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タイミー、上方修正後の売上高レンジ上限を超過 12ヶ月換算で25.7%成長、守りから攻めへ

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2026年6月11日に発表された、株式会社タイミー2026年4月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

守りから攻めへ

小川嶺氏(以下、小川):株式会社タイミー代表取締役の小川です。みなさま、大変お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。これより、通期決算説明会を始めたいと思います。

あらためて申し上げますと、現在のタイミーの株価は軟調に推移しており、株主のみなさまのご期待にまだ添えられていない点について、大変申し訳なく感じています。

そのような中で、今日は守りから攻めに転じる準備がかたちになってきましたので、その点を重点的にお話ししたいと思います。

まずは、私から現在会社で注力していることについてお話しし、続いて八木より数字面についてご説明します。

スライドに記載されているとおり、「守りから攻めへ」として、これまでの仕込みの時期にさまざまな新規事業に挑戦してきました。またスポットワークに関しても、多くの競合がいる中で、競合に対してどのような優位性を構築するかという開発を進めてきました。

既存事業と新規事業の両方で堅実に進めてきた結果、これらの土台がしっかりと固まってきました。今後はトップラインの成長に向けて、より攻めの姿勢に転じていこうと会社全体が進化しています。本日は、このような部分についてお話しできればと思っています。

スポットワークをより深くより広く浸透

現在、私たちの営業組織は全国で800人に迫る規模となっています。

北海道から沖縄まで幅広いエリアで活動していますが、各業界におけるスポットワークの浸透度や理解度、さらにスポットワークを利用して実現したい目的が業界ごとに大きく異なることをあらためて認識しています。

そのため、各業界により深く向き合うメンバーを育成する必要があると考え、物流、小売、飲食、介護福祉、その他の分野ごとや規模に応じて、組織体制を特化・変更していく方針をとっています。

大規模に関しては、単月売上1億円のポテンシャルがある企業のみを担当する組織となっており、その企業だけを担当する体制を整えることができました。

中規模に関しては、営業プロセスをしっかり型化しながら、数社から数十社を担当します。テックタッチだけに頼らず、対面での接点を持ちながら、人と人とのつながりで介在価値をしっかりと生み出していくことに取り組んでいます。

大規模および中規模に注力するため、小規模についてはこれまで研究開発を進めてきたAIの活用でしっかりと成果を挙げました。

小規模クライアント向けの営業組織はこれまでほとんど存在していませんでしたが、新たにAI活用の部署を設立し、より多くの会社に一斉にアプローチできる仕組みを構築しました。さらに、直接の接触を必要とせずに自走できる仕組み作りにも成功しました。

その結果、営業1人当たりの生産性が前年同期比で約2倍に向上しています。このように、大規模、中規模、小規模、そしてそれぞれのインダストリーを深掘りする取り組みにより、スポットワークが活用可能な市場規模(TAM)を広げていきたいと考えています。

AIを通じた手厚いクライアントフォローに向けた取り組み

小規模事業者に対して個別に営業を行うのは難しい状況ですが、タイミーはすでに20万社以上の導入実績を持っています。

「こういう企業ではこう使うべき」「こういう求人を出すべき」といったパターンが型化されており、それを店舗名やその他の情報をもとにAIがサジェスションを提供することで、求人原稿作成の基礎を構築しています。

スライド右側にあるようなマニュアルも、すべてAIで自動作成できるようになっています。マニュアルがない小規模のお店でも、このようなマニュアルを作成し、タイミーを通じて働かれる方に対して「これを見てください」と言えば、オンボーディングが進められる仕組みをすでに構築しています。

例えば、スーパーマーケットでは品出しやレジ業務にご利用いただくことが多いのですが、よりタイミーを有効活用している企業では、生鮮コーナーでの魚の三枚おろしに活用いただくなど、新しい業務での利用が増えてきています。

「あなたの会社に近い会社はこのような使い方をしています」とAIが提案し、1店舗当たりの単価や募集人数を広げていく活動が始まっています。これにより、省力化を図りながら拡大できるスキームが整っています。

スポットワークに関しては、まだまだ成長の余地が多く、日本は中小企業が全体の90パーセントを占める構造になっています。そのため、しっかりとこの分野に力を注ぎ、成長を推進していきたいと思っています。

ワーカーの頑張りを後押しするデータ

タイミーが保有するデータについてあらためてご説明します。タイミーでは、利用者が働く中で「Good」「Bad」といった評価が付与され、ユーザーがどこでリピートして働くのか、生活圏内に関するデータなど、さまざまな情報が蓄積されています。

