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新規上場「犬猫生活」は買いか?前澤ファンド出資ペットD2Cの成長性とリスクを解説=遠藤悠市

犬猫生活の業績とサブスクリプション型の強み

犬猫生活の業績は、ここ数年で大きな転換点を迎えています。

<売上高は毎期50%超で成長、25年4月期に黒字転換>

同社の売上高は毎期50%以上の高成長を継続しています。
25年4月期は売上高29億円(前年同期比62.0%増)、営業利益9,200万円、当期純利益2億700万円を計上し、営業赤字からの黒字転換を果たしました
広告宣伝費を積極投下して定期会員を積み上げてきた戦略が、ようやく利益面でも実を結び始めた局面です。

さらに26年4月期第3四半期(25年5月~26年1月)累計では、売上高33.3億円、経常利益4.1億円とすでに前期通期を上回るペースで推移しています。
通期業績予想は売上高44.4億円(前期比53.3%増)、経常利益6.0億円(同6.7倍)と大幅増収増益を見込んでいます。

<売上の91%が自社EC、注文の95%が定期購入>

同社の最大の強みは、D2C×サブスクリプション型の収益モデルにあります。
25年4月期時点では、売上高の約91%が自社EC経由、注文の約95%が定期購入、定期会員数は約5万6,000人に到達。
この収益構造には、以下のようなメリットがあります。

  • 手数料負担が軽い
  • 楽天やAmazonなどのモールに依存しないため、プラットフォーム手数料がかからず利益率を高めやすい。

  • 顧客データを自社に蓄積できる
  • 購入頻度・継続率・解約タイミングなどのデータを直接保有し、広告効率やCRM施策の最適化が可能。

  • 将来の売上が積み上がる
  • 定期購入ベースのため、SaaS企業のMRR(月次経常収益)に近い性格を持ち、売上の再現性が高い。

ペットフードは消耗品であり、一度気に入った商品を継続して購入する傾向が強いため、サブスクリプションとの相性が極めて良いカテゴリです。
飼い主は愛犬・愛猫の体調が安定している限り、フードを切り替えるリスクを取りたがりません
これが高い継続率につながっています。

ペット関連市場の拡大と「プレミアム化」という追い風

犬猫生活が乗る市場そのものも、構造的な成長トレンドの中にあります。

<ペット関連総市場は2025年度1兆9,257億円規模>

矢野経済研究所の調査によると、2025年度のペット関連総市場規模は、小売金額ベースで前年度比100.8%の1兆9,257億円に拡大する見通しです。
飼育頭数そのものが大きく伸びているわけではなく、「1頭あたりの支出が増えるから伸びる市場」に転換しているのが特徴です。

ペットフードに限定しても、富士経済の調査では2026年に国内市場は5,122億円規模へ拡大する見込みで、主にプレミアムタイプ・猫用スナック・サプリメントなど高付加価値カテゴリがけん引するとされています。
日本のペットフード市場全体の年平均成長率は4〜5%前後と推計されており、小さくない成長余地が残っています。

<「家族化」がプレミアムフード需要を押し上げる>

ペットを家族の一員として扱う傾向が強まるにつれ、飼い主は安価な商品よりも健康に配慮したプレミアムフードに支出するようになっています。
自然派素材や無添加を訴求した商品、肉の含有量が多い商品、国産品などが好調に推移しており、まさに犬猫生活が狙う領域と一致します。

この「プレミアム化」のトレンドは、ペットの高齢化とも結びついています。
高齢ペットの健康ケア需要が高まり、サプリメントや療法食といった周辺カテゴリまで波及効果が生じやすくなっています。

<競合と比較した犬猫生活のポジション>

プレミアムD2Cペットフード領域には複数のプレーヤーが存在します。
主要競合との比較は下表の通りです。

企業 特徴 チャネル
犬猫生活 国産無添加ドライフード中心 自社EC 91%
バイオフィリア(ココグルメ) 冷凍フレッシュフード 自社EC+イオンペット
PETOKOTO 獣医師開発フレッシュフード 自社EC中心

犬猫生活はフレッシュフード勢と比べると、保存性や価格面で扱いやすいドライフード中心であること、動物病院・トリミングサロンまで垂直統合している点が差別化要素となります。
競合も自社ECを軸にしている点は共通しており、ブランディングと顧客ロイヤリティの競争が今後の優劣を分けることになりそうです。

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