2026年5月29日に発表された、トモニホールディングス株式会社第6次経営計画説明についての内容を書き起こしでお伝えします。
「割安だけでない」金利ある世界での地方銀行・トモニホールディングスの魅力

朝倉智也氏(以下、朝倉):みなさまこんにちは。ウエルスアドバイザーの朝倉です。金利上昇が続く中で注目されている企業群として銀行業があります。このたび、新たな経営計画を発表した銀行として、徳島大正銀行、香川銀行を有するトモニホールディングス株式会社より、代表取締役社長兼CEOの中村武さまにお越しいただきました。
本日は足元の決算状況や今後の成長戦略、株主還元についてお話をうかがいます。中村社長、どうぞよろしくお願いします。
中村武氏(以下、中村):よろしくお願いします。
朝倉:まず、2026年5月14日に2026年3月期の本決算が発表されましたが、徳島大正銀行、香川銀行ともに非常に順調な決算となり、トモニホールディングスとしてもすばらしい結果となりました。足元では金利上昇が引き続き進んでいますが、まずはこの好決算について振り返っていただきたいと思います。
中村:今、好決算というお言葉をいただきましたが、私はこれを「地銀らしい決算」と表現しています。
2026年3月期決算 概要

それはどのようなことかというと、経常利益が243億6,000万円、当期純利益が161億6,300万円となり、経常利益は5期連続で過去最高益を達成し、当期純利益も最高益を記録しました。
したがって「良い決算」と評価していただいたことについては、私どもとしてもそのように受け止めています。しかし、一方で、信用コスト、すなわち与信関連費用が93億9,600万円となり、これは当社の設立以来の従来のピークである78億円を大きく上回る数字でした。それだけの与信コストを計上しながらも、本業利益で十分にカバーし、結果として過去最高益を達成したということです。与信コストの内訳を見ると、会社更生法適用企業への対応も含まれていましたが、私どもとしては、お客さまとしっかり対話を行い、早期に事業再生を図る中で信用コスト、与信関連費用を積み増すといった要因もありました。
このように考えると、地域のお客さまに寄り添いながらしっかりと支援を行い、それに伴う損失を受け入れるという姿勢を貫きつつ、本業利益でこれを補い、結果として過去最高益を達成したのです。この点から「地銀らしい決算」と表現しています。
2026年3月期決算 「金利ある世界」への回帰を収益に

中村:朝倉さまのお話の中に金利上昇の影響とありましたが、全体として金利感応度の高い貸出、すなわち変動金利貸出や、固定金利でも1年以内に期限を迎えるような貸出ということですが、そうした金利を今後適切に変動させられるような貸出のウェイトを着実に高めており、その中で貸出ボリュームも増加しています。言い換えれば、金利上昇の追い風を最大限活用できるようなバランスシートに変えてきており、私自身も一歩先に進んだという感覚を持っています。
このような点もあわせ、金利上昇のメリットを直接享受できる「地銀らしい決算」だと総括しています。
朝倉:先ほどのご説明のとおり、与信関連費用も計上された上で、さらに収益が増加したということは、投資家にとっても今後への期待感が高まるところだと感じます。
さて、同時期に第6次経営計画が発表されましたが、2026年3月末に終了した第5次経営計画においては、すべての目標項目が達成されました。これは非常に難しいことであり、他社の事例をみても珍しい成果だと思います。
一般的には、なんらかの目標が一部未達となることが多い中、すべてをきれいに達成できたのは特筆すべきことです。その点についても、全体像を俯瞰して少しご説明いただけますか?
第5次経営計画の振り返り 目標を上回る実績