さらに、無遅刻・無欠席などの行動履歴もしっかりと記録されています。現在、このデータを基に作成されるタイミー履歴書の展開にも注力しています。

スライドは、取締役CFOである八木のタイミー履歴書になります。八木は18回タイミーで勤務しており、非常に高いGood率を保持しています。また、さまざまな企業から好意的なレビューを受けています。そのため、この履歴書は「この人は安心できる」という信頼性を強調し、リファレンスチェックに近い役割としてアップデートを続けています。

私たちは、このデータを活用することで、スポットワークだけでなく、新卒、中途、アルバイト採用といったトータルHRプラットフォームへの進化を軸に、新規事業を創出していきたいと考えています。

可能性の拡張、進化するプロダクト

プロダクトの進化についてご説明します。タイミー創業以来、一切変更されていなかったアプリのタブの部分において、新たに「おさそい」タブをリリースすることを現在社内で検討しています。

「おさそい」タブでは、タイミーを通じて働くことで個人の信頼が蓄積され、その信頼に基づいてさまざまなオファーが届く仕組みを構想しています。わかりやすく言えば、アプリ内で「私たちの会社に転職しませんか?」というオファーが届くことを目指したいという状況です。

タイミーを通じて働くことで、がんばっている方が報われる社会を作り上げていくことに、私たちは全力で取り組んでいきたいと考えています。

積み重ねた「信頼」を活用した事業展開の本格化

すでに足元で進めている事業が2つあります。そのうちの1つがタイミーキャリアプラスです。入社1名あたり年収の30パーセントの紹介料をいただく中途採用の斡旋事業を展開しています。

実際、前期比で3.5倍の成長率を達成しており、非常に順調に立ち上がっています。この事業についても、売上成長を牽引するほどの大きな規模になる可能性があると期待しています。

従前から、飲食業界のYoYを改善する目的も含めて開発を進めてきた長期アルバイト採用サポートプランについては、本格的に今夏にリリースされることが決まっています。すでにご活用いただいている企業さまから大変好評を得ており、詳細については後ほどご説明します。

タイミーキャリアプラスの進化

タイミーキャリアプラスは、中途斡旋事業としての位置付けとなります。一見すると労働集約型のように見えるかもしれませんが、私たちは現在3つのモデルを構築しています。

1つ目は、キャリアアドバイザーモデルです。求人案内から内定承諾までをキャリアアドバイザーが伴走するという、従来の人材紹介業と呼ばれる領域が、まさにキャリアアドバイザー領域に該当します。

私たちが現在挑戦しているのは、3つ目のダイレクトリクルーティングプラットフォームです。すべてアプリ内で、働き手が企業に応募し、そのまま内定承諾まで進めるという自走型モデルの実験を行っており、すでに数十人の内定が出ています。

先ほどお話しした「おさそい」タブが実装されれば、この部分で人を介することなく自動でマッチングが行われ、正社員の斡旋が自動的に進む仕組みが実現すると考えています。この取り組みについて、ぜひご期待いただければと思います。

一方で、正社員への転職を1人で決めることに不安を感じる方もいらっしゃると思います。そのため、ハイブリッドな体制として応募意向だけをいただき、そこから少し背中を押すようなサポートを行うモデルも用意しています。これにより、従来のキャリアアドバイザー業務の生産性を倍以上に高めることを目指しています。

ハイブリッドの取り組みは順調に立ち上がっており、将来的にはキャリアアドバイザーのみはなくなっていき、ハイブリッドおよびダイレクトリクルーティングプラットフォームのサービスが中心になっていく見込みです。非常に生産性の高い中途の紹介事業として確立していくのではないかと思っています。

積み重ねた「信頼」が報われる社会

私たちが取り組んでいることは、タイミーを使って「はたらく機会」を得ていただくことです。その中でがんばって働いていただければ、「Good」評価、無遅刻といった信頼データが積み上がっていきます。

さらに、タイミーを利用することで、企業から「ぜひ来てほしい」と信頼を得る機会が生まれ、それを次の仕事に活かしていくことが可能です。その結果、個人だけでは到達できなかった働く可能性を広げる媒体として、タイミーは役立つ存在になれると考えています。

AIやロボットの時代において、人間がどのように働くべきかという働き方に関する議論がますます広がっていくと考えています。タイミーの業務のうち、99パーセントはブルーカラー領域の仕事であり、労働集約型産業に取り組む私たちだからこそ可能な事業だと思います。

この取り組みを売上への貢献にしっかりと結びつけながら、既存事業と新規事業の両方を成長させていきたいと考えています。

FY26/4通期(6ヵ月間) 連結実績の総括

八木智昭氏(以下、八木):取締役CFOの八木です。2026年4月期通期についてご説明します。なお、こちらは6ヶ月の変則決算となりますが、概要についてお話しします。

