2026年8月17日に発表された、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ2026年6月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
AGENDA
秋田智一氏(以下、秋田):代表取締役社長の秋田です。みなさま、本日は当社の決算説明会にお越しいただき、ありがとうございます。スライドは、本日のアジェンダです。
ご挨拶

最初にご挨拶申し上げます。当社は、2026年7月29日に東京証券取引所グロース市場に上場しました。本日は、初めての決算説明会にご参加いただき、あらためてお礼申し上げます。
当社は、「グリーンエネルギーがめぐる世界の実現」というビジョンを掲げ、店舗や物流施設の屋根上といった未利用スペースを活用し、環境にやさしく経済性のある再生可能エネルギーをお届けしています。
今回の上場を新たなスタートラインとして、そのような分散型再生可能エネルギーの経済圏やネットワークを大きく広げていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。
2026年6月期 決算ハイライト

まず決算のハイライトをご紹介します。2026年6月期の決算では、売上総利益、EBITDA、当期純利益のいずれも過去最高を更新しました。また、各段階収益はすべて計画を達成し、前期比でおおむね110パーセントから120パーセントの水準に到達しています。
上場時に示した今期の計画に対して、売上総利益は105.4パーセント、EBITDAは106.4パーセント、当期純利益は112.5パーセントと、いずれも計画を達成しました。
分散型再エネ発電所網と固有の技術で真のGXと巨大な事業機会獲得に挑む“GXグロースカンパニー”

ここからは、初めて当社についてお聞きになる方々もいらっしゃるため、事業内容をご説明します。
当社は分散型の再生可能エネルギー発電所と独自のAIプラットフォームを組み合わせることで、電力ネットワークの真のグリーントランスフォーメーションと、その変化に伴う大きな事業機会の獲得に挑むGXグロースカンパニーと自らを位置づけています。
環境にやさしいだけでなく経済性も備えた再生可能エネルギーを着実に増やすことで、電力ネットワークのグリーントランスフォーメーションに貢献し、その事業機会の獲得に取り組んでいるのが当社の立ち位置であり、特徴です。
当社事業モデル概要

我々の事業は、GXソリューション事業とエナジートレーディング事業の2つがあります。GXソリューション事業には、PPAサービス、アライアンスソリューション、インテグレーションの3つのサービスカテゴリがあります。
「GXソリューション事業」が成長を牽引

GXソリューション事業が成長の原動力となっています。この事業は、売上総利益やEBITDAも順調に成長を遂げており、4年間のCAGRが70パーセントを超えています。この成長が全体の成長に大きく貢献しています。
低コストな電源である太陽光は、拡大が見込まれる有力な再エネ電源

この成長の背景をご説明します。
当社が扱う再生可能エネルギーは太陽光発電です。
日本のエネルギー基本計画では、太陽光発電が2040年までに3倍以上成長することが計画されています。
スライド左側の表をご覧いただければわかるように、太陽光発電は再エネの中だけでなく、原子力や火力を含めた主要電源の中でも、経済性が高く、低コストな電源となっています。
太陽光発電はすでに環境対応と経済合理性を両立しており、今後はさらに主力電源としての役割を担っていくと考えています。
太陽光の拡大が見込まれる中、従来中心だったメガソーラーは減少傾向

太陽光発電においては、これまで拡大を牽引してきた地面設置型のメガソーラーは、適地不足や規制強化により新規導入が減少傾向にあります。
そのような中で、今後の主役は規制や環境負荷が少ない店舗、物流施設、工場などの屋根を活用した分散型オンサイトソーラーへと移行しつつあります。当社は、この成長領域においてNo.1の実績を持つリーディングカンパニーです。
世界的な情勢変動をきっかけにしたエネルギー安全保障意識の高まり