中村:おっしゃるとおり、規模や効率性、利益項目など、すべての目標を達成しました。それもただクリアしただけではなく、大きく達成したという意味で、第5次経営計画についてはしっかり取り組むことができたと考えています。
特に大きかった要因は、やはり金利が上がり始めたことです。ただし、単に金利上昇を収益に反映するだけでなく、その最初の局面で、公募増資を行い、内部留保を充実できたというのが非常に大きな成果でした。
私自身、各銀行を訪問して支店長と話をする中で、第5次経営計画の初期段階ではどうしてもリスクアセットが窮屈で、思うように活動できないという印象を受けました。しかし、公募増資でそれが大きく変わり、自信を持って前に進んでいける姿勢が生まれました。すなわち、攻めの姿勢が組織全体に浸透しました。これは非常に大きな成果であり、その結果、第5次経営計画における計数目標全体がうまく達成できたのだと思います。
また、計数目標以外の項目でも、例えば銀行法の改正を活用し、地域における持続可能な社会を構築するための銀行業高度化等会社を設立するなど、新しい取り組みを進めることができました。そのような活動も含めて、定性面でもさまざまな良い効果や実績を残すことができました。
もちろん、最後の年に与信関連費用を多く積んだ点は、1つの反省点と言えるかもしれません。しかし、これは将来を見据えた前向きな早めのバランスシートの調整であり、それも加味して、経営計画の内容をうまく実現できたと考えています。
朝倉:ちょうど1年前くらいに社長と対談した際、公募増資の後にご理解いただけない投資家もいらしたという話がありました。その時、私自身も「ある意味これは前向きな取り組みではないか」という話をしました。
その後、投資家のみなさまが結果を評価してくださる状況が実現されたと感じています。先ほどの与信関連費用についても、ある意味では前向きな費用の処理として捉えられるのではないかと思っています。
中村:そのようなお言葉をいただけるとうれしく思います。ただ、いただいた資本をさらに利益につなげていく必要があり、我々としてはまだ道半ばと認識しています。それでも、かなり早い段階で株価が増資前の水準を回復し、さまざまな意味で投資家のみなさまのご理解を少しずつ得ながら進んでいることを実感しています。
朝倉:決算資料で私が注目しているのは、毎年項目ごとに数字を提示されている点です。PBRやPER、ROEなどが確実に上がっていますよね。
成長するトモニホールディングス 着実な成長の軌跡

中村:当社は2010年の設立以来、2024年までの計数をまとめていますが、地域銀行の平均的な最終利益の伸び率がおよそ2倍であるのに対し、当社は2.7倍の伸びを達成し、これを超える利益を実現してきました。
また、2025年度も過去最高益を記録し、2026年度についてもさらにこれを上回る水準を目指しています。その点で、当社が着実に成長していることを実感しています。
朝倉:トモニホールディングスというと、四国の方にはよく知られていると思いますが、株主や投資家のみなさまの中には、本州や九州、北海道の方々もいらっしゃいます。「徳島と香川が主なエリア」というイメージを持たれるかもしれませんが、実はポートフォリオとしての融資先はそうではありませんね。
成長するトモニホールディングス 広域金融グループとしての強み

中村:もともと私たちは大阪に非常に近い場所にあることもあり、かなり早い段階で大阪に進出しました。一部の店舗は、すでに完全に地元の銀行の店舗のような存在になっています。
現在の全体的なポートフォリオの半分強は四国および対岸の岡山、広島、瀬戸内海沿岸のエリアです。そして、東京、大阪で残りの約45パーセントを占めています。
この点について、ポートフォリオ上の利回りを比較した場合でも、東京と大阪のほうが高い利回りを実現しており、収益面で大きく寄与しています。加えて、リスク分散の観点からも、さまざまな地域にバランス良くアセットを保有していることは非常に良いことだと思います。
朝倉:そこは株主の方々に十分ご理解いただけていると思いますが、これから御社グループの株を購入される方の中には、「四国は人口減少が進んでいるから」というイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思います。ただ、地域金融機関としての役割と責任を担っている以上、当然ながらしっかりと取り組んでいかれると考えています。
また、東京や大阪については、今後さらなる成長が期待できますし、セクターの分散なども地域によって異なると思います。そのため、非常に良いポートフォリオが形成されると考えています。
成長するトモニホールディングス 業容拡大を目指す大阪そして東京