6ヶ月間の2026年4月期連結決算の実績をスライドにまとめています。売上高は表に示すとおり、計画対比レンジで開示していた上限を超過し、非常に好調な推移が結果に表れました。

営業利益は38億1,200万円で、レンジ内での着地となっています。利益率については前年比でやや下回ったものの、前四半期に説明したとおり、戦略的な投資によるトップラインを作っていく仕込みの時期であったためです。

仕込みのための投資の結果、利益率が一部で下回りましたが、計画レンジ内での着地を果たしており、会社として意図したとおりの結果と振り返っています。

当期純利益は計画レンジを下回る結果となりました。これは、昨年発表した韓国でスポットワークを展開している企業Needer社の減損を3億5,000万円計上したことが要因です。この特別な要因により、当期純利益が計画を下回るかたちでの着地となりました。

一方で、本業であるコア事業の推移については、当社として非常に順調に進んでいると認識しています。

連結業績推移(売上高・営業利益)-5月から翌4月までの12ヵ月換算-

売上高と利益の推移についてご説明します。決算期の変更に伴い、決算月が10月から4月へと移行したため、今回は6ヶ月間の期間となります。

ただし、昨年についても4月決算としてカレンダライズを行い、12ヶ月決算との比較を示すことで、通期の結果がよりわかりやすくなるように推移を掲載しています。

2025年5月から2026年4月までの12ヶ月換算では、売上高は388億3,500万円、成長率は25.7パーセントを達成しました。利益についても、営業利益が72億9,500万円、成長率が26パーセント弱となり、売上高・利益ともに高い成長を維持していると考えています。

利益率については前年同期比でフラットとなりましたが、これは戦略的な投資を続けていた結果であり、意図したかたちでの着地となっています。

連結業績推移(コスト)

コストについて、前四半期の内容をスライドに掲載しています。戦略的な投資を主にマーケティング分野で行っているため、スライド左側のチャートの黄色でハイライトされている部分が、前年の第2四半期と比較して数ポイント増加しています。

Field Manager施策を導入することで、派遣からタイミーへ切り替え、多くの募集を出していただいています。その中で稼働率を高く維持するために、ワーカーマーケティングを展開しています。

新規に業界を開拓している介護福祉業界では、有資格者の獲得を中心にワーカーマーケティングを積極的に投入した結果の数字となっています。

売上原価については、一部で前年同期比で上昇していますが、これはタイミーソリューションズ(旧スキマワークス)を連結した結果によるものです。

FY26/4 通期(6ヵ月間)連結実績 サービス毎

6ヶ月の連結実績については、サービスごとの数字をスライドにまとめています。お時間がある際にご覧ください。

スポットワーク 深刻な人手不足を背景とした順調な売上高の拡大

売上高とそれに紐づくKPIについて、業界ごとの推移をご説明します。全体としては、第1四半期で好調な結果を出し、上方修正を行いました。先ほど触れたとおり、その上方修正後の売上高のレンジをさらに超える結果となり、好調を維持しています。

特に物流・小売業界については、全体を牽引するかたちで、成長率が前年同期比で加速しています。この好調は足元でも続いており、今期についても継続すると考えています。そのため、しっかりとリソースを割き、この成長率を維持していきたいと思います。

飲食業界については、依然としてマイナス成長を脱していない状況ですが、マイナス幅は着実に縮小しており、売上高は前年比で1.5パーセントの減少まで縮めることができています。

介護福祉業界については、高い成長率を維持しています。

スポットワーク スポットワーク手数料はYoYで成長加速

毎回公表している前年比の成長率では、第1四半期で反転し、第2四半期ではさらに第1四半期の成長率を加速させています。売上高の成長率を維持することが至上命題となる中、加速が図られ、好調な状況が続いていることが、この数字からも明らかです。

スポットワーク 主要KPI:全社ベース

具体的なKPIについてです。流通総額、アクティブアカウント数、AA当たり流通総額の指標を全社ベースで開示しています。大きなトレンドの変化はありませんが、1つのポイントとして、AA当たり流通総額が前年同期比6.2パーセントのプラスとなりました。アクティブアカウント数の増加と単価の伸びが相まって、高い成長を実現できた背景となっています。

スポットワーク 主要KPI:物流業界

物流業界におけるAA当たり流通総額は長らく低下していましたが、初めてプラスに転じました。これは、まさにField Manager施策を含め、ポテンシャルの大きい大手クライアントに営業リソースをしっかり投下し、派遣からタイミーへの切り替えを進めた結果です。