今年に入り、エネルギーの危機や供給不安、エネルギー価格のボラティリティを背景に再生可能エネルギーが注目されています。再生可能エネルギーは国産のエネルギーであるため、中東情勢など海外の状況に影響を受けず、価格が安定している点が特徴です。
日本全体で見ると、これはエネルギーの安全保障という観点につながります。また、企業や地域においては、エネルギーを経済的かつ安定的に調達したいというニーズが高まっています。
このような背景があり、太陽光発電が注目されています。ポイントは単にCO2を排出しないという環境面のメリットだけではありません。経済性を備え、コストも供給も安定しているという優位性があらためて見直されているのです。
オンサイトPPAからアライアンスソリューションへ拡大

太陽光発電施設がFIT制度を利用した地面設置型のメガソーラーから、電気を使うお客さまの敷地内である需要地に設置するオンサイト型へと移行してきている中で、我々は直接お客さまと電気の契約を締結するPPA(Power Purchase Agreement、電力購入契約)という契約形態を採用しています。
当社は、日本でこの契約形態を先駆けて商業施設などに展開しました。PPAサービスとは、お客さまの施設の屋根の上に当社のようなPPAサービス事業者が発電施設を設置・保有し、20年の長期間にわたり、お客さまと直接電力購入契約を締結し、電力を供給するサービスです。
このオンサイトPPAは送配電コストが不要なため、環境負荷を抑えながら安価で電気を提供でき、お客さまにも評価いただいています。また、お客さまにとっては、太陽光発電設備の初期投資や維持管理が不要で、さらには安定的に電気を利用できるメリットがあります。
ただし、当社にとって、自社で施設を保有するPPAモデルは長期固定価格の契約により20年間の安定したキャッシュフローを見込むことができる一方、バランスシートが重たくなり、成長局面では負債が先行して積み上がる課題がありました。
このような課題に対し、スライド右側の図に示すように、当社が開発した発電所アセットをアライアンスパートナーに売却するアライアンスソリューションを確立しました。この取り組みにより、安定的なキャッシュフローに加え、資本効率の向上を図り、GXソリューション事業のさらなる拡大と持続的成長につなげています。
PPAサービスとアライアンスソリューションの比較

このスライドは、PPAサービスとアライアンスソリューションを比較しています。当社では、PPAの売電収益によるストック収益と、発電アセットの売却によるフロー収益の両方のモデルを展開していることをご理解いただければと思います。
オンサイトPPAの開発実績 No.1

当社はオンサイトPPAにおいて、国内実績としては4年連続でNo.1シェアを獲得しています。2026年6月末時点で、オンサイトPPA開発実績は施設数1,497、発電容量387メガワットとなっています。1日1発電所以上のペースで分散型発電所を開発・整備している状況です。
当社独自のAIプラットフォームが実現する優位性

発電所の開発ペースや開発実績は、当社の大きな特徴の1つです。また、発電所で作られた電気の活用方法については、当社独自のAIプラットフォームと余剰電力循環スキームにおける技術的な特色があります。
これに関しては、制度面など複雑な部分もあるため、5分間の動画にまとめています。ぜひご覧いただければ幸いです。
(ご参考)当社AIプラットフォームによる効果イメージ

このスライドは、ご覧いただいた当社のAIプラットフォームの効果を視覚的に示したものです。屋根のポテンシャルを最大限活用することで、再生可能エネルギー比率の大幅な向上と電気料金の削減効果を同時に実現しています。
2つの事業セグメントが有機的に連携

この余剰電力の循環スキームは、GXソリューション事業とエナジートレーディング事業の2つの事業の連携によって成立しています。
GXソリューション事業で生み出されたオンサイトソーラーの余剰電力は、その時間帯に電力消費がある需要地へ融通するための供給先が必要です。その点、当社はエナジートレーディング事業を通じて電力消費パターンが異なる広範なお客さまを抱えているため、供給先に困ることがありません。
また、エナジートレーディング事業では、余剰電力という特徴ある再生可能エネルギーを供給できるため、両事業でシナジーを創出しています。
2026年6月期通期 決算サマリー(全体)

ここからは、2026年6月期の通期実績についてご説明します。サマリーでもご説明しましたが、当社が重要指標としている売上総利益、EBITDA、当期純利益は、いずれも過去最高を達成しました。
売上高は256億円で、前期比112パーセントとなりました。その他の指標はスライドに記載のとおりですが、売上高、そして各段階利益においてもすべて計画を達成しています。
事業およびサービスの特徴

