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クリアル Research Memo(7):増益ながら予想は保守的。不動産STとホテル事業に先行投資

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■クリアル<2998>の今後の見通し

1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上総利益8,890百万円(前期比14.0%増)、営業利益3,290百万円(同11.8%増)、経常利益3,050百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,100百万円(同8.3%増)と各段階利益の増益を見込む。主力の「CREAL」において、2026年3月期に好調であった不特法1号2号の物件売却益の剥落を理由に、売上総利益が前期比23.3%減と一時的な減益を見込む。2027年3月期も売却候補物件を十分に備えるが、物件売却については保守的に予想した。一方、不特法3号4号スキームファンドについて、組成を加速し、フィー収入(取得報酬・期中報酬)を中心とした収益基盤を確立して成長軌道に乗せる計画である。「CREAL PRO」は、アパートメントホテル開発ファンド組成を中心に、物件売買手数料や運用中のアセットマネジメントフィー、売却収益を積み上げることで、売上総利益は同89.4%増の大きな伸びを見込む。案件のパイプラインの確実化は進んでおり、目標達成の確度は高いだろう。「CREAL PB」は、2026年3月期に続き投資用区分レジデンスのエリア戦略等販売施策を推進し、売上総利益は同15.6%増を見込む。「その他」部門は「CREAL HOTELS」で複数のホテル運営収益が積み上がる見通しで、売上総利益は同48.9%増という高い伸びを予想する。販管費については、「CREAL」における不動産ST事業の開始に向けたシステム開発や「CREAL HOTELS」における人員体制強化等のための人件費を積み増し、同15.3%の増加を見込んでいる。KPIについては、獲得GMVは不特法3号4号スキームの拡大を見込むものの、実績を踏まえた保守的な水準とし、同103.9%増の64,000百万円とした。獲得投資家数も同様に保守的な試算で30,000人(同27.7%減)としている。

2. サービス別の業績見通し
(1) 「CREAL」
2027年3月期の売上総利益は3,370百万円(前期比23.3%減)を見込む。理由は、2026年3月期の反動減と、2027年3月期は不特法3号4号スキームでのファンド組成によるフィー収益主体の収益を見込むためである。運用中物件の売却益については保守的に試算し、それ以上の利益を享受できれば業績上振れ要因となる。また、不特法3号4号ファンドのGMVに占める割合は、開始した2026年3月期は82.3%、2027年3月期は89.1%を予想する。今後も不特法3号4号ファンドへの注力を継続することから、安定的な事業運営に向け、会員基盤を背景としたフィー収入を安定して獲得可能なストック型収益の構造へ転換する方針である。安定収益の確保により、新たな成長分野への積極的な投資も可能になるであろう。

ほかにも、2027年3月期上期に子会社の臼木証券を通し不動産ST事業の開始を予定している。獲得GMV70億円規模を見込むが、事業開始に向けた先行投資を要因に約1.7億円の営業損失を予想している。2028年3月期以降の黒字化に向けて事業基盤の整備を進めている。

(2) 「CREAL PRO」
2027年3月期は売上総利益3,530百万円(同89.4%増)を見込む。アパートメントホテル開発ファンドの組成を中心に、物件売買手数料や物件売却収益、アセットマネジメントフィーといった収益要素に漏らさず対応して予想の達成を図る。案件パイプラインの多くは、2026年3月期に運用受託したレジデンスやホテル開発等のため、収益確保の見込みは堅そうだ。これらに加えて、別のホテル開発ファンド組成のパターンとして、自己勘定でのアパートメントホテルの開発用地取得を推進しており、将来のホテル開発ファンド組成の広がりが期待できそうだ。

(3) 「CREAL PB」
2027年3月期は売上総利益1,040百万円(同15.6%増)を見込む。2026年3月期の人員増強と強化したDXを活用した販売体制により、投資用区分レジデンス主体の物件販売を推進する。投資対象となる不動産について、中古マンション市場は首都圏を中心に高騰が続くため、高利益確保に向けて適切なタイミングでの物件取得・売却がカギとなりそうだ。

(4) 「その他」
2027年3月期は売上総利益950百万円(同48.9%増)を見込む。安定したストック型収益となる「CREAL PARTNERS」のレジデンス賃貸管理収入に加え、「CREAL HOTELS」の新規開業等によるホテル運営事業で大幅な増益を見込んでいる。ただし、2026年3月期より加速するホテルアセットの新規開発に向けて、運営体制強化のため人件費等人材への先行投資を予定しており、「CREAL HOTELS」については営業損失約60百万円を見込んでいるが、2028年3月期以降は黒字化の見通しである。

3. 株主還元
株主還元策を安定的・継続的に実行可能な段階に入ったとの判断から、2025年3月期に初めて1株当たり30.0円※の期末配当を実施した。1株当たり配当金について、2026年3月期は期初予想から2026年3月に1.0円引き上げ8.0円とした。2027年3月期も8.0円を予定する。配当性向は13.7%の見込みである。なお、同社は企業価値向上の一環として、配当による株主還元に加え、株式流動性向上と投資家層拡大に向け年2回の株主優待(QUOカード)を実施するほか、2025年10月1日を効力発生日として株式の5分割を実行した。また、適切な資本構成を維持するため、余剰資金を活用した自己株式取得も適時検討しており、2026年5月にはストック・オプション交付に向け148百万円の自己株式を取得した。

※ 2025年10月1日付の株式5分割前の金額。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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