さらに、1企業を深掘りする取り組みが奏功し、AA当たり流通総額の改善につながり、今回のプラス成長を達成したと考えています。

スポットワーク スポットワーカーの受入負荷軽減・生産性アップに向けたソリューション

具体的な施策としては、従前からお話ししている受入負荷軽減プロジェクト、つまりField Managerや受け入れサポーターの取り組みがあります。

それに加え、スライド左側に記載した2つの施策、習熟度の可視化であるスマートグループ機能や、習熟ワーカーの稼働制限解除を実施することで、1企業への深掘りがより加速し、その成果が数字として現れています。

スマートグループ機能は新たに開発されたプロダクトであるため、簡単にご紹介します。

これまでお気に入りワーカーのグループ化は企業がマニュアルで行っていました。現在は、プロダクトの力でワーカーの習熟度を可視化し、「このような人が欲しい」「このような人に来てほしい」といったニーズに基づき自動的にグループが作成されます。

そのグループに対して限定的に募集を出すことが可能となり、生産性向上が実現します。スポットワークにおいて、毎回初めての人や習熟度が低い人が来ることで生じるボトルネックが大きく改善されました。

現在では、スポットワークでも経験豊富で受け入れの負荷がなく、さらに働きぶりのよい人がリピートして来てくれる状況に変わりつつあります。

スポットワーク 主要KPI:小売業界

小売業界についても非常に好調です。従前からAA当たり流通総額が前年同期比でプラスとなっており、今四半期も約8パーセントの増加となっています。このため、アクティブアカウント数の増加とAA当たり流通総額の伸びが相まって、流通総額が高い伸びを実現しています。

サブインダストリーにおいては、引き続きドラッグストアが好調です。小売業界はこれまではコンビニエンスストアやスーパーが中心でしたが、サブインダストリーの開拓が進み、売上高の成長に貢献しています。

スポットワーク 主要KPI:介護福祉業界

介護福祉業界についてです。現在、新規開拓を進めているところですが、アクティブアカウント数が成長の主な要因となり、約2倍の成長を実現しています。

稼働率に一部ボトルネックがあるものの、プロダクト開発は順調に進捗しています。営業開拓、ワーカーの獲得、マッチングの改善の3つ全方位でしっかりとリソースを投下し、高い成長を維持していきたいと考えています。

スポットワーク ベネッセキャリオスとの戦略的業務提携(介護福祉業界)

介護福祉業界について、1つご紹介したい点があります。従前から開示していましたが、このたびベネッセキャリオスとの戦略的業務提携を発表しました。

詳細についてはスライドに記載のとおりですが、両社の持つ資源やノウハウを統合することで、介護分野におけるスポットワークをさらに加速していく方針です。両社のリソースを統合し、一気にこの業界の開拓を進めていきたいと考えています。

具体的な連携内容については、事業者向けにはタイミーの導入支援を確実に行います。介護業界は専門性の高いバーティカルな分野であるため、この業界で長い歴史を持つベネッセグループのノウハウを集約し、タイミーの導入支援を行っていただく予定です。

また、ワーカー向けには資格取得やスキルアップの機会を提供し、ベネッセのeラーニングサービスなどを活用してしっかりと支援していきます。このように、現在も進行中の業界開拓をさらにスピードアップする座組みが整ったと認識しています。

スポットワーク 主要KPI:飲食業界

飲食業界についてです。先ほどお伝えしたように、前年同期比のマイナスがまだ続いていますが、ほぼプラスに転じる水準まで改善されてきていると考えています。

この状況は、すでに1年ほどマイナス成長が続き、一巡していること、またコスト抑制が飲食業界のマイナス成長の1つの要因であったことが背景にあります。

タイミーは、コスト削減という視点ではなく、経営課題に向き合いながら人材活用を行うことで、売上の向上や事業拡大のための重要なツールになっています。

このようなソリューションの提案をすることで、飲食業界でのタイミーの認識が大きく変わり、積極的に活用されるようになっています。このような変化も相まって、飲食業界の成長率が改善傾向にあると感じています。

スポットワーク 安定して高い稼働率を実現

稼働率は大きな問題なく、高い水準を維持しています。前年同期比では1ポイント弱悪化しているように見えますが、第2四半期は閑散期であり、例年稼働率が高くなる傾向があります。

一方でうれしいことに、閑散期でも募集数が大きく増加しました。そのため、稼働率が一部下がったように見える要因となっていますが、高い稼働率を維持しているため、特段問題はないと認識しています。