当社の売上高および収益の構成としてポイントとなるのは、自社のアセットなのか他社のアセットなのか、またストック型収益なのかフロー型収益なのかという点です。
スライドのとおり、GXソリューション事業の中でPPAサービスはストック型の収益、つまり積み上がっていく収益形態です。一方、アライアンスソリューションおよびインテグレーションはフロー型の収益となっています。
エナジートレーディング事業についてはアセットを保有しないものの、契約形態としてはストック型の収益であり、積み重なっていく収益形態となっています。
それぞれの2026年6月期におけるサービスごとの売上総利益については、スライドに記載のとおりです。
ストック型とフロー型の収益をバランス良く保有していることは、当社の強みになっています。
2026年6月期通期 決算サマリー(事業セグメント別)

このスライドは、2026年6月期までを含めた成長推移を示しています。GXソリューション事業が成長を牽引しており、EBITDAは48億円を超えています。また、GXソリューション事業全体のEBITDAマージンは35パーセントを超えています。
2026年6月期通期 決算サマリー(GXソリューション事業)

これはGXソリューション事業の各サービスの内訳です。グラフの下からアライアンスソリューション、インテグレーション、PPAサービスの順となっています。
アライアンスソリューションは、2025年6月期に続き、2026年6月期も成長を牽引しており、この領域の強化がGXソリューション事業の成長に大きく貢献しています。蓄電池を含むインテグレーションについても、数字が順調に伸びています。
2026年6月期通期 決算ハイライト(アライアンスソリューション)

アライアンスソリューションについて、年間の稼働容量をスライドに記載しています。
2026年6月期のアライアンスソリューションの売上総利益は、2025年6月期の10億3,300万円から19億3,700万円へと大きく増加しました。KPIである稼働容量も38メガワットから67メガワットと、しっかりと成長を示しています。
2027年6月期通期 業績予想

ここからは、2027年6月期の通期業績予想についてです。
2027年6月期の通期業績予想については、上場時に発表した内容から変更していません。一方、2026年6月期の着地については、各段階利益が計画比で105パーセントから115パーセント程度計画を上回る水準で着地したため、その分2026年6月期に対する伸び率が低くなっています。
2027年6月期については、市場環境動向を踏まえた上で現行の計画を策定しており、売上高は約310億円、当期純利益は21億円に達する見込みで計画を立てています。
2026年6月期の通期実績から2027年6月期の通期予想にかけても、GXソリューション事業が成長ドライバーとなり、その中でもアライアンスソリューションが成長をリードする構成に変わりはありません。
セグメント別売上総利益及びEBITDAの推移・計画

売上総利益とEBITDAの推移を示しています。2027年6月期の計画は、スライドのとおりです。エナジートレーディング事業については、循環型電力による拡大も加味して、2027年6月期以降の成長を見込んでいます。EBITDAについては、2027年6月期に全体で60億円を超える水準を見込んでいます。
GXソリューション事業:売上高及び売上総利益の推移・計画

これはGXソリューション事業の計画です。積上式に色分けされているグラフに示されたイメージのとおり、GXソリューション事業各サービスの売上高や売上総利益が計画値として上がってくることを見込んでいます。
GXソリューション事業:開発容量及び開発件数の推移・計画

累計開発容量および累計開発件数についても、分散型の良さを活かし安定的に開発稼働ペースを維持することで、稼働容量と件数の積み上げとともに売上高や利益が着実に増加しています。
エナジートレーディング事業:売上高及び売上総利益の推移・計画

エナジートレーディング事業については、これまでGXソリューション事業が成長を牽引してきた中で、売上総利益を安定的に生んでいました。売上総利益は安定している一方で、売上高は燃料動向に多少影響を受けながら推移するという特徴がありました。
しかしながら、2026年6月期から循環型電力が一定の売上高および売上総利益に寄与し始めています。
2027年6月期については、燃料動向の上昇傾向や循環型電力の契約獲得拡大もあり売上高は増加し、売上総利益も2026年6月期の水準以上が確保されると見込んでいます。
業績推移及び業績予想

