2026年5月8日に発表された、株式会社シグマクシス・ホールディングス2026年3月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
2026年3月期 通期決算説明
川澤琢也氏(以下、川澤):株式会社シグマクシス・ホールディングス執行役員CFOの川澤です。本日は2026年3月期の決算内容について、補足資料を一部抜粋してご説明します。
私はCFOとして決算説明会に臨むのは初めてですので、簡単に自己紹介します。
前職である三菱商事に在籍していた際、2008年の当社創業前から携わっており、2009年から約2年間は、経営企画担当として出向していました。その後、三菱商事を退職し、2024年7月に当社に合流して主に経営企画を担当しています。
2026年1月からCFO補佐を務め、4月に18年間CFOを務めた田端の後任としてCFOに就任しました。どうぞよろしくお願いします。
2026年3月期 決算概況
それでは、決算の概況をご報告します。当連結会計年度の連結売上高は前年同期比9パーセント減の238億3,100万円となりましたが、経常利益は前年同期比8パーセント増の63億5,100万円となり、過去最高を更新しました。
売上高の減少は下半期における外注の減少などが主な要因です。
一方、経常利益は外注費の抑制などにより増加し、通期の業績予想に対して達成率101パーセントとなりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、旧投資事業から承継した資産の再評価および処分を進め、特別損失を計上した結果、前年同期比10パーセント減の39億7,100万円となっています。
2026年3月期 連結業績予想 達成状況/年間配当金

通期の業績予想において売上高は未達となりましたが、営業利益および経常利益はほぼ計画どおりに進捗しました。
年間配当金は前期から5円増配し、1株当たり26円とします。これにより、目標としていた配当性向50パーセントを超える54.5パーセントとなりました。
株主還元施策の強化

株主還元施策についてご説明します。
当連結会計年度では、26億円超の自己株式取得を実施し、昨年11月に自己株式300万株を消却しました。
配当と自己株式取得を合わせた総還元性向は100パーセントを超え、ROEは27.8パーセントとなりました。
当期純利益の減少により、ROEは前年度水準を下回っていますが、旧投資事業資産の整理による一時的な影響を含んでおり、本業は順調に推移しています。
新事業年度でも、2026年5月から7月にかけて、新たに3億円の自己株式取得を決定しており、機動的な資本政策を推進していきます。
業績ハイライト:コンサルティングサービス

業績ハイライトです。
第2四半期までに大型案件が順次サービスインしたことに伴い、上位10クライアントの売上高占有率が低下しました。その中で、顧客ポートフォリオを戦略的に見直し、新規案件獲得に向けた提案活動を積極的に推進した結果、プロジェクト数およびクライアント数が増加しました。
外注の減少に伴い、契約あたり売上が減少しています。
2026年3月期 連結損益計算書

連結損益計算書です。
子会社3社が事業停止または連結対象外になったことや、大型案件の順次サービスインに伴う外注の減少により、売上高は前年比9パーセント減となりました。社内人財稼働率は通期平均ではターゲット水準を達成しており、第3四半期を底に回復傾向にあります。
一方で、外注費が前年比で4割減少した結果、売上原価は大きく減少し、前年比17パーセント減となりました。
また、全社費用のコントロールなどにより販管費も減少した結果、営業利益は過去最高の60億6,400万円となりました。
さらに、保有する投資有価証券に係る受取配当金や投資有価証券売却益などの営業外収益により、経常利益も過去最高の63億5,100万円を記録しました。
旧投資事業から承継した投資有価証券の再評価および売却を進めており、6億6,000万円の特別損失を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年比10パーセント減の39億7,100万円となりました。
なお、承継資産の投資残高は評価差額を含め第4四半期末時点で約29億円となりました。今後は市場の状況を見極めながら、早期売却を目指します。
重要業績評価指標(KPI)

重要業績評価指標です。
連結売上高経常利益率は前年同期比で4.3ポイント上昇し、26.7パーセントとなりました。
コンサルタント数は2026年3月末時点で692名となり、前年同期比で11パーセント増加しています。
新事業年度では、引き続き質を重視した選考を継続し、経験者採用については前年度と同程度の採用を予定しています。
また、2027年4月入社の新卒採用については、80名程度を目標に採用活動を進めています。
デリバリー品質を示す指標であるプロジェクト満足度は97ポイントとなり、引き続き高い水準を維持しています。
エージェンティックAI/生成AIの当社事業モデルへの影響

