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アセンテック Research Memo(1):2026年1月期は最高業績更新。AI時代の外部環境の変化を捉え成長加速へ

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■要約

1. 会社概要
アセンテック<3565>は、仮想デスクトップ(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)のトータルソリューションベンダーであり、企業のワークスタイル変革を支援している。事業はVDI、クラウドインフラ、ゼロトラストセキュリティの3領域で展開している。独自の「リモートPCアレイ」はハイパーバイザー不要なVDIを実現し、自治体のセキュリティ対策やRPA(Robotic Process Automation)基盤として数多くの実績を有する。また、2026年3月にはオンプレミス環境で安全なAI活用を可能にする「Edge AI Array」を発表し、AIインフラ市場へ参入した。設立は2009年で、2017年に東京証券取引所(以下、東証)マザーズへ上場し、2023年より東証スタンダード市場へ移行した。直近では、Cloud Software Group,Inc.(以下、CSG)との戦略的提携による子会社(株)CXJの設立や、積極的なM&Aを通じてエンジニア資源を拡充している。VDIの専門技術者集団を擁し、コンサルティングから保守まで一貫提供する体制を強みに、AIやセキュリティ、クラウドなどの先端領域へ事業を拡大させている。

2. 2026年1月期の業績概要
2026年1月期の連結業績は、売上高17,254百万円(前期比18.3%増)、営業利益2,840百万円(同227.3%増)、経常利益2,894百万円(同137.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,059百万円(同139.6%増)と、増収及び各利益で大幅増益となった。過去最高業績を更新し、中期経営計画の目標を1年前倒しで達成した。仮想デスクトップ領域では、子会社CXJによるCitrix製品の売上が大幅増益に寄与した。クラウドインフラ領域は、地方自治体のネットワーク分離需要を受け「リモートPCアレイ」の出荷台数が348台と倍増し、同32.6%の増収となった。ゼロトラストセキュリティ領域もForcepoint製品等の好調により同170.0%増と大幅に成長した。持続的成長を支えるストックビジネスも、自社製品の保守サービスを中心に売上高2,119百万円と堅調に推移している。株主還元面では、好業績を背景に年間配当を当初予想の20.0円から前期実績の2倍となる30.0円へ大幅増配した。

3. 2027年1月期の業績見通し
2027年1月期の連結業績は、売上高17,500百万円(前期比1.4%増)、営業利益2,000百万円(同29.6%減)、経常利益2,100百万円(同27.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,430百万円(同30.6%減)を見込んでいる。売上高は前中期経営計画の予算を維持し、経常利益は当初計画から9.9%上方修正した。前期比で減益を見込むのは、2026年1月期にCitrix製品の大型案件や更新需要が集中した反動であり、2027年1月期は巡航速度での着実な成長を反映している。事業環境は、ハイブリッドワーク定着やAI活用本格化により、セキュアなAIインフラ需要が継続している。特にVMwareの価格改定に伴う代替需要に対し、「XenServer」等の提案を強化しシェア拡大を図る。また、新基盤「Edge AI Array」を投入し、機密保護や低遅延を重視するAIインフラ市場へ本格参入する。高収益な自社製品やストックビジネスを拡大し、持続的な収益向上と配当性向45%以上の積極的な株主還元を両立する方針である。

4. 中長期の成長戦略
新中期経営計画「Ascentech Vision 2030」では、2030年1月期に売上高250億円、経常利益40億円、時価総額約500億円を目指す。2027年1月期の売上高予想17,500百万円を起点に、着実な増収増益を継続する計画である。成長戦略の第1は製品力強化による利益成長であり、オンプレミス型AIプラットフォーム「Edge AI Array」の投入により、セキュリティ、応答速度、コストといったクラウドAIの課題を解決するソリューションを訴求する。あわせて独自製品「リモートPCアレイ」のシェア拡大や、高収益なストックビジネスの強化を図る。第2に事業拡大として、2030年1月期までに50億円規模の売上増に寄与するM&Aや、グローバルパートナーとの戦略的事業提携、販売網の全国拡大を推進する。第3に経営基盤として、AI人材の育成、配当性向45%以上への引き上げ、1株を3株とする株式分割を実施し、株主還元の充実とESG経営を深化させる方針である。

■Key Points
・ITインフラのセキュリティを支える仮想デスクトップのフロントランナー
・企業のAI活用の浸透やリモートワークの浸透により事業環境は良好に
・2026年1月期は増収及び各利益で大幅増益。過去最高業績を更新し、中期経営計画の目標を1年前倒しで達成
・2026年1月期の配当は前期実績の2倍となる30.0円へ大幅増配。2027年1月期以降は配当性向45%以上を基準とし、成長と還元を両立
・新中期経営計画では、2030年1月期に売上高250億円、経常利益40億円を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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