長期アルバイト採用サポートプラン:今夏に正式リリース

小川:長期アルバイト採用サポートプランについてご説明します。現在、飲食業が改善の兆しを見せている中で、こちらのプランもPoCが順調に進んでいます。クライアントからのコメントをぜひ共有したいと思い、スライドを用意しました。

2026年の夏にプライシングを含め正式にリリースする予定ですが、すでに100店舗以上でご活用いただいている状況です。スライドに記載のとおり、長期アルバイト採用サポートプランにおいて多くの採用が実現しています。

具体的な事例として、スライド下から2つ目に記載の企業では、求人媒体を使用してもアルバイト応募がなかなか来ない状況が続き、求人掲載を止めると現場からの不満が上がるため、求人費用を使い続けざるを得ない状態でした。

このような中で人事部の方とお話を進め、採用単価が非常に高く悪化している現状に対して、今回のプランを提案しました。結果的に大変喜ばれ、その店舗で長期アルバイトの人員が充足するかたちとなりました。

当社は、全国で1,400万人以上のワーカー登録者を持つ非常に強力なネットワークを備えており、その強みをあらためて実感しています。スポットワークだけでなく、求人媒体領域、派遣領域、人材紹介業としての中途や新卒採用など、さまざまな分野に広げていきたいと考えています。

長期アルバイト採用サポートプラン:採用困難店舗に重点的にアプローチ

採用が困難な店舗において、求人媒体では採用できないのに、なぜタイミーが可能なのかというと、求人媒体はどうしても人気のある求人に偏ったり、時給で選ばれる傾向があるためです。一方で、タイミーは先着順という仕組みを採用しています。人気の求人が埋まったら、他の求人へ応募する流れとなり、採用困難店舗が生まれづらくなります。

また、過去に働いた利用者の口コミがしっかりと残されており、それが時給だけでは判断できない部分での安心材料となっています。

実際に働いて現場を確認し、「ここで長く働きたい」という意向を示す形式となるため、離職率が低く、ミスマッチの少ない状況を作り出すことができています。この点について、非常にご好評をいただいていると感じています。

新規事業の進捗:ステージゲート制度

タイミーは現在、既存事業に集中しつつ、データアセットを活用してさまざまな事業を創出しようとしており、ステージゲート制度を導入しています。

ステージゲート制度は、Tier3、Tier2、Tier1とステージゲートが分かれています。Tier3では、ほぼ1人で事業を立ち上げるというフェーズです。ここではAIなどを活用しながら1人でビジネスを構築し、初めての顧客を見つけ、価値検証を行っていきます。

その価値検証が成功し、「しっかりとリソースを割けばある程度広がりそうだね」となれば次にTier2に進みます。Tier2になると、社内公募で人材を集めることが可能となり、予算が割り当てられて事業計画を策定するフェーズに進んでいきます。

この運用はまだ開始から1年も経っていない状況ですが、すでに多くの事業がTier3として進行しています。その中でTier2に進んだ事業としては、先ほどお話しした中途採用のタイミーキャリアプラス、長期アルバイト採用サポートプラン、請負・業務委託に関する事業が挙げられます。

このようにステージゲート管理を活用しながら、最適な人材やリソースの分配を行い、成長が見込まれる事業には積極的に投資しています。これが経営ガバナンスの重要なポイントであり、当社が現在注力している分野です。

既存事業だけでなく、新規事業においても全力でアクセルを踏んでいきたいと考えています。

新規事業の進捗:Fintech

八木:今回、決算説明資料とともに、タイミーがフィンテック分野、いわゆる金融事業に取り組むことについて開示を行いました。

この度、NTTドコモと住信SBIネット銀行と、金融領域における業務提携に関する基本合意書を締結しました。タイミーを活用する働き手の方を中心に、さまざまな方々に向けた金融サービスの実現に向けた協議を本格化していく予定です。

先ほどもお伝えしたとおり、タイミーのプラットフォーム上には信頼データが次々と蓄積されています。この信頼データを金融領域でも活用していこうという意図があります。

これに合わせて、来月7月に金融関連ソリューションを主に行う子会社として、タイミーフィナンシャルという会社を設立する予定です。

簡単に金融事業の背景をご説明します。タイミーはスポットワークを中心に事業を展開しており、登録ワーカーは1,400万人を超えています。また、46万拠点の登録クライアントにもサービスが利用され、日々拡大を続けています。

タイミーでは、即時振り込みを行う中で、特に働き手のユーザーの短期的な金融ニーズの高さをあらためて実感しています。

また、働き手の方々が将来の経済的不安に直面し、新しい挑戦に踏み出したいと考えても、経済的な制約によりそれが実現できないという現実を、多くの事例から目の当たりにしてきました。

