■米国の早期利上げ懸念後退でAI・半導体関連主導で上昇
今週の日経平均は先週末比3107.09円高(+4.7%)の68713.80円で取引を終了した。週を通しての上昇となっている。先週末の米雇用統計では雇用者数が予想外の減少となり、連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退。米国株高を受けて、週初から人工知能(AI)・半導体関連を中心に買いが優勢の展開となった。祝日明けの12日も、米半導体株高を映して続伸となり、同日にはTOPIXが1カ月ぶりの最高値更新を果たした。韓国株の上昇も追い風になったとみられる。米消費者物価指数(CPI)の伸び鈍化も米ハイテク株の押し上げ要因となり、13日もマドを開けての上昇となったが、政府が日米協調による為替介入の効果を維持する観点から早期の利上げを支持と伝わり、上値はやや抑えられた。
週末14日も4日続伸の展開で、一時は約1300円の上昇となった。米生産者物価指数(PPI)が市場予想を下振れたことで、インフレへの警戒感が和らぎ、雇用統計、CPIの結果と合わせて、一段と利上げ懸念が後退する形となった。とりわけ、米国市場でメモリー関連株が上昇したことから、朝方はハイテク株中心に買い進まれる動きとなった。ただ、週末要因もあって、徐々にAI・半導体関連には戻り売りも優勢となったため、高値からは伸び悩んで週の取引を終えている。
■決算発表一巡でテーマ物色の傾向になりやすい
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比107.58ドル安の53732.41ドル、ナスダックは同73.86ポイント安の26729.16で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比30円高の68720円。小売売上高が昨年5月以来の大幅な落ち込みとなったほか、ミシガン大学消費者マインド指数も予想を下回り、消費や経済成長の減速懸念が浮上した。中東情勢の不透明感による原油価格の上昇も警戒材料とされた。
週末の東京市場では、AI・半導体関連が総じて伸び悩んだが、米SOX指数も13日は高値から伸び悩み、週末も上値の重い動きに。好決算を発表したアプライド・マテリアルズにも売りが先行するなど、引き続き市場の半導体株に対する期待感の織り込みが意識される状況でもある。そもそも米国では、翌週にエヌビディアの決算発表とジャクソンホール会合を控えており、来週はいったん様子見ムードが強まりやすくなる公算だ。
今週末で4-6月期の決算発表は一巡し、来週以降は個別物色の手掛かり材料が極端に減少することになる。テーマ物色の流れが強まることで、AI・半導体関連は一極集中的に買われる動き、あるいは、一斉に崩れる動きとなる可能性が高い。ただ、AI関連株軟化の中で、日経平均は調整を強いられそうだが、対照的な動きとなりやすい非AI関連に物色が向かうことで、市場ムードは大きく悪化しないとみられる。来週の米国市場では、ホームデポ、ターゲット、ウォルマートなど、個人消費関連銘柄の決算発表が多い。仮に、関連株物色の流れが強まるようであれば、東京市場でも非AI銘柄となる小売セクターなどに注目が向かいやすくなろう。ほか、ここまでの決算発表を受けて、出尽くし感が先行した銘柄、業績悪化で大きく下落した銘柄などの押し目買いの動きなどにも注目しておきたい。
■GDPや為替相場の動向などにも注目
来週は国内で4-6月期の国内総生産(GDP)が発表される。前期比0.5%増、年率換算では2.2%増程度が想定されているもよう。個人消費や設備投資の状況も注目されるが、堅調な数値となれば、中東情勢悪化によるマイナス影響は限定的との見方などがあらためて強まっていく公算がある。非AI銘柄物色にとってはフォローとなりそうだ。
ほか、ドル・円相場の動向も引き続き注目される。今週には、「政府が日米協調介入の効果を維持する観点で、日銀の早期利上げを支持している」とも報じられており、9月17-18日に開催予定の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が強まりつつある。為替介入で米国の支援を受けていることからも、早期利上げ実現の可能性は高いと考えられる。また、少なくとも再度の円買い介入が実施される可能性もあってドル・円の上昇余地が乏しいとみられる中、ここにきての米国のインフレ鈍化観測は、ドル・円相場を押し下げることにつながる余地が大いにあろう。銀行株とともに、円安デメリット銘柄などを見直す動きも強まる公算。なお、中東情勢に関しては、米国とイランの戦闘終結に向けた最終合意の交渉期限が17日に迫っており、リスク顕在化などには注意したい。
■17日に国内の4-6月期GDPが発表予定
来週、国内では、17日に4-6月期GDP、6月第3次産業活動指数、19日に6月機械受注、7月訪日外客数、20日に7月貿易統計、7月首都圏新築マンション発売、21日に7月消費者物価指数、8月S&Pグローバル製造業PMIが発表される。
海外では、17日に中・7月小売売上高、工業生産、都市部固定資産、米・6月対米証券投資、8月NY連銀製造業景気指数、8月住宅市場指数、18日に独・8月ZEW景況感指数、米・7月中古住宅販売成約指数、7月鉱工業生産・設備稼働率、7月住宅着工件数・建設許可件数、7月輸出入物価指数、8月NY連銀ビジネスリーダーズサーベイ、19日に米・7月28-29日開催のFOMC議事録、20日に米・8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、新規失業保険申請件数、21日に欧・8月S&Pグローバルユーロ圏製造業・サービス業PMI、米・8月S&Pグローバル製造業・サービス業PMIなどが発表される。
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