このスライドは、重要指標および参考指標としている売上高や利益項目の推移を示しています。参考にしていただければと思います。
ここまでが、2027年6月期の計画と、2026年6月期の実績についてのご説明となります。
充実したPPA顧客基盤

今後、アイ・グリッド・ソリューションズがどのように成長していくのかについて、成長戦略をお話しします。
当社の顧客基盤についてお話しします。契約企業数は順調に増加しており、2026年6月末時点では累計で403社となっています。流通小売業および物流企業の大手がお客さまに多く、企業数の増加によって開発施設のポテンシャルも着実に向上し、これが当社の大きな強みとなっています。
オンサイトPPA市場の拡大余地

開発施設のポテンシャルは、現行の顧客だけでもその保有施設数は2万3,000施設を超えており、中・大型の小売・物流施設では5万施設、さらに他の施設・建物も加えると10万施設に達します。開発施設のポテンシャルは依然として高く、拡大余地があると考えています。
追加的な利益創出機会(オンサイトPPA以外の再エネ供給)

施設数の拡大をPPAで図ることができると同時に、施設ごとの追加供給の機会もあります。我々は、太陽光発電所を設置した屋根の施設へオンサイトPPAで電力供給を行っていますが、オンサイトPPAで自家消費として供給できている電力は、その施設が使用する全電力量の約2割となっています。
オンサイトPPAにおいては、当社はお客さまと自家消費部分について20年間の契約を交わしており、その他の時間帯である約8割の追加供給機会のポテンシャルを持つことになります。このアップセル機会をどのように獲得していくかが、当社の成長の大きな要素の1つとなっています。
お客さまの中には、多数の施設を持つ企業が多く存在しています。同一企業内の施設でも、太陽光発電設備を設置できるスペースがないなど、物理的な制約でオンサイトPPAを導入できない施設もあります。
そのような施設に対して、循環型電力という料金プランを用いて、物理的に制約がある施設へも、自社内の他施設で生み出した太陽光電力をお届けします。循環型電力では、その仕組み上、20年間の電力供給契約を、太陽光電力を届けることができる時間帯以外も含めて締結いただいています。
つまり、物理的制約がある施設については、スライド左側のとおり電力を100パーセント供給する機会を獲得することができます。各施設で生み出された余剰電力を効果的に活用することで、新たなアップセル機会を獲得しています。
今後のビジネス展開

そのような状況を踏まえ、我々としてはアライアンスソリューションを含め、資本効率を意識しながら財務規律を維持しつつ、施設数を着実に増加させていきます。
自社での開発はもちろんのこと、他のPPA事業者が手掛ける開発施設や開発発電所を獲得・譲り受けるといった手法も取り入れ、施設数のさらなる増加を図ります。
施設数の増加に伴い、昼間の余剰電力を夜間や夕方帯にシフトする取り組みとして、蓄電池を導入したインテグレーションサービスの導入機会が増加し、また、企業グループ内での電力循環を含め、施設で余った電力をグループやエリア内で循環させる循環型電力サービスの需要も高まっていきます。
このように、施設数の拡大により、追加的なアップセル収益の獲得機会も増えてきています。電池価格の低下や循環型電力サービス需要の高まりによって導入比率が上昇すれば、会社全体として乗数的な成長を達成できると考えています。
成長の基盤としては、アライアンスを含めた施設数の増加が重要なキードライバーとなりますが、大きなアップセル機会が付随し、それを獲得するサービス展開をしていることも、当社の大きな魅力の1つです。このような成長戦略を描きながら、2027年6月期においても確実に成果を上げたいと考えています。
アライアンスパートナーから選定される理由