エージェンティックAIや生成AIが当社事業モデルに与える影響について、多くのご質問をいただいていますので、当社の見解をご説明します。
我々は、AIの台頭は当社事業にとって脅威ではなく、むしろ「提供価値の高度化」や「事業モデルの転換」を実現するための機会と捉えています。
お客さまの需要の変化により、コンサルタントへの期待値が上昇する中、高付加価値・高難度のプロジェクトへのニーズはますます高まると予想されます。
当社は、こうした環境変化を好機と捉え、徹底したAI活用による生産性向上に加え、成功報酬型のプライシングなど、新たな事業モデルの進化を推進していきます。
また、SaaSにおけるAIの影響についてもご説明します。当社事業モデルで取り扱っている会計系などの基幹系SaaSでは、監査やセキュリティといったガバナンスが高いレベルで求められるため、AIによる内製化は容易ではないと考えています。
BPRや企業内ステークホルダーマネジメントといった変革支援において、引き続きコンサルタントの存在価値が高い領域でもあります。
お客さま企業内でのAI活用の前提として、SaaS導入やデータ基盤整備などの需要が高まっていることから、AIの台頭により当社の強みを活かす機会がさらに拡大していくと認識し、取り組んでいきます。
2027年3月期 事業方針

2027年3月期の事業方針と連結業績予想です。
まず事業方針については、クライアント企業の深耕力をさらに強化するとともに、当社事業モデルの進化、社内人財の能力および生産性の向上に取り組みます。そして、価値共創プロセスを着実に実行し、さらに進化させていきます。
2027年3月期 連結業績予想

2027年3月期の連結業績予想は、売上高253億円、営業利益66億円、経常利益67億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億6,000万円を見込んでいます。
本見通しでは、特定の大型案件に過度に依存せず、中堅規模の案件獲得を推進することを前提とし、売上高外注比率を前年度下半期と同水準の1割程度で想定した計画となっています。
稼働率と経験者採用数は前年度と同水準を想定しています。
また、さらなる成長に向けた布石として、AI活用や社内変革推進に向けて数億円規模の積極的な投資を予定しています。これにより販管費は増加する見通しですが、経常利益率は前年と同水準を維持する計画です。
配当予想については、配当性向目標50パーセントを考慮し、前年度水準を維持する26円を予定しています。
資本提携等の戦略的パートナーシップ強化