中村:そのとおりだと思います。東京や大阪は、当社のバランスシート上ではそれなりのポジションを占めているとはいえ、各マーケットの規模における当社のプレゼンスはまだ非常に小さいのが実情です。
先ほど、大阪については以前から取り組んできたとお伝えしましたが、それでも関西全体の国内銀行におけるエクスポージャーに対する当社の占有率は1.7パーセントから1.8パーセント程度であり、さらなる成長余地があると考えています。
中村:私も大阪で勤務した経験がありますが、関西経済はもともと国内の2割を占めていたのが、次第に小さくなり、数年前は15パーセント程度になりました。しかし、最近では再びリバウンドが始まっています。
関西経済を見渡すと、万博を契機に、今後はIR(統合型リゾート)の建設も予定されています。実は、このIRに関連して四国も含めた建設業界で人手不足が生じているという話も聞きます。関西地域は非常に活気に満ちた経済活動が展開されており、このエリアで私たちが事業展開できる意義は非常に大きいと考えています。
成長するトモニホールディングス 地元でもしっかりと利益を上げていく

中村:一方、人口が減少している徳島や香川では、預金・貸出だけでは対応が難しい部分があることも事実です。しかし、例えば事業承継については、全国的には後継者のいない中小企業の割合が右肩下がりで減少してきていますが、四国では約55パーセントで、まだ基本的に高水準・横ばいという状況です。
つまり、ビジネスチャンスはまだまだ大きいということです。当社は、地元の中小企業と深いお付き合いをしてきた実績がありますので、これからそれをビジネスにつなげてマネタイズしていく余地は十分にあると考えています。そのような意味では、東京・大阪エリアと地元エリアの両方で引き続き収益を上げていけるのではないかと思っています。
朝倉:冒頭にお話ししたように、金利が上昇することで収益率も上がり、銀行業としては全体的にポジティブな動きが出ていると思います。このように上がっていく過程ではさまざまな課題や可能性が生まれますが、投資家や株主はアップサイドの可能性を注視していることでしょう。
その観点から、社長がお話しになったいくつかの重要なポイントやポテンシャルは非常に意義深いと考えます。それらが第6次経営計画にどのように反映されているのか、その戦略について教えてください。
第6次経営計画について 概要

中村:2026年度から2028年度までの3年間を対象に、第6次経営計画を進めていこうと考えています。我々のキャッチフレーズは「~さあ “トモニ”進もう 次のステージへ~」です。
第6次経営計画について 10年後の目指す姿への進化のフェーズ

中村:第5次経営計画を立てる際、我々は10年間の展望を見据えて戦略を立てようと考えました。そして、10年後にはあらゆるステークホルダーの方々から「やはりトモニを選んでよかった」と認識されたいと考えています。この「あらゆるステークホルダー」の中には、もちろん投資家の方々も含まれています。
そうした中で第5次経営計画がファーストステップであったとすれば、第6次経営計画はセカンドステップとなります。少し角度を上げ、我々の10年後の目指す姿、あるいはパーパスに向けて取り組みを進めていきたいと考えています。このような意味で、第6次経営計画は進化のフェーズであると言えるのではないかと思います。
第6次経営計画について 持続可能な成長を実現する戦略

中村:先ほどお話しいただいた我々の特徴についてですが、これを私は「5つの強み」と表現しています。当社グループは、中小企業向け貸出取引のウェイトが非常に高いです。加えて、広域金融グループであり、地域密着型経営を行っています。また、チャレンジ精神旺盛な行員が多いことも挙げられます。さらに、効率経営という点では現在OHRが50パーセント程度にまで低下しています。
この5つの強みをさらに強化する取り組みを進めながら、変わりつつある日本経済の構造やビジネスチャンスを活かし、利益を生み出すことを基本的な戦略として考えています。
第6次経営計画について 従業員の更なるチャレンジ精神を引き出す