アライアンスソリューションを重視していることから、アライアンスパートナーから選定される当社の強みやメリットについてスライドに記載しています。
アライアンスパートナーは、これまでオルタナティブ投資として再生可能エネルギーの開発アセットを多く取得し投資を行ってきた金融機関や、デベロッパーが中心です。
これらのパートナーにとって、地面設置型のメガソーラーの拡大が難しい中、オンサイトソーラーは投資対象として魅力的ですが、アセット一つひとつの規模が非常に小さくなるため、開発ペースにスピード感が求められるという特徴があります。当社はその開発スピード・ペースを有しており、それ故にアライアンスパートナーは効率的に必要な開発アセットや容量を獲得できる点が強みです。
また、余剰循環の仕組みがないと、屋根が大きくてもそれを活かすことができず、発電量が十分に得られないため、投資対象としての魅力が低下するという課題があります。しかし、当社の余剰電力循環スキームを活用することで屋根を効率よく活用でき、発電容量が増加することから、開発投資対象としての魅力が増します。当社の技術を活用することにより、アライアンスパートナーにとっても投資対象が広がるメリットがあるのです。
このような点が、アライアンスパートナーから支持され、当社と提携するメリットとされています。
アライアンスソリューション拡大に向けたパートナーシップについて

当社のアライアンスソリューションは非常にニーズが高く、再現性のあるモデルとなっています。現状、東急不動産さまとの枠組みが大きいですが、他の事業者さまを含めたパートナーシップも堅固にかたちづくられてきており、このモデルの再現性は高いといえます。
競争優位性と国内No.1シェアの実績

当社は、オンサイトPPAサービス事業者として14パーセントのシェアを保持しており、4年連続でトップシェアを維持しています。自社で太陽光発電所を開発・保有するPPAサービスのみでなく、アライアンスを含めた当社ネットワークにおける発電所アセットの開発や取得に努めています。
左図のその他55パーセントのPPA事業者さまが運営・開発している発電所の件数も増加していますが、それらを20年間という長期にわたって運用するにはさまざまな課題が発生する可能性があります。そのため、事業者によっては現金化を急いだり、全体としてセカンダリーマーケットが形成される可能性が高いと考えています。このような状況の中で、当社がアセットを取得する、または事業単位で譲受けるといったケースも増加する可能性があると考えています。
プラットフォームを活用したPPA事業者との協業も開始

昨年には、業界上位のCPower社が、当社の余剰電力循環スキームを活用することで、これまで開発が難しかった施設を開発できるようになることから、同社が開発した発電所を当社が買い取るかたちでのパートナーシップがすでに始まっています。
このような取り組みも、当社の新たな成長のドライバーになっていくと考えています。
追加的な利益創出機会(蓄電池併設のインテグレーションサービス)

蓄電池のインテグレーションサービスも、着実に成長を果たしています。当社には約1,500施設という面的な広がりや、顧客グループ全体で2万を超える施設と接点があります。
蓄電池ビジネスは、系統用蓄電池が話題となり競争が激しくなっていますが、需要家併設型蓄電池は制御技術が複雑であり、参入障壁が高いサービスになります。蓄電池価格の状況を踏まえつつですが、当社のプラットフォーム技術を活用することで、この課題をカバーでき、新たな収益機会を生むチャンスを十分に見込めると考えています。当社はこの分野でもしっかりと成長を目指していきます。
追加的な利益創出機会(循環型電力)

循環型電力のスキームについてです。昼間時間の電気が固定価格で供給されるため、前述のエネルギーの中東情勢不安などから生じるボラティリティリスクに対して、ニーズが高まっています。
この電力メニュープランは、当社が開発した発電所から供給される電気の活用によって構築されていることが大きな特徴の1つです。
資本効率の向上と投資戦略

最後に、資本効率と投資戦略です。
自社で保有するアセットやアライアンスソリューションによる譲渡を効果的に組み込みながら、発電所のネットワークを拡大していきます。
また、それら分散型発電所から生じる経済性のある余剰電力を、当社のプラットフォーム内でしっかり活用していくことを目指しています。その中で、売上高を含めた事業規模を拡大しながら、最終的なROE水準を20パーセント強で維持する成長戦略と投資戦略を描いています。
今期についても、資本効率と財務規律を意識しながら、基本的には事業成長に向けた投資を推進し、成長を通じて投資家のみなさまにしっかり還元できる環境を整えていきたいと考えています。
アライアンスソリューションのさらなる拡大(第2弾となる「TLC VPP2合同会社」の設立)