資本提携等の戦略的パートナーシップ強化の一環として、4月13日に当社取締役会で、株式会社コアコンセプト・テクノロジーとのデジタル・トランスフォーメーションをはじめとした幅広い分野での協業を含めた資本業務提携の検討を開始することを決議しました。
製造業領域で卓越した専門性を有する同社は、当社グループの顧客ベースの拡大や、中堅企業向けの基幹システム刷新の提案機会の拡大を実現する上で、極めて重要なパートナーとなり得ると考えています。
当社としては、現在の友好的な関係を維持し発展させながら、2027年3月末までに同社が当社の持分法適用となる水準まで議決権比率を引き上げたい意向です。
現在、両社で協業に関して検討を進めており、共同営業や提案等の活動を推進中ですが、本日時点で資本業務提携について両社間で合意に至った事実はありません。
補足資料の後半では、商船三井グループや三井住友信託銀行をはじめとするお客さまから開示のご承諾をいただいた最近のプロジェクト事例を多数ご紹介しています。
いずれも当社の強みであるプロジェクトマネジメント力やデジタル・トランスフォーメーションの知見を活かした取り組みとなっているため、ぜひご覧ください。
私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:稼働率と2026年度のパイプラインの動向について
司会者:「稼働率の動向や、来期に向けてのパイプラインの動向についてお聞かせください」というご質問です。
太田寛氏(以下、太田):代表取締役社長の太田です。稼働率は昨年度の第3四半期で底を打ち、第4四半期には約70パーセントまで上向いてきています。
2026年度のパイプラインについては、需要が引き続き堅調であり、お客さまのDX、新規事業開発、AIの活用といったニーズが底堅く存在しているため、パイプラインを着実に積み重ねています。
質疑応答:昨年度および今年度の稼働率について
司会者:「昨年度、稼働率の低下があったとのことですが、今年度の稼働率の想定はどうなっていますか?」というご質問です。
川澤:先ほど太田が説明した内容と少し重複しますが、昨年度については、通期の稼働率は平均してターゲットを達成していました。ただし、第3四半期に大きなプロジェクトのリリースがあり、それに伴い稼働率が少し低下しています。
今年度についても、ターゲットを達成した昨年度と同水準の7割程度の稼働率を想定しています。
質疑応答:受注計画の案件の規模について
司会者:「会社前提としては、今期、下期並みの外注10パーセント程度の想定をして計画を策定しているとのことでしたが、パイプラインの状況としても、外注を伴わない中規模の案件が多いという認識でよいのでしょうか?」というご質問です。
太田:基本的にそのご認識でけっこうです。もちろん大型案件も狙う部分はありますが、プランとして、外注を比較的多く使う基幹システムの刷新やSaaS案件については、大規模よりも中規模の案件を複数受注していくことを計画しています。
質疑応答:第4四半期の売上高に占める外注比率について
司会者:「第4四半期のみの対売上高外注比率はどの程度でしたか?」というご質問です。
川澤:第4四半期における売上高に対する外注比率は、10パーセントをわずかに下回る程度でした。
質疑応答:採用方針およびAIの進展による影響について
司会者:「採用計画は今期並みとのことだったが、これは純増ベースという認識でよいでしょうか? 採用方針に変化はありますか?」というご質問です。
内山その氏(以下、内山):取締役の内山です。純増ベースという認識で問題ありません。基本的に新卒の採用で成長していくという当社の方針も変わっていません。
これまでもご説明しているとおり、通年でおおむね10パーセントから12パーセント程度の離職を、経験者の採用で補うかたちをとっています。経験者採用が昨年度と同水準という想定ですので、だいたい離職人数の半分以上を補充するかたちになりますが、新卒採用も今年度並みの規模を想定していますので、純増ペースは変わらないとお考えいただければと思います。
なお、AIの進展により採用方針が大きく変わるのではないかというご質問をよくいただきますが、基本的にAIを活用する以上、デジタルネイティブである若手の採用と育成を止めることは考えていません。
経験者も新卒も、極端に多くの人数を採用することは想定していませんが、コツコツと丁寧に質を重視した採用を続けていくこれまでの方針に変わりはありません。
質疑応答:減損処理における個別銘柄について
司会者:「減損処理の対象となった有価証券で、最も損失が大きかったものは何ですか?」というご質問です。
川澤:大変申し訳ありませんが、個別の銘柄を挙げての開示は差し控えます。
質疑応答:離職率について
司会者:「離職率はどの程度で着地していますか?」というご質問です。
内山:先ほどご説明したように、当社は離職率を10パーセントから12パーセント程度と想定してビジネスを運営しており、その範囲の中に収まるかたちで着地しています。
質疑応答:直近のエージェントフィーの傾向について
司会者:「エージェントフィー率などは上昇傾向にありますか? それにつながる動きはありますか?」というご質問です。
内山:最近の傾向として、エージェントフィーが極端に上昇しているという動きは、当社では確認されていません。
質疑応答:伊藤忠商事との連携状況について
司会者:「伊藤忠商事との連携の状況に変化はありますか?」というご質問です。