中村:例えば、チャレンジ精神旺盛という点についてですが、我々が利益をしっかり獲得していくためには、従業員がしっかりと働くことが重要だと考えています。そのため、こうした従業員のインセンティブを高めるべく、従業員に譲渡制限付株式を付与する取り組みを始めました。
これは従業員に株主としての目線を持ってもらうと同時に、自分自身の資産にもなることで、強いインセンティブを従業員に付与するものです。この施策を通じて、従業員のチャレンジ精神をさらに喚起し、組織全体にその気風を根づかせたいと考えています。
詳細設計を進め、下期には実際にこの取り組みを開始する計画です。また、私としては、これを経営計画の推進と連動させるかたちで位置づけており、こうした当社グループの強みをさらに強化しつつ、ビジネスチャンスに結びつけることで収益を上げていきたいと考えています。
朝倉:おっしゃるとおり、銀行業界全体には追い風が吹いており、その中で各銀行の特徴が際立ってくると思います。そのため、成長の可能性が期待できる状況です。数値だけを見てもPBRが0.6というのは十分割安だと思いますし、1を超えている銀行も一部出てきています。
投資家の視点では、これから株式を購入する方や株主にとっても非常にポテンシャルが高いと見られます。例えば、今後10年間を見据えた場合、地銀のモデルについて社長はどのようにお考えですか?
第6次経営計画について 地域銀行は事業承継の重要な担い手

中村:特に当社のように中小企業を主要な取引先とする金融機関の場合、基本的には引き続き預金や貸出が中心となると考えています。ただ、地方では経済を持続可能なものにするために必要な担い手が不足しているのも現状です。
例えば、先ほど事業承継についてお話ししましたが、事業承継を実際に行う担い手の数を中小企業の数で割ると、東京や大阪と比較して徳島や香川では明らかに少ない状況です。すなわち、事業承継をサポートできる担い手の数が、承継が必要な企業数に対して少ないということですから、それが大きなビジネスチャンスになると考えています。我々としては、そこにニーズがあると考えています。
また、持続可能な社会を構築していくことを考えた場合、サステナビリティの問題や、最近頻発している大地震などの防災面でもさまざまなニーズが存在します。このようなニーズをしっかり受け止められる組織として成長していくことが、地域金融機関には求められるのではないでしょうか。
そのため、金融を1つの切り口として、総合金融業としての役割を果たし、「よろずお困りごと」を単なる融資だけではなく、さまざまな方法で解決していくことが重要です。そのような組織に私たちがなっていくべきであり、ならざるを得ないと考えています。
朝倉:先ほどご説明いただいたように、従業員に株式を保有してもらう、いわば株式報酬のような仕組みも導入を予定されており、これは採用や人材活用戦略の一環でもあると思います。今後、店舗戦略も含めてAIが我々の社会や事業にどんどん浸透していきます。実際、第6次経営計画の中にもDXやAIの活用が組み込まれています。それに伴い、前向きな行員が多いため、積極的に新しい仕事に取り組んでいくことになると思います。
中村:おっしゃるとおりです。東京や大阪に比べると、地方はさまざまな意味でDXの活用が一歩、二歩遅れているのが事実であり、今後はこれらを活用しなければならないと思います。私たち自身も自分たちの仕事をDXを活用してより生産的に進めようとしています。
また、お客さまに提供する商品についても、ITリテラシーとの兼ね合いを考慮しつつ、利便性の高い金融機関を目指してしっかりと前に進めていく必要があると考えています。まさに従来型の対面(Face to Face)ビジネスを活かしながら、DXをうまく取り入れることで、お客さまにしっかりとしたサービスを提供していくことが重要だと思います。
朝倉:地域ごとのポートフォリオがしっかり構築され、さまざまなセクターに対して取引先を持ち、さらにAIやDXの活用も進めていかれるとのことで、地方銀行の中でも非常にユニークですよね。最近では銀行業界でもいわゆる通信キャリア会社との連携や資本参加が進んでいますし、交通系の会社が資本参加するという動きも見られます。御社グループがこれらの取り組みを直接されるわけではないかもしれませんが、バンキングサービスも含めて、さまざまな展開の可能性があるのではないかと感じています。
中村:やはり世の中は多様化の時代で、さまざまなニーズがあります。それに応じてさまざまな金融機関が登場するというのは、ある意味自然な流れかと思います。我々もそのようなニーズに対して自らが提供することが必要だとなれば、果敢にチャレンジしていくべきだと思います。また、そのような領域で他社とうまく協力することが重要だということであれば、そのようなアプローチもあるかもしれません。
いずれにしても、我々のお客さまや、我々が担っている地域が全体として成長を続けていけるようにすることは、私たちに課された使命だと考えています。そのため、これまで述べたように、あらゆるステークホルダーの方々に「トモニを選びたい」と感じていただける存在を目指しているわけです。これは投資家のみなさまだけではなく、地域の方々やお客さま、従業員、そして私たちが関わるすべての方々を含んでいます。
朝倉:株主の方々にとっては、株価も大きく上がってきており、PBRも1倍に向けて期待感があります。また、インカムゲインとしての配当もしっかりと進められており、このたび、配当性向や総還元性向についても公表がありました。これは非常に期待の大きいものであると思いますが、この点についてもご説明いただけますか?
第6次経営計画について 目指すROE・自己資本比率