タイミーとして何ができるのかを模索する中で、タイミーには累計5,500万件以上の蓄積された信頼データがあり、プラットフォーム上では年間で1,300億円を超える流通総額の給与受け取りの接点があります。 

こうした資産を活用し、新しい金融サービスを提供することによって、経済的な制約や不安から一歩を踏み出せない方々に、働く機会や人生の可能性を広げる選択肢を提供できるのではないかと考え、金融事業を行うべきだという結論に至りました。

一方で、タイミーが単独でこれを実現するには、金融の基盤や働く以外の日常的な接点に関するデータが不足しているという課題があります。 

そのため、今回NTTドコモと住信SBIネット銀行との業務提携を決定しました。NTTドコモは約1億人規模の会員基盤を持ち、決済や通信キャリア、ポイントといった顧客接点を有しており、さらに住信SBIネット銀行はBaaSなどの金融ソリューションを提供しています。

これらの強力なパートナーシップにより、タイミーが描く未来のビジョンを一層早期に実現できると判断し、今回の提携に至りました。

こちらは、短期的に結果がすぐに出るものではありません。しっかりと中長期的にこの事業を第2の柱に育てられるよう、パートナーシップや体制を活かしながら、事業を拡大していきたいと考えています。

FY27/4 連結業績予想

通期の業績予想についてです。数字面を中心にご説明します。2027年4月期の連結業績予想は、スライドのとおりです。今回も、上期および通期の予想値を提示しています。

連結については、通期でレンジ開示とし、売上高を476億1,300万円から488億2,300万円、営業利益を88億2,100万円から97億4,600万円と見込んでいます。その中でも大多数を占めるスポットワークについて、具体的なシナリオを含めてお話しします。

スポットワーク:売上高の考え方

スポットワークについて、売上高の考え方を上期・下期に分けてご説明します。

基本的な会社の意思としては、成長率をしっかり維持しつつ反転を図ることを考えています。スライド左側に記載されているとおり、成長率は確実にキープし、下期については改善を目指す方針です。グレーの部分には、前期比での売上高の増加幅が示されています。

ご覧いただければわかるとおり、上期・下期ともに売上高の増加幅は着実に伸びていく見通しです。具体的なシナリオは、スライド右側に記載のとおりです。基本的には、主に物流・小売が牽引するかたちで、前期比成長率が安定して推移し、大きな下落がないと考えています。

特に下期では、介護福祉分野において、ベネッセキャリオスとの業務提携の効果や、戦略的投資の影響がしっかりと数値に反映されることを見込んでおり、これらを考慮に入れた計画を立てています。

上限については、物流分野で大規模クライアントの深掘りが想定以上に成果を上げることや、小売・飲食分野での大規模クライアント向けソリューション提案が順調に育成され、スポットワークが拡張・拡大していくことを織り込んでいます。

一方、下限については、タイミー独自の要因ではありませんが、中東情勢といったマクロ環境における悲観的なシナリオを考慮しています。具体的には、消費マインドの低迷や、特に物流分野における供給制約による募集数の減少を下限として織り込んでいます。

スポットワーク:費用の考え方

利益と費用の考え方については、スライドをご参照ください。基本的に、上期は利益率がそれほど高くありませんが、下期にかけて大きく改善していく見込みです。

利益成長率についても、下期においてはかなり高い成長率が期待され、通期でも一定の高い成長率を維持できると考えています。

特に上期について、スライド左下に積極的な戦略的投資と記載していますように、Field Manager施策や介護福祉業界への投資を引き続き行っていきます。投資を行えばしっかり数値として出るというのがわかっているため、しっかりと投資を進めていく計画となっています。

