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アセンテック Research Memo(6):良好な事業環境を背景に、時価総額500億円に向けた打ち手

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■アセンテック<3565>の中長期の成長戦略

1. 前中期経営計画の振り返り
2027年1月期を最終年度とする前中期経営計画については、計画値を大幅に上回る業績が見込まれたため上方修正を行ったが、修正後の最終年度目標であった経常利益1,910百万円については、2026年1月期に1年前倒しで達成した。事業面においては、CSGとの資本業務提携によるCXJの設立が、仮想デスクトップ事業を強力にけん引した。また、エンジニアリングリソースの拡充を目的にワンズコーポレーションとエスアイピーの2社を子会社化した。自社製品である「リモートPCアレイ」は累計受注数2,000台を突破し、自営保守を含むストックビジネスの基盤を拡大させるなど、重要な事業戦略の実行を通じて強固な経営基盤を構築した。

2. 「Ascentech Vision 2030」事業計画
同社は、さらなる飛躍的な事業成長を実現するため、2030年1月期を最終年度とする新中期経営計画「Ascentech Vision 2030」を策定した。本計画では、ITで働き方の変革を支え、より良い社会に貢献することを目指す姿として掲げている。最終年度の主要な数値目標は、売上高250億円、経常利益40億円(経常利益率16.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益27.4億円、ROE(自己資本利益率)25.6%と、高い成長目標を掲げている。時価総額は現状の約185億円から大幅な向上となる約500億円を目指す。

2027年1月期の売上高予想17,500百万円を起点として、着実な増収増益を継続する計画である。なお、ROEについては、2026年1月期に計上したCSGとの戦略的事業提携に基づく10,000百万円あまりの資産・負債額が漸次減少することを見込み、結果として減少することを想定しているものである。これは、資本効率が悪化しているわけではなく、従来の資本構成に戻ることを意味している。

3. 成長戦略と重要施策
目標達成に向け、「利益成長」「事業拡大」「経営基盤」の3つの柱からなる成長戦略を推進する。

(1) 成長戦略 01:価値創造を軸に製品力を強化し利益成長を実現
AI事業への参入として、オンプレミス型AIプラットフォーム「Edge AI Array」を投入する。これによりセキュリティ、応答速度、コストといったクラウドAIの課題を解決するソリューションを自治体や金融機関等へ訴求する。あわせて独自の「リモートPCアレイ」の展開を加速し、地方自治体や金融機関での大規模案件獲得を推進する。また「Resalio Lynx」や「SSC」の拡販に加え、国内総代理店を務める「Forcepoint」等のサブスクリプション型サービスを強化し、ストックビジネスを拡大する。また、CXJの事業拡大も図る。

(2) 成長戦略 02:M&A及び戦略的事業提携による事業拡大を実現
2030年1月期までに50億円規模の売上増に寄与する、AIやセキュリティ領域を中心とした戦略的M&Aを目標とする。またCitrix製品を展開するCXJの事業を拡大させるとともに、グローバルなテクノロジー・パートナーとの提携を通じて高収益な自社ソリューションを確保する。さらに、特定の顧客層や地域に強みを持つ販売パートナーとのアライアンスを推進し、営業カバレッジを全国レベルで拡大する。

(3) 成長戦略 03:堅牢な経営基盤の構築を進め持続的成長を実現
AI人材の採用と育成を強化し、少数精鋭かつ高効率な組織体制を構築することで、次世代型の人材・組織基盤を強化する。株主還元についても重視し、2026年1月期は好業績を背景に年間配当を当初予想の20.0円から前期実績の2倍となる30.0円へ大幅増配した。また、2027年1月期より配当性向を45%以上とする新たな方針を策定した。さらに投資単位の引き下げと流動性の向上を目的に、2026年5月1日を効力発生日とし、1株を3株とする株式分割を実施する。加えてテレワークの推進やPC再利用技術による廃棄物削減など、持続可能な社会への貢献とガバナンス体制の強化を並行して進めるESG経営を深化させる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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