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理論株価1万7981円からは上方乖離も「もう一伸び」上昇の余地あり(12/6)=日暮昭

当マガジンは日経平均の妥当な水準として統計的処理で求めた理論株価をもとに、足元の相場の位置づけを評価する材料を提供するものです。原則として日経平均と理論株価の位置関係を示すグラフと表に若干のコメントを合せて毎週1回配信いたします。皆様のより良い投資成果のための一助にして頂ければ幸いです。
※「理論株価」についてはこちらをご覧ください。(『投資の視点』日暮昭)

プロフィール:日暮昭(ひぐらしあきら)
日本経済新聞社でデータベースに基づく証券分析サービスの開発に従事。ポートフォリオ分析システム、各種の日経株価指数、年金評価サービスの開発を担当。インテリジェント・インフォメーション・サービス代表。統計を用いた客観的な投資判断のための市場・銘柄分析を得意とする。

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日経平均株価、12/5大引け時点の理論株価は1万7981円に

トランプ相場への期待一服で相場エネルギーが弱まれば理論株価へ回帰か

日経平均は12月1日に1万8,500円を超えた後は頭打ち模様でトランプ相場への期待が一服したように見えます。

下図は日経平均、理論株価と併せて通常変動の上側と下側の推移を8月から直近の12月5日まで示したグラフです。12月5日の日経平均は1万8,274円に対して理論株価は1万7,981円、通常変動の上側は1万8,795円です。日経平均は理論株価は上回っていますが赤線で示した高値警戒領域の入口となる通常変動の上側まではまだ520円ほど余裕があり、上昇の余地はまだ残していると言えます。

日経平均、理論株価と通常変動の上側と下側
2016.8.1~2016.12.5

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とは言え、一方で不安要因もジワリと顔をのぞかせています。前回講座で日経平均上昇の裏付けである理論株価の上昇が米ドル上昇の一本柱に頼っている点に危うさがあるとしましたが、ここにきてもう一本の柱である業績(予想EPS)にやや陰りが見えている点が気になるところです。

下図は日経平均、理論株価と予想EPS、米ドルの推移を示したものです。

日経平均、理論株価と予想EPS、米ドルの推移
2016.8.1~2016.12.5

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緑色の線が予想EPS、赤色の線が米ドルを示します。いずれも右目盛です。米ドルが急上昇後一服模様となったのは自然と言えますが、予想EPSは下落傾向が続いています。直近の上値である11月10日(茶色の縦線)の137円89銭から12月5日の135円まで約4円、2%の下落となっており、現状は深刻な程ではありませんがこの傾向が続けば前回講座で見たサンドイッチ相場の上辺が低まり、相場の上昇エネルギーを弱めることは事実です。

為替相場に波乱がなく、現在の相場のエネルギーが弱まるということに止まれば、日経平均は自然体としての理論株価1万7,980円に回帰する力が働きそうです。

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投資の視点』(2016年12月6日号)より一部抜粋

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