直近のトピックスについてご説明します。
東急不動産さまとのアライアンス第2弾としてTLC VPP2合同会社を設立しており、アライアンスにおける投資資金額がしっかりと確保できている状況です。
「GX City」実現に向けた自治体との取り組み

循環型電力の導入は企業内の循環だけにとどまらず、自治体との連携を通じて拡大しています。堺市、和歌山市、神戸市などで当社がアグリゲーターとしてプロジェクトに参画し、再生可能エネルギーの分散型電源の拡大を進めています。
また、そこから余剰電力を生じさせ、それを活用することで、いわゆる再エネの自給率、利用率を向上させる取り組みを自治体と共に進めています。
全国47都道府県への展開を記念し、タクシー車内広告の実施

我々のブランディング広告を現在タクシー広告として展開しています。
広告の最後に今回の上場と全国拡大に関する内容を掲載しています。これまで北海道における開発実績はありませんでしたが、先日47都道府県すべてにおいて我々の発電所が稼働したことをリリースでもお知らせしています。
「GXパートナーにはアイ・グリッド」ブランドプロモーション

Web広告についてです。当社の事業が新しいこともあり、まだ世の中で十分な認知が得られていない状況です。そのため、これらの広告を活用し、企業および事業の認知を広げるためのブランディングを、今後も積極的に進めていきたいと考えています。
質疑応答:上場がもたらす社員の意識や風土への影響について
質問者:上場前後での組織の状況や社員の変化について教えてください。
秋田:当社は、エネルギーのインフラとエネルギーシステムの転換を図るという大きな使命と目標を掲げている会社です。
上場により、社員にとっても1つの節目となり、社会に対して自分たちのインパクトをどのように高めていくかについて、より挑戦的になれる雰囲気が強まったと感じています。
この影響で、新しい事業や新しい投資について社員から意欲的な意見がどんどん出てくる状況です。このような点で、上場は社員にとって風土や雰囲気に対しプラスに働いたと考えています。
質疑応答:今後の最大の成長ドライバーについて
質問者:今後の最大の成長ドライバーはなんでしょうか?
秋田:GXソリューション事業が当社の成長ドライバーとなっており、特に2025年6月期以降はGXソリューション事業内のアライアンスソリューションが成長を牽引している状況です。
この状況は、2027年6月期の計画においても同様であり、今後の中期的な観点でも成長のドライバーであることに変わりはありません。
質疑応答:2027年6月期業績予想について
質問者:2026年6月期の実績をみると、2027年6月期業績予想は保守的ではないでしょうか?
秋田:2026年6月期および2027年6月期の計画は上場承認および上場のタイミングで開示しているものです。修正基準には当たらないため、変更していません。それに対して、2026年6月期が上方に振れるかたちで着地したため、2027年6月期が保守的な計画に見えてしまっていると思います。
我々としては、まずはこの計画をしっかりと達成することを目指します。
質疑応答:中期経営計画について
質問者:中期経営計画を作成、公表される考えはありますか?
川野裕介氏(以下、川野):取締役執行役員の川野です。中期経営計画について、当社では中期的な事業計画は策定しており、それに基づいて事業運営を行っています。一方で、上場直後ということもあり、先ほど秋田からお伝えしたとおり、まずは開示済みの業績予想の達成を最優先に考えています。
現時点では、中期経営計画の公表は未定ですが、中長期的な成長イメージについては決算説明会等を通じて継続的にお伝えしていきたいと考えています。
質疑応答:アライアンスソリューションの成長と相性の良い業種について
質問者:今回、成長ドライバーとしてアライアンスソリューションを挙げていますが、こちらについて教えてください。いろいろな業種があると思いますが、成長において相性の良い業種や、今後さらに狙っていきたい業種について、なにかヒントをいただければ幸いです。
秋田:我々は、一定程度相性の良い業種を選定し、その中でPPAやアライアンスを成長させてきました。それが流通小売業と物流業です。
