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「本好きの下剋上」累計1,300万部、電子書籍主導で成長狙うIP関連株

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国内の注目銘柄を紹介する新連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。TOブックスは累計1,300万部の『本好きの下剋上』など自社IPを軸に、電子書籍比率79.7パーセントとメディアミックスで成長を狙います。2026年4月期は売上高113億円、営業利益19億円を計画。配当は未定で、再投資局面にあります。

【基本情報】株価:3,015円(2026年6月10日終値)/配当利回り:未定

国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、TOブックスを取り上げます。

2026年2月にIPO、電子書籍比率79.7%のIP銘柄

TOブックス(500A)は2026年2月13日に東証スタンダードへ上場したIPO銘柄です。ライトノベルやコミックスを起点にIP(知的財産、作品やキャラクターなどの権利資産)を育て、電子書籍、紙書籍、アニメ、舞台、グッズへ広げて収益化しています。2026年4月期第3四半期累計の商材別売上は、決算説明資料ベースで電子書籍が65億7,600万円、構成比79.7パーセントでした。その他は8億5,500万円、構成比10.4パーセント、紙書籍は8億1,600万円、構成比9.9パーセントです。

累計1,300万部突破、『本好きの下剋上』がメディア展開の土台

同社の看板IP『本好きの下剋上』は、電子書籍を含むシリーズ累計発行部数が1,300万部を突破しています。『このライトノベルがすごい!』の単行本・ノベルズ部門で過去3回にわたり1位を獲得した実績もあり、知名度のあるIPを持つことが、アニメや舞台の集客の土台になっています。

自社IPのアニメ作品で主幹事比率33%、収益機会の最大化を狙う

また、権利を外部に許諾するだけでなく、作品の広げ方そのものに深く関わろうとしている点にも注目です。同社は、自社IPの累計アニメ作品数に占める同社主幹事比率が33パーセントだと説明しています。これは、どの作品をどのタイミングで、どの媒体へ展開するかを設計し、製作委員会(アニメなどの制作費を複数社で出し合う仕組み)への参加や商品化にも関わる取り組みです。単に作品の利用を外部に任せるのではなく、認知拡大からファン接点づくり、グッズ販売までを連動させることで、1つのIPから得られる収益機会の最大化につなげる狙いがあります。

成長戦略はメディアミックス、IP創出、他社IP活用、海外展開の4本柱

成長戦略の柱は、メディアミックス戦略の深化、安定的なIP創出、他社IPの活用、海外展開の加速の4つです。

1.アニメ、舞台、グッズへ展開し、1つの作品から収益機会を拡大

まずメディアミックス戦略の深化では、電子書籍や紙書籍で読者の支持を得たIPを、アニメ、舞台、イベント、グッズなどへ広げ、1つの作品から得られる収益機会を増やします。アニメで新規層に認知を広げ、イベントやグッズでファンとの接点を増やし、その反応を既刊の電子書籍やコミック販売にもつなげる流れです。『本好きの下剋上』で進めるアニメ、POP UP SHOP、IP書店、ミュージカル再演、AnimeJapan出展などは、その代表例といえます。

2.編集人員57人体制、主要IP数は66から86へ増加

安定的なIP創出では、編集人員数を57人体制とし、作品を継続的に生み出す体制を厚くしています。1年で電子書籍売上が1,000万円以上あった主要IP数は2023年4月期の66から、2026年4月期第3四半期には86へ増えました。この増加は、将来のアニメ化、舞台化、グッズ化の候補が広がっていることを意味します。

3.他社IPも活用し、音響制作やイベント運営のノウハウを拡充

他社IPの活用では、自社作品だけでなく、他社が持つ作品の音響制作、興行、イベント運営などにも関わります。自社IPに依存しすぎず、制作や運営の経験を積み、メディアミックスのノウハウを広げられる点に意味があります。

4.電子コミック配信や現地出資で、海外展開を加速

海外展開の加速では、電子コミック配信や現地企業への出資を通じて、日本国内の読者だけに頼らない販売機会を探っています。国内で育てたIPを海外でも展開できれば、電子書籍やライセンス収入の上積みにつながる可能性があります。

営業利益率は12.2%に低下、作品プロデュースでは利益率管理が課題

一方で、アニメ化は制作費や宣伝費が先行しやすく、作品評価が伸びなければ原作販売への波及も限られます。2025年4月期は営業利益率が12.2パーセントとなり、前期の18.0パーセントから低下しました。作品プロデュースへの関与を深めるほど、売上成長だけでなく利益率の管理が重要になるため、この点は注視が必要です。

2026年4月期は売上高113億円、営業利益19億円を計画

2026年4月期の通期修正計画は、売上高110億円から113億円、営業利益17億円から19億円です。第3四半期累計の進捗率は、売上高が下限に対して75.0パーセント、上限に対して73.0パーセント、営業利益が下限に対して79.8パーセント、上限に対して71.4パーセントとなっています。第3四半期時点では、通期下限の達成は視野に入っていると見られます。

2026年4月期の配当は未定、成長投資を重視する段階

なお、株主還元については、2026年4月期の配当予想は現時点で未定です。2025年4月期は1株あたり23円配当を実施しましたが、現段階では還元よりもIP創出とメディアミックスへの再投資を重視する段階の銘柄です。

さらに詳しく知りたい方へ――オンライン決算説明会のご案内


事業内容や成長戦略に触れ、「もっと詳しく知りたい」「経営トップの考えを直接聞きたい」と感じた方へ。TOブックス 代表取締役 本田 武市 氏と、取締役コーポレート本部長 鳥海 裕喜 氏が2026年4月期の業績概要および今後の事業戦略をライブ配信で説明します。

視聴者からの質問もその場で受け付けており、経営者の肉声を通じて、リアルタイムで疑問も解消できる貴重なセミナーです。

参加はZoomによるオンライン配信で、どなたでも無料でご予約いただけます。
ぜひこの機会にご参加ください。

▼詳細・視聴予約はこちら【IRセミナー特設ページ】

2026年6月15日(月)19時開催。TOブックス決算説明会

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執筆者プロフィール


執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。


※記事内容、企業情報は2026年6月10日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。

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