■有事のドル買い強まり163円台に上昇-中東緊迫化で39年ぶり高値、164円手前で上値重く
今週(7月20日-24日)のドル・円は上値を切り上げる展開。イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジアラビア関連タンカーへの攻撃や、トランプ米大統領による対イラン大規模攻撃の警告など中東情勢が急速に緊迫化し、原油価格が急伸したことで「有事のドル買い」が強まった。21日のニューヨーク市場でドル円は一時163円24銭まで上昇し、1986年12月以来、約39年7カ月ぶりの高値水準に到達。23日には米新規失業保険申請件数が1969年以来の低水準となり労働市場の底堅さが確認されたことも重なり、連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げ観測が強まりドル買いが加速、163円99銭まで上昇した。片山財務相が「必要があれば断固たる対応を取る」と円安牽制発言を繰り返したものの、具体的な介入観測は限られ、円安基調そのものは反転しにくい地合いが続いた。週末24日発表の日6月全国消費者物価指数はコア指数の伸びの加速が確認され、日本銀行の早期利上げ観測がやや強まる場面もあったが、中東リスクを意識したドル買いが優勢となり、ドル・円は堅調地合いを維持した。もっとも、節目の164円を目前に本邦通貨当局による為替介入への警戒感が強まり上値は限定的。
24日のニューヨーク外為市場でドル・円は163円88銭まで上昇後、163円64銭まで反落し、163円86銭で引けた。
■底堅い展開か、日本の為替介入に警戒も上値を試す展開に
来週のドル・円は底堅いか。日本の為替介入への警戒感や国内金融資産への投資拡大期待から、円買い圧力は継続しているものの、原油高によるインフレ加速が意識され、ドルは買い継続で上値を試す展開となりそうだ。
ドル・円は1986年12月以来の163円台に浮上しており、「防衛ライン」とされる160円を大きく上回る水準のため為替介入への警戒が強まっている。高市政権からも円安牽制発言が相次ぎ、ドル売り・円買い圧力は続いている。ただ、日本銀行は30-31日に金融政策決定会合を開催し、政策金利の据え置きを決める公算。利上げ方向に向かっているとはいえ、そのペースは緩慢との見方が広がり、むしろ円売りが見込まれる。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)は28-29日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を据え置く見通し。ただ、中東情勢が再び混迷を深めており、原油高はインフレ圧力として意識されやすい。米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は伸びの鈍化を示したが、FRBはインフレ対応を緩めない姿勢で、ドル買いは継続しそうだ。そのため、ドル・円は下押しされながらも上値を試す展開が予想される。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(28-29日開催予定)
米連邦準備制度理事会(FRB)は28-29日にFOMCを開催し、政策金利を据え置く公算。引き締め的な政策スタンスなら年内利上げに思惑が広がり、ドル買い材料となる。
【米・4-6月期国内総生産(GDP)速報値】(30日発表予定)
30日発表の米4-6月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.3%と、1-3月期の+2.1%を上回る見通し。回復が顕著になれば、金融引き締めをにらんだドル買い材料に。
予想レンジ:158円00銭-165円00銭
○上値・下値ポイント一覧
上値ポイント:170.0円、177.8円、191.6円、209.1円
下値ポイント:162.0円、159.0円、152.0円、145.0円、127.2円
【ドル買い要因】
・米利上げ観測と米金利上昇によるドル買い
・中東情勢の緊迫化と原油高による米インフレ警戒
・米金利高止まりを背景としたドル買い
【ドル売り要因】
・日銀の追加利上げ観測
・過度な円安を是正するための円買い介入
・164円接近での為替介入警戒と利益確定売り
いま読まれてます
記事提供: 
元記事を読む