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翻訳センター Research Memo(5):2026年3月期は減収減益。通訳事業は好調、翻訳事業は工業分野で苦戦

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■翻訳センター<2483>の業績動向

1. 2026年3月期の業績
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.0%減の10,871百万円、営業利益が同20.7%減の705百万円、経常利益が同17.3%減の748百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同36.1%減の462百万円と減収減益となった。

売上高に関しては、通訳事業で過去最高売上を更新した一方、翻訳事業での工業・ローカライゼーション分野の減収をカバーできず、全社では微減となった。翻訳事業では前期比410百万円減(同4.8%減)となった。特許分野では、企業の知的財産関連部署の一部大口顧客において受注が減少したものの、新規大口顧客との取引開始及び特許事務所からの受注が増加し、同33百万円増(同1.1%増)となった。医薬分野では、外資製薬大口顧客からの受注増加に加え、内資製薬顧客からの複数の大型案件を獲得したが、第2四半期以降、CRO(医薬品開発受託機関)の受注減少もあり、同17百万円減(同0.6%減)と前期並だった。工業・ローカライゼーション分野では、米国の通商政策に対する不透明感を背景とした、自動車関連企業などの受注減少、エネルギー関連企業などの前期大型案件の反動減があり、同350百万円減(同15.3%減)となった。金融・法務分野では、適時開示情報を対象とした新サービスの提供開始もありIR関連文書の受注が好調に推移した一方で、法務関連文書等の受注減少や前期の官公庁の大型案件の反動減もあり、同76百万円減(同12.2%減)となった。

派遣事業においては、語学スキルの高い人材への底堅い需要を背景に人材紹介手数料収入が増加したが、常用雇用者数が伸び悩み、同51百万円減(同4.4%減)となった。通訳事業では、既存顧客である医薬品関連企業、電機・電子部品メーカー、情報通信関連企業等からの継続受注に加え、複数のグローバル会議案件と大型スポット案件を獲得し、同136百万円増(同11.4%増)と過去最高を更新した。その他事業においては、、コンベンション事業縮小に伴う減収が影響し、同12百万円減(同3.6%減)となった。

売上総利益額は前期3.0%減となったものの、売上総利益率では47.4%(前期と同等)と高い水準を維持している。翻訳事業のセグメント利益は低下したものの、通訳事業では前期比26.9%伸ばした。販管費はグループ全体で経費削減に努め、伸びを抑制した(同0.5%増)。結果として、売上総利益の減少161百万円の影響が大きく営業減益となった。

自己資本比率80.0%。無借金経営を継続

2. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の総資産は前期末比62百万円減少の8,774百万円となった。そのうち流動資産は391百万円減少となった。未収入金(その他に含まれる)や受取手形及び売掛金の減少が主な要因である。固定資産は329百万円増加となった。ソフトウエア仮勘定の増加が主な要因である。

負債合計は前期末比325百万円減少の1,750百万円となった。そのうち流動負債は342百万円減少、固定負債は17百万円増加と大きな変化はなかった。なお同社は無借金経営を継続しており、有利子負債はない。

経営指標では、流動比率で483.3%、自己資本比率で80.0%とともに高い水準にあり、短期及び中長期の財務の安全性は高いといえる。利益水準低下により、ROE(自己資本当期純利益率)は6.7%(前期11.1%)と、5期ぶりに10%を下回っており、経営効率・収益性の改善が望まれる。

■今後の見通し

2027年3月期は主力の翻訳事業が復調予想

2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比3.9%増の11,300百万円、営業利益が同6.2%増の750百万円、経常利益が同4.1%増の780百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.1%増の500百万円と、売上高及び各利益が成長軌道に回帰する見通しだ。

翻訳関連市場を取り巻く事業環境は、ワークスタイルの変化やデジタルテクノロジーの進展などによって大きく変化しており、顧客獲得競争はさらに激しさを増すことが予想される。同社では2年目を迎える中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)に基づき、専門分野に精通した翻訳者・通訳者と日々蓄積される豊富な言語資産の活用を通じて、デジタル時代に対応した言語サービスを提供する戦略を遂行する。

翻訳事業の売上高は前期比283百万円増(同3.5%増)と堅調な増収を見込む。2年目を迎えた中期経営計画の下、AIやデータの活用により事業競争力の強化を推し進め、顧客シェアの拡大を図るとともに、新しいサービスの開発・提供により顧客との関係構築を深める。内訳としては、特許分野の伸びが大きく同174百万円増(同5.9%増)、医薬分野が同77百万円増(同2.8%増)、工業・ローカライゼーション分野は同19百万円増(同1.0%増)、金融・法務分野が同11百万円増(同2.0%増)となり、前期に減収となった工業・ローカライゼーション分野と金融・法務分野で業績が底打ちする予想である。

派遣事業は、通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」との連携により、高度な語学スキルを兼ね備えた人材の養成にも注力することで、通訳者・翻訳者の確保と拡充を図り、顧客基盤の拡大を推進し、前期比14百万円増(同1.2%増)と堅調に推移する見込みである。通訳事業は、顧客企業のニーズに寄り添ったサービス提供を継続するとともに、通訳業務に関連サービスを組み合わせた付加価値の高いサービスの提案を進め、同53百万円増(同4.0%増)と連続増収を見込む。

営業利益は前期比44百万円増(同6.2%増)と増加を予想する。機械翻訳の活用拡大の効果が顕れること等により売上総利益率は47.7%(同0.3ポイント増)とさらに上昇する見込みである。販管費に関しては、人件費増などの影響により同202百万円(同4.5%増)と予想する。なお、2027年3月期上期の営業利益予想は260百万円、下期は490百万円となっており、例年どおり季節性が見られる。弊社では、テクノロジーの変化が急速に進む事業環境のなかで、同社は最新技術をいち早く取り入れて生産性を上げ、顧客企業からの信頼を深めているため、今後もシェア向上による業績の拡大が可能であると考えている。2027年3月期の売上高、営業利益に関しては、AIの積極活用が足元で進捗している効果などにより、上振れの可能性も高いと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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