時価総額3兆円を支える未来があるか
DeNAやユニバーサルスタジオとの提携で株価は急上昇し、時価総額は3兆円を超えています。時価総額3兆円を支えるためには、PER20倍だとしても純利益が1,500億円、営業利益にして2,500億円くらいは欲しいところです。
任天堂が利益を伸ばすには、
(1)Wiiヒット前の状態への回帰、
(2)様々な方法による売上の拡大、
(3)新たな会社の定義、が必要だと考えます。
(1)でWiiヒット前の状態へ回帰できれば、売上高5,000億円、営業利益1,000億円は達成できます。ただし、そのためには人件費の削減など、大規模なリストラが必要です。
(2)はスマートフォン用ゲームのヒットやテーマパークの収入、キャラクターグッズの発売などです。
スマートフォン用のゲームでは、日経ヴェリタスで「(営業利益が)仮に3本のヒットが出れば252〜315億円、5本なら420〜525億円」とされています。
ポジティブに見積もって500億円くらいとしましょう。その他はライセンスビジネスをしているサンリオを参考に、最大で200億円とします。
(1)と(2)を足すと、営業利益1,700億円程度で、まだ目標の2,500億円には届きません。そこで、(3)新たな会社の定義が必要になります。
例えば「マリオパーク」のようなものを作り、ゲームの世界を実際に体験してみるというのも面白いかもしれません。
こうすれば、テーマパークとゲームで両方の売上拡大が期待できます。
マリオの可能性は無限大とも言えます。