スポットワーク 業界別戦略

業界別の戦略については、繰り返しになるため、すべてのご説明は割愛します。

物流・小売業界は基本的に好調な状況にあり、既存の大手クライアントに対する深掘りと、それぞれの業界向けソリューションをしっかりと進めていく方針です。

飲食分野においては、今年の夏から長期アルバイト採用サポートプランをクロスセルで本格的に展開し、売上の拡大に向けて取り組んでいきます。

介護福祉業界においては、稼働率の改善に注力することに加え、ベネッセキャリオスとの業務提携を通じ、スピード感を持って介護業界の開拓を進めていく方針です。

スポットワーク以外:タイミーキャリアプラス、タイミーソリューションズ等

スポットワーク以外では、タイミーキャリアプラスおよびタイミーソリューションズを挙げています。新規事業は順調に立ち上がっています。

タイミーキャリアプラスに関しては、冒頭で小川からお話ししたとおり、ダイレクトリクルーティングにリソースを集中する一方、売上高も着実に伸ばしていく計画です。

タイミーソリューションズについてはシナジーが生まれ、請負の受注が拡大しており、売上高において非常に高い成長が期待されています。

費用については、規律を持ったかたちで損益管理を行いながらも、トップラインの成長を最優先するフェーズにあるため、引き続き赤字を計上する予定です。

スポットワーク手数料以外の売上高はすべて「スポットワーク以外」で開示

今回、スポットワーク手数料以外の売上高については、スポットワーク以外のカテゴリへ移行し、各事業の計上定義を明確化しました。

これまでは、スポットワークにはスポットワーク手数料以外にField Managerの派遣料や、長期アルバイト採用サポートプランの売上も含まれていました。

しかし、売上高が大きくなってきていることから、スポットワーク以外のカテゴリにしっかりと振り分けることとし、スポットワークについては手数料のみの純粋なかたちに変更しました。

質疑応答:介護事業の流通総額と営業拡大方針について

質問者:介護事業における流通総額の考え方について整理をお願いします。現在立ち上がっている最中ですので、流通総額の変動幅が大きく出る傾向があるかと思います。

第1四半期と比べて良くなっているとのことですが、AA当たり流通総額においては第1四半期の8万1,000円が底となり、そこから1事業者が利用する規模が大きくなってくるという認識でよいのでしょうか? それとも「ビジネスモデル上このぐらいかな」といったニュアンスで捉えられているのでしょうか?

小川:初期段階ではエンタープライズ企業に集中し、大規模施設を営業戦略として意図的に狙っていました。しかし、ご指摘のとおり、現在では事業の拡大に伴い、中小企業を含めたさまざまな規模の施設にも営業を広げています。

そのような中で、BPRを通じて、有資格者のマッチング以外にも、無資格者による清掃などの業務にもタイミーの活用が広がってきており、安定してAA当たり流通総額が増加しています。基本的には業務をさらに分解し、ここの単価を上げていきたいと考えています。

質疑応答:計画における増収率の控えめな見通しについて

質問者:終わった期に関して、第1四半期、第2四半期と増収率が高まっています。それに対して、FY27/4ガイダンスの売上レンジ上限における伸び率が少し控えめな印象を受けたのですが、これは上限計画の中でなにかリスクを織り込んでいる部分があるのでしょうか?

八木:現在のトレンドからすると、もっと伸ばせるのではないかという見方もあるかもしれません。しかし、さまざまな情勢を考慮する必要があります。

スライド右側の下限部分に中東情勢と記載しているように、マクロ環境が依然として非常に不透明な状況です。また、目標をあまりにも高く設定しすぎて、結果的に達成できなかった場合には、それが良い結果を生むとはいえません。

そのため、上期については見通しが一定程度あるものもありますが、しっかりとバッファーを設け、レンジを設定しています。

下期については、バッファーを設けつつ、現在仕込んでいるものが形になると、もう少し成長し、さらに上を目指せる可能性も十分にあります。一方で、まだ予測が難しい部分もあるため、レンジを設定しています。

増加幅については、上限レンジでは37億円から42億円と大きく増加しており一定の増加をベースとしていると捉えていただければと思います。

質疑応答:長期アルバイト採用サポートプランの影響について

質問者:長期アルバイト採用サポートプランについて、手応えを感じているとのご説明がありました。ただし、場合によってはスポットワークからアルバイトにシフトすることで売上が減少する可能性、いわゆる諸刃の剣的な側面があるのではないかと考えています。

この点について、現状ではどのようにお考えでしょうか?

小川:まさに非常に重要なポイントだと思っています。この事業を立ち上げる際には、既存のスポットワークの収益が下がってしまうのではないかという懸念がありました。そのため、モニタリング環境を構築し、実際に前年同期比や月次ベースで求人が減少するかどうかを検証しました。

その結果、驚くべきことに、逆に求人が増えるという結果も出ており、トータルで見ると変わらないという結論に至っています。もちろん、規模が拡大する中で変化の可能性はありますが、現時点の初速では変わらないという判断になっています。

このプランを契約いただくと、優先的にアルバイトを探している方とマッチングする仕組みになっているためです。これにより、例えば店舗側で従来は月に5回や6回しかタイミーを利用していなかったところが、10回から15回の利用につながります。

そして、人事部門から「せっかくこのプランを使っているんだから、もっとちゃんと採用すべき」というかたちで指示が下りてくるようになる状況が生まれています。

多くの企業では人事が予算を握っていると思われますが、本プランについては求人広告媒体に割り当てている予算から捻出いただくかたちとなっており、スポットワークの予算とは独立した別の費用として確保できている状況です。実際にAA当たりの募集人数も増加している店舗もあります。