太田:伊藤忠商事から出資を受けた後、伊藤忠グループと協業してきましたが、最近はお互いの強みなどに関する理解も深まってきています。
伊藤忠グループのいくつかの企業と特に連携を深めており、現在、お互いの強みや距離感のようなものがだんだんとつかめてきていることで、連携が深まり、実際に協業案件も増えています。
質疑応答:2027年3月期の特別損失の想定について
司会者:「2027年3月期の純利益の見通しが約45億円とのことですが、特別損失を除くと、実質的に前年比横ばいとなると思います。一方、営業利益は約9パーセント増益となっている中、2027年3月期についても特別損失を想定されているのでしょうか?」というご質問です。
川澤:一定の特別損失は想定していますが、この影響は主に税金によるものです。
質疑応答:コアコンセプト・テクノロジーとの資本業務提携について
司会者:「コアコンセプト・テクノロジーとの資本業務提携から期待されるシナジーについてお聞かせください」というご質問です。
太田:我々が期待しているシナジーとしては、まずコアコンセプト・テクノロジーは製造業のシステム分野に強い企業であるため、製造業のお客さまにおけるシステム導入プロジェクトにおいて、両社の協業による価値創造を期待しています。
彼らは製品生産系の実行系であるMESやPLM領域の製品を持ち、製造の中心的なパッケージ導入にも強みを持っています。一方、我々は「Fit to Standard」による導入やプロジェクトマネジメントの領域で非常に強みを持っています。
そのような観点から、両社の強みを活かしてお客さまに提供することで、大きな貢献ができるのではないかと考えています。また、それがひいては両社のビジネスにも寄与していくのではないかと思います。
質疑応答:株価に関する考え方について
司会者:「株価が下がっていますが、株価に関しての考え方はいかがでしょうか?」というご質問です。
太田:株価については、ご指摘のとおり下がってきていることを認識しています。私たちとしては、まずは企業価値を向上させることに注力していきます。
しっかりとお客さまに価値をお届けし、結果として企業の業績を上げていきます。株価そのものについては私どもが直接的に言及できるものではありませんが、業績を着実に積み上げることで、企業価値向上に貢献するものと考えています。
そのような観点から、2027年3月期も先ほど示した売上の成長や利益の成長を確実に実現することが、株価にも良い影響を与えていくと考えています。
質疑応答:2027年3月期業績予想の考え方について
司会者:「2027年3月期業績予想における利益成長の考え方についてうかがいます。売上成長率はよいものの、営業利益に関しては保守的な見通しである印象があります。背景について教えていただけますか?」とのご質問です。
川澤:お伝えしたとおり、2027年3月期の売上については前年比で6パーセントの成長を予定しています。ただし、昨年度は連結対象だった子会社がいくつかありましたが、こちらを除いたコンサルティング事業単体では9パーセントの成長を見込んでいます。
営業利益は、同様にそれに付随して設定しており、昨年度比で9パーセント増加し、連動して成長するとしています。
質疑応答:AIが台頭する中でのコンサルティング事業の強みと差別化について
司会者:「AIが台頭する中で、どのように御社は他社と比較して差別化していくのでしょうか?」というご質問です。
太田:先ほど川澤からお伝えしたとおり、私どもはAIの台頭を、我々の強みを発揮する機会であると捉えています。AIが進化し活用が拡大することで、私どもの強みであるステークホルダーマネジメントやチェンジマネジメントの必要性がますます高まります。その結果、人の強みを活かす場面が増えていくと考えています。
我々は創業以来、「変革のシェルパ」を掲げ、実践してきました。
そのような意味で、創業以来の理念を実現する機会や実行する機会が一層増えてくるのではないかと考えています。AIそのものというよりも、それがもたらす変革への取り組みを「シェルパ」として進めていくことが、我々の差別化につながると考えています。
加えて、我々自身がAIを積極的に活用することで、コンサルタントがより高付加価値な取り組みに注力できるよう、徹底的にAIを活用して生産性を向上させていきます。さらに、AI活用によって生まれた時間を活用し、お客さまの経営層が抱える課題を、経営層との対話を通じて解明し、提案した上で「シェルパ」として変革を実現する取り組みを行うことで、我々としての差別化を図っていけると考えています。
質疑応答:2027年3月期以降の稼働率の見通しについて
司会者:「2027年3月期のコンサルタントの稼働率の前提はいかがでしょうか? また、2028年3月期は過去のようにさらに上昇するような局面はありますか?」というご質問です。
川澤:2027年3月期のコンサルタントの稼働率は、昨年同様に70パーセント程度を想定しています。
2028年3月期における稼働率上昇についてのご質問は、2025年3月期のように70パーセント半ばを超える稼働率に改善できるか、という内容かと思います。新入社員が毎年入社することによるデモグラフィーの影響を考慮しても、70パーセント半ば頃の稼働率はやや高すぎるのではないかと考えています。そのため、70パーセント程度の稼働率が適切かつ健全な運用であると考えています。
質疑応答:営業活動と提案活動の回復状況について