余剰電力をうまく活用する観点において、屋根の面積が大きいにもかかわらず電力の使用量がそれほど大きくない常温物流施設や、流通小売業の中でもホームセンターなどが、当社にとって得意とする施設・業種です。
これらの分野において、我々は高いシェアを有していますが、業界内でそのシェアをしっかりと維持しつつ、さらに高めていくことを重要な課題と考えています。
質疑応答:サービス導入企業の成長ポテンシャルについて
質問者:現在、サービスを導入いただいているお客さまについてリスト化されていますが、おおむね著名な企業が名を連ねているとの印象を受けます。
一方で、さらに規模の大きい企業では自社で対応されるケースもあるかと思いますが、ここからさらなる成長の余地はあるのでしょうか? 余地があるようにも見えるのですが、その点についてもう少し解説をお願いします。
秋田:お取引いただいている企業の中でも、すべての施設に導入できているわけではありません。同じ企業内で100施設ある場合でも、まだ20施設や30施設にとどまっていることが多く、残りの施設への導入ポテンシャルは十分にあります。
もっと大きな企業が自己投資で対応しているケースを指しているのかと思いますが、そのような場合でも、余剰部分の活用や運用まで十分に行われていないことがあります。その結果、屋根スペースが十分に活用できていなかったり、特定の施設で導入が進んでいなかったりする現状があります。
そもそも、本業ではない部分にどこまでスピード感を持って自社で投資を進めるかという観点では、大手企業であっても資本効率や本業への投資などを考慮すると、「PPAサービスに乗り換えたほうがいいですね」という選択をするお客さまが増えています。
当社がお付き合いしている大手企業でも、当初は自社で投資していたものの、当社に任せてからは維持管理や運用、壊れた際のリスクや手間といった運用面の負担をすべて当社が引き受けるかたちになるため、PPAに全面的に切り替えたという事例が数多く見られます。
大手企業を含め、開発にはまだまだ成長ポテンシャルがあると考えています。
質疑応答:電力小売の供給先について
質問者:電力小売の供給先は、取引所の先で見つかる不特定多数の供給先なのでしょうか? あるいは固定客なのでしょうか? もし両方あるのなら、その比率を教えてください。
秋田:基本的には、当社自身で営業開拓を行っているお客さまが対象となるため、市場の不特定多数を対象としているわけではありません。
質疑応答:余剰電力循環スキームにおける電力販売先について
質問者:現時点において、GXソリューションにおける余剰電力循環スキームにおいては、どのような施設への電力販売が主なのでしょうか? また、その際の販売価格の決め方も教えてください。
秋田:PPAでお付き合いのあるお客さまについて、物理的制約があって設置できない施設に対し、循環型の電力供給サービスメニューを提案するケースが多いです。
また、環境意識の高いお客さまは、高層ビルなど、物理的に太陽光を設置するスペースが確保できない場合に、循環型の電力供給メニューを選択されるケースもよく見受けられます。
CO2排出を削減する目的もありますが、エネルギーコストを安定化させたいという観点から見ると、昼間に使用している電力の使用量が多いほど、価格が固定される使用量が増加します。そのため、昼間の使用量が多いお客さまほど、固定化ニーズは高いと思います。
一方で、夜間の使用量が多いお客さまでは、循環型電力のメリットが十分に活かせない状況になる場合があります。
昼間の使用量が多く、価格差も考慮した上で導入を決めていただいているお客さまが多くいらっしゃいます。価格の設定は、固定価格で提供可能な昼の時間帯と、電源価格に連動する時間帯部分をシミュレーションで組み合わせ、お客さまごとに決定しています。
質疑応答:粗利の成長見込みについて
質問者:2028年6月期からは、粗利の年当たりの成長率が15パーセントくらいになっていくのでしょうか? あるいはトレーディングは変わらずに、GXソリューションの粗利の成長率が年15パーセントくらいになりますか?
川野:おっしゃるとおり、今後数年の平均では、会社全体の粗利が15パーセント程度成長すると見込んでいます。一方、販管費がそのペースで増加しないことなどを考慮すると、最終利益ベースでは20パーセントから30パーセント程度の成長を見込んでいます。