中村:もともと「資本コストや株価を意識した経営」という動き自体は、第5次経営計画を進める途中で強く意識されるようになってきました。ただあらためて考えると、これを実現しようと思えば、我々としてはしっかりと経営計画を遂行し、それを実現することで株価や配当につながるようにするのが自然だと思います。そこで今回あらためて整理し、経営計画期間中にROE、自己資本比率、株主の方々への還元方針をセットで明らかにすることにしたのが、1つの大きな特徴です。
少し前提からお話しすると、ROEについては、今世間では8パーセントが目標値として意識されています。我々も投資家の方々と意見交換を重ね、8パーセントを目指すべきと考えています。しかし、直近3年間でどこまで目指せるかを明確化するにあたり、経済状況の難しさを踏まえると、与信コストへの備えやバランスシートの強化も図る必要があるため、この点を考慮しROEは6.5パーセント以上を目標としています。本心ではさらなる上積みを目指したいと考えていますが、経営計画としては、まずはこれを実現していきます。
自己資本比率については、現在おおむね9.5パーセントの水準に達しましたので、これを維持することを前提とします。
第6次経営計画について 株主還元を一段と強化

その上で、配当性向についてはこれまで30パーセント以上としていたものを35パーセント以上に引き上げます。さらに、利益が大きく出た場合には自己株式の取得も含め、総還元性向を40パーセント以上とする方針で、しっかりと株主の方々に還元したいと考えています。
ここに「以上」と付けたのは、万感の思いを込めています。もちろん多くのリスクがあり、慎重に進めなければならない点もありますが、我々はこれまでさまざまな手を打ってきました。それらを実現することで目標以上の数字を目指せるようになりたいと考えています。
朝倉:先ほど社長がおっしゃった「以上」という言葉の意味を、ぜひ株主や投資家のみなさまにも汲み取っていただきたいと思います。世の中には大きな目標を掲げる企業も多く、私たちから見てもかなり挑戦的に感じる場合があります。しかし、社長のお話にあるように、目指すべきROEを達成するためには、まず目先の課題をしっかり乗り越えていくという慎重な姿勢が重要だと感じています。
また、投資家や株主が企業を見るときには、やはり実績が非常に重要だと思います。実績が伴わなければ、いくら大きな言葉を掲げても説得力を欠いてしまいます。その点、御社グループは第5次経営計画において、高い目標を見事に達成されました。この実績があるからこそ、第6次経営計画においても目標達成はほぼ間違いないと期待しています。
第6次経営計画について 計数目標とKPI

中村:経営を担う立場として、さまざまな課題があることは事実です。例えば、当社では現在有価証券が含み損の状態にあり、バランスシートを強化していくためにこの問題は避けて通れないと考えています。
今後、非常に厳しい経済状況が予想される中では、バランスシートの質をさらに高めていくことが重要です。しかし、これまでの実績を振り返れば、当社は順調に成長してきました。経常利益では5期連続で過去最高を更新し続けています。これを6期、7期、8期とさらに継続し、利益を還元していくことが私の責務だと考えています。その還元には配当や総還元性向を通じた株主・投資家のみなさまへの還元も含まれています。
朝倉:2年連続で社長とこのような対談をしましたが、銀行のトップで、なにも見ずにアドリブで話される方はほとんどいないと思います。
中村:そのあたりについては、正直よくわかりません。
朝倉:多くは資料を読んで話されるという感じですからね。
第6次経営計画について 多様な意見を経営に活かす

中村:その点、当社は中小金融機関であるため、特にトップだからといって特別なことをするというわけではなく、全員で考え、全員で努力するという組織だと思います。取締役会でも議論を重ね、傘下の銀行頭取とも情報交換や意見を出し合いながら前に進んでいます。昨日も3人で打ち合わせをしていましたが、今日はこうして対談をしながらあらためて、議論を深められるのは大変充実した、実りある時間だと感じています。
朝倉:徳島大正銀行の板東頭取や香川銀行の有木頭取も、社長とさまざまなディスカッションを重ねていらっしゃるため、相当なプレッシャーを感じつつも、本当に話が活発で彼らにとってもやりがいがあると思います。
中村:トモニグループを設立した際は、当時としては珍しい戦略型の経営統合が背景にありました。ここ数年はお互い競争してがんばることに力点を置いてきましたが、これからは複雑系の時代が到来しますので、再び原点に戻ってシナジーを意識するべきだと考えています。そのため、グループ全体や3人でのディスカッションが出発点になり、なにか課題が発生した際も3人で、あるいは取締役会メンバーと議論を重ねながら前に進めるよう取り組んでいます。
朝倉:今おっしゃったように、中小企業の方々と向き合って話をされたり、行員が株主としての目線で考えたり、いろいろと取り組まれていること、さらに社長自らがこのようにIRでコミュニケーションを取ることはなかなかないと思います。そのような意味で、株主や投資家の方々にとっては非常に心強いのではないでしょうか。
第6次経営計画について パーパスの実現を見据えた経営計画を強力に推進

中村:我々としても、将来的には資本コストを上回る収益やリターンを確保し、それを投資家のみなさまにしっかりと評価いただきたいと思っています。そのためにも、このような説明の場は非常に大切だと考えています。去年もこのような対談をしましたが、お話しすることで自分の考えを再認識し、しっかりとお伝えできることは、私にとっても非常に幸せなことです。
中村:先ほどもお伝えしましたが、当社はあらゆるステークホルダー、特に投資家のみなさまを重要な対象として考えています。その中で、みなさまから「トモニを選んでよかった」と言われるような存在になりたいと思っています。
また、先ほど配当性向を引き上げたとお伝えしましたが、基本的には減配をしない、安定的な配当を維持していきたいという強い思いがあります。長期的に当社グループの活動を支援していただけることは非常にありがたく、ぜひ投資家のみなさまにご関心を持っていただければ幸いです。これからも精進していきますので、引き続きよろしくお願いします。
本説明資料に関するお問合せ先等について

朝倉:今日は社長から力強いメッセージをいただきましたので、株主や投資家のみなさまも安心して、さらに期待感を持って御社を応援してくださると思います。引き続きがんばっていただきたいです。
中村:本日はありがとうございました。