店舗によっては採用ができる一方で既存のアルバイトで辞める人もいるため、特に金曜、土曜、日曜といった飲食店の繁忙期には「やはりタイミーに頼りたい」「固定費にしたくない」というニーズがあります。そのため、固定費を抑えたい店舗にとっては、結果的にタイミーの利用がアドオンとして売上に乗ってくるのではないかと思います。

質疑応答:長期アルバイト採用サポートプランのリリース時期について

質問者:長期アルバイト採用サポートプランの正式リリースが今年の夏ということで、比較的しっかりと期間を置かれているように感じます。この点について、もう少し様子を見たい、もしくは実験してみたいという理由などがあるのでしょうか? それとも、早めにリリースする可能性はあるのでしょうか?

小川:プロダクトの磨き込みに時間をかけているのが理由です。これまでのタイミーの募集は、未経験者でもどのようなステータスの方でも「誰でもいいですよ」という募集形式で進めていただいていました。その結果、90パーセント近くの稼働率を実現しました。

一方で、長期アルバイト採用サポートプランは、長期で働く意向がある方を優先的にマッチングするかたちになるため、稼働率に若干の差が生じる可能性があります。80パーセント以下の稼働率をどのように80パーセント、85パーセント、そしてこれまでの90パーセント近くにしていくかという点に、私たちとしてはこだわりを持っています。

現在は主に関東圏や東京エリアに集中して、このサービスのPoC(概念実証)を進めている状況で、そのチューニングがしっかりとできたタイミングで、東京以外の地域にもサービスを展開していく予定です。

本格的なリリース時には20万社以上の企業へ展開され、サービス対象エリアが一気に拡大します。そのため、まずは東京でしっかりとしたアルゴリズムを構築することを目指しています。手応えは十分に感じており、夏のリリースも確定しました。この改善に一定の目処が立ったと理解していただければと思います。

質疑応答:長期アルバイト採用サポートプランと業績への影響について

質問者:長期アルバイト採用サポートプランについて、飲食業界や小売業界の今期や来期業績に影響を与えるほどの期待値を抱いてよいのか、つまりガイダンスの上振れ要因となり得るのか、その期待値について教えてください。

八木:基本的には、長期アルバイト採用サポートプランについては、ガイダンスに一部、売上高として織り込んでいます。ただし、本格的なリリースが夏以降を予定しているため、初速が非常に好調に推移すれば、かなりガイダンスの上振れに寄与する可能性があります。

そのため、売上高についてはすでに連結ベースで一部織り込んでいますが、初速やお客さまの需要次第では、プラスの影響が出る可能性があります。

一方で、それが非常に大きな売上高に直結するかといえば、全体的にはスポットワークが大部分を占めるため、スポットワーク分の変動がガイダンスにおける主要なドライバーになると考えています。

質疑応答:金融に関する業務提携の展望とスケジュールについて

質問者:金融に関する業務提携に関して、将来的に目指しているサービスについて、もう少し具体的なヒントを教えていただけないでしょうか?

ワーカーの労働実績や与信を考慮した融資を積み上げていきたいという目的があるのでしょうか? それとも、dポイントを活用したワーカーマーケティングキャンペーンや、マーケティング効率の向上を目指しているのでしょうか?

今後の検討課題というお話かと思いますが、もし計画やイメージされている「こういうことをやりたい」といったことがあれば、補足としておうかがいできればと思います。

八木:現時点では「ここだけに絞っています」という具体的な内容は正直ございません。今お話しいただいた内容も可能性として十分にあると考えています。

会社としては、信頼データが最も価値を発揮する分野を見極めることが重要だと考えています。タイミーならでは、そしてタイミーにしかできないことを実現することで、事業としてのエッジを際立たせ、競争優位性を確立することができます。

そのため、このデータを活用できる分野に、しっかりとリソースを投下していきたいと思っています。

今回の金融領域においては、BaaS(Banking as a Service)をメインとしています。バンキングが一定程度整備されれば、決済やカード、融資といったさまざまな機能が派生する可能性があります。

まずは、バンキングの基盤をしっかり構築することを目指し、NTTドコモや住信SBIネット銀行とともに取り組んでいきたいと考えています。

質問者:実際に事業として走り出す時間軸は、現時点でどのようにご想定されていますか?

八木:ライセンスの問題もあり、事業立ち上げ段階ということもあり、短期的に次の四半期で数値が出てくるといったことはなく、もう少し長期的な話になります。スケジュールも含めて、3社のパートナー間でしっかりと協議を進めていく予定です。

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