また、GXソリューション事業の粗利成長が全体の成長を牽引しているため、GXソリューション事業の粗利成長については、15パーセントを上回る強い水準を見込んでいます。
質疑応答:PPAにおける顧客の購入電力の単価について
質問者:PPAの顧客が購入する電力の単価は一般的にいくらなのでしょうか? 今の市場価格より高いのか安いのか、どちらなのでしょうか?
秋田:個別の単価については、お客さまごとに異なることもあり、回答は差し控えます。PPAの場合は、そもそも発電コストが安い上に、託送料がかかりません。お客さまにて市場価格や現状の電気代と比較をして、経済メリットがあると判断いただいてご購入いただいている状況です。一般的な小売価格と比較して、PPAでの提案価格のほうが安価なケースが圧倒的に多い状況です。
ちなみに、託送料は電圧区分によって異なりますが、高圧帯ではおおよそ4円から5円程度となっています。この託送料は、送配電網を使う場合はかかりますが、オンサイトで直接供給している部分に関しては電気を運ぶためのコストがかからないため、アドバンテージがあるといえます。
質疑応答:余剰循環スキームの確立に要した時間について
質問者:「今でこそオンサイトソーラーの管理数が多いため精度が上がっていると思いますが、当初は少ないオンサイトソーラーからスタートしたものだと思います。
現状の余剰循環スキームの確立まで何年くらい要したのでしょうか? また、システム面だけを考えた時の他社によるキャッチアップをどれくらいリスク視していますか?
秋田:余剰循環スキームそのものが商業的にしっかりと稼働している状況については、プラットフォーム開発も含めて約3年間かけて進めてきています。ただし、キーとなるのは、各施設の電気の使用方法によって需要量が異なる点です。また、地域ごとのその日の発電量も異なります。
発電量と需要量の差分が余剰量となるため、重要なのは施設ごとの電気需要量です。この需要予測が非常に重要であり、その理由は、送配電事業者に対して毎日1日前に余剰量を通告しなければならないというルールがあるためです。
先ほどの映像でも触れられていましたが、ペナルティを回避するためには、需要予測が重要になります。我々は、2004年の設立以降、20年以上にわたるエネルギーマネジメントで培ってきた約8,000施設分のデータを保有し活用しています。
このデータを活用し、需要予測を成立させてきました。実データを多数保有しており、加えて物理的に発電所と電力需要家接点を持っていることから、そのデータは日々増加しています。システムもありますが、それ以上にデータと物理的な施設運用による経験や知見が強みにつながっており、それが模倣困難性や当社の競争優位性となっています。
質疑応答:今期業績の上振れ要因について
質問者:2026年6月期の業績については、IPO時に開示された業績予想よりも上振れての着地でしたが、上振れ要因で特に大きかったものはなんでしょうか?
秋田:基本的には、GXソリューション事業が計画を上回って推移していることです。
川野:GXソリューション事業の主力であるPPA、アライアンス、インテグレーションのそれぞれが計画値を上回って着地しました。各サービスでの上振れが積み重なることで、GXソリューション事業全体としては、開示のとおり売上総利益が計画を大きく上振れる結果となりました。
質疑応答:2026年6月期の受注状況について
質問者:2026年6月期の受注について、実績と計画とを比べた際にどのようになっていますか?
川野:受注については、2026年6月期において、我々の営業計画に対してどの程度案件獲得できたかという観点で回答しますが、もともと計画をしていた営業計画を上回る結果となりました。いずれのサービスについても、計画を上振れるかたちで着地しています。
質疑応答:GXソリューション事業における主な粗利益率変動要因について
質問者:GXソリューション事業の主な粗利益率の変動要因はなんでしょうか? PPAサービス、アライアンスソリューション、インテグレーションのミックスが影響するのでしょうか?
秋田:サービスごとに粗利益率が異なることから、そのミックスが全体の粗利益率に影響を及ぼしています。アライアンスソリューションが拡大することで、それが全社の粗利益率に与える影響も大きくなります。
なお、サービスごとの粗利益率については、大きな変動は見込んでいません。