司会者:「足元の営業活動受注獲得の活動は前期と変化がありますか? 下半期において提案活動に問題があったとのことですが、現在の回復状況について教えてください」というご質問です。
太田:営業活動については、大型案件の影響でややスローな時期もありましたが、昨年度第4四半期から巻き直しを図り、営業活動は定常状態に戻りました。それに伴い、パイプラインも積み上がってきています。
質疑応答:2桁成長への復帰時期と取り組みについて
司会者:「再度2桁成長に戻れるまでにはどのくらいの期間がかかりそうですか?」というご質問です。
太田:現在、世の中の変化が激しく、先行きが見えない経営環境にあり、不確実性が高まっている状況であることは間違いありません。
当社に限らず、お客さま企業も同様の状況に置かれています。そのような不確実な状況の中で、お客さまは変化に迅速に対応していくことが求められる時代になっているかと思います。
そのような意味では、先ほどお伝えしたように、我々がしっかりとお客さまや経営層との対話を通じてリレーションを深め、お客さまのことを徹底的に理解することで、お客さまの迅速な変革を支援する立場を築き上げていくことが、この不確実な経営環境における我々の成長の基盤になるのではないかと考えています。
ご質問に対するストレートな回答にはなりませんが、そのような不確実な環境の中で、お客さまの変革を支援する立場をしっかりと構築し続けることで、我々の成長へとつなげていきたいと考えています。
質疑応答:今期の大口案件剥落の想定について
司会者:「今期は大口案件の剥落などを想定する必要はないのでしょうか?」というご質問です。
太田:その必要はありません。今回の業績見通しには、大型案件を受注する、あるいはそれを見込む内容は含んでいません。
質疑応答:今期からの方針や施策について
司会者:「今期の事業方針に関して、新たに取り組む組織変化などあればお聞かせください」というご質問です。
太田:いくつかあります。まずお客さまの顧客深耕力を高めること、経営層との対話を深めていくこと、そしてそのための専任組織の設置や、それら活動に集中するシニア人財の配置が挙げられます。
我々の能力と生産性を向上させる観点では、AIを活用することを施策に盛り込んでおり、その環境づくりに特化した専門組織も設立しています。
また、AI以外のテクノロジーも世の中に変化をもたらすドライバーになります。そのような意味で、「ロボティクス&AM シェルパ」という組織を設立しました。この組織は、すでに実用化が進み始めているフィジカルAIやロボットが、ビジネスの世界において変革をもたらすことを見据え、専門的に取り組むものです。これが昨年度から2027年3月期に向けた変化となります。
質疑応答:キャピタルアロケーションの考え方について
司会者:「資本政策に関して、キャピタルアロケーションの考え方はいかがでしょうか? 去年のような自社株買いなどはありますか?」というご質問です。
川澤:従来からお伝えしているとおり、ジェネレートされたキャッシュフローの3分の2を自社株と配当、3分の1を成長に回す方針に変わりはありません。昨年度は自社株買いを積極的に行った結果、配当と自社株買いを合わせて100パーセントを上回る株主還元となりましたが、現在は定常水準に戻していきます。
4月末でいったん自社株買いを終了しましたが、5月から自社株買いを再開する予定です。
配当に関しては、前年同様に26円を予定しています。
質疑応答:AI活用による利益率への影響について
司会者:「AI活用による単価への影響について、利益率拡大の考え方はありますか? 逆にお客さまから値下げのリクエスト等はありますか?」というご質問です。
太田:AIを活用することで、これまで必要とされていた時間を短縮したり、アウトプットを効率的に出したりすることにつながると思います。我々の生産性を向上させる意味で、利益率の拡大にもつながるのではないかと考えています。
一方で、現時点でそのような声が顕著に出ているわけではありませんが、AIの活用が進むことにより、お客さまから値下げ圧力の話が出てくる可能性もあると考えています。これまでの工数ベースの考え方では、このような課題が浮上してくるため、当社の事業方針にも掲げているとおり、成功報酬モデルについて2026年度からより検討を進めており、利益率の維持と拡大を目指していきたいと考えています。
質疑応答:シニア人財の定義と増員強化の方針について
司会者:「シニア人財などを営業にあてる動きは前期の上期頃から取り組んできたと思いますが、ここをさらに今期から増員、強化するという認識でよいですか?」というご質問です。
内山:先ほど太田が述べたシニア人財とは、お客さまとの接点構築や提案のレベルが非常に高く、デリバリーの実績も豊富な経験あるコンサルタント人財を指しています。彼らを、より高付加価値のプロジェクトを提案し、案件を獲得するという活動にできるだけ集中させる取り組みを続けています。
そのような人財をさらに増員・強化するかについてですが、当社は営業社員を大勢確保して顧客カバレッジをひろく拡大するというコンセプトの体制ではありません。そのため、簡単に増員・強化することは難しいと考えています。したがって、まずは現在在籍する人財のレベルを向上させることを重視し、中堅からシニアに当たる人財に、より同領域に貢献してもらうことで、活動の活発化を図りたいと考えています。
経験者採用の方針とも一致しますが、適切な人財がいれば、その質をしっかり見極めて仲間に迎え入れることには積極的ですので、丁寧に見極めていきたいと思います。
