやすいでしょう。
すでに大きく含み益が乗っている場合には、持ち高の一部について利益を確定して、押し目を狙い直すのも手です。
まとめ:今は慎重な投資スタンスが求められる
三菱重工業には、防衛費増額・脱炭素エネルギー需要・次期戦闘機開発という3つの成長テーマが揃っており、中長期の業績拡大シナリオは依然として有効です。
ただし、直近の中国輸出規制リスト入りという悪材料が短期的な株価の頭を重くしており、慎重な姿勢が求められる局面でもあります。
PER60倍超えの高いバリュエーションを考えると、調整が深くなる可能性も視野に入れるべきです。
次回の決算発表に向けた期待も高まりやすい時期ではありませんので、今は焦らずに様子を見るのも手です。
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