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タクシー配車「GO」上場は買いか?個人投資家が注視すべき3つのポイントと投資リスク=遠藤悠市

直近の決算|赤字から黒字転換、そして利益成長の加速

業績の流れも確認しておきます。2024年5月期は、顧客基盤を広げるために大規模なマーケティングを打った結果、赤字でした。ところが2025年5月期は、実車数の増加、1実車あたり平均売上の上昇、事業基盤の拡大が重なって一気に利益が乗り、当期純利益20億円で黒字化しています。

<2026年5月期は売上高408億円・経常利益67億円を計画>

今期となる2026年5月期は、売上高が前期比29.8%増の408億円、経常利益が2.5倍の67億円という増収増益の見通しです。すでに第3四半期累計で売上300億円、経常利益54.8億円、四半期純利益58億円まで来ています。

3Q累計なので単純比較は禁物ですが、利益成長の角度はかなり立っています。「テーマは面白いけどまだ赤字」というタイプではなく、テーマ性が強いうえに業績まで追いついてきました。ここに評価が集まると見ています。

アナリストが見るIPO後の注目ポイント|3つの評価軸

ここから、上場後に株価が上がりうるかをアナリスト目線で整理します。ポイントは3つです。

<①国内有力の配車プラットフォームを確立>

1つ目は、配車プラットフォームをすでに作り切っていることです。使えるタクシー約85,000台、累計DL3,500万、平均MAU312万人、年間実車数9,631万回。ここまで来ると新興サービスというより、社会インフラに近い存在です。そのうえ利用率はまだ26%ですから、成長余地も残っています。

<②業績改善が鮮明に>

2つ目は、業績改善がはっきりしてきたことです。2024年5月期の赤字から2025年5月期に黒字転換し、2026年5月期3Q累計で利益成長が加速しています。IPOで一番怖いのは、期待だけ先行して業績がついてこないパターンです。GOは逆で、テーマの強さに業績が後から追いついてきました。市場としては評価しやすいでしょう。

<③配車の先にある拡張性>

3つ目は、配車の先に広がる拡張性です。2024年12月にはWaymo・日本交通と戦略的提携を結び、東京で自動運転の実証を進めています。これに加えてGO Chargeを軸にしたEV関連、さらに物流まで、将来的には移動インフラ全体へ伸びる可能性を持っています。この“先の夢”があるからこそ、ただの配車アプリではなくモビリティプラットフォーム企業として見られやすいのです。

GOのIPOに投資する際の注意点|大型案件ならではのリスクを把握する

<需給は重い|国内外合計3,693万株の大型案件>

ただし、手放しで買える案件かというと、そうではありません。まず需給が軽くありません。今回のIPOは公募なしの売出のみで、売出株式は国内外合計で3,693万6,900株(国内859万8,800株+海外2,833万8,100株)、オーバーアロットメントが354万6,000株。吸収金額は約951億円にのぼる大型案件で、小型IPOのように需給だけで跳ねるタイプではありません。

しかも公募増資ではなく既存株主の売出中心で、DeNA・KDDI・電通・デンソー・豊田通商などが売り手に並びます。オファリングの約8割は海外投資家向けです。大型であること自体が悪いわけではありませんが、短期の初値妙味で見ると、需給の重さは無視できません

<競争・規制・ドライバー不足という持続的リスク>

競争環境も見ておきたいところです。配車アプリ市場には有力プレイヤーが複数いて、ライドシェア解禁などの規制変更がGOのビジネスに効いてくる可能性もあります。そして本質的なリスクがドライバー不足です。配車需要が伸びても、供給が追いつかなければ成長は鈍ります。需要だけ見ればいい銘柄ではなく、供給・規制・競争まで合わせて見る必要があります。

まとめ|GOのIPOは業績・テーマ・拡張性の三拍子が揃った注目案件

GOは、規模・業績・テーマ性のどれを取っても強い銘柄です。一方で需給は重く、競争や供給の不安も抱えています。だからこそ「有名だから買う」IPOではなく、大型グロースIPOとして中身を見極めるべき銘柄だと言えます。

すでに大きな配車基盤を持ち、黒字化も果たし、その先に自動運転・EV・物流という拡張性があります。この3点は素直に魅力的です。初値次第では、セカンダリーでも十分に面白い存在になるでしょう。

image by:Ned Snowman / Shutterstock.com
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本記事は日本投資機構が運営する金融メディア『INVEST LEADERS』からの提供記事です。
※タイトル・リード・見出しはMONEY VOICE編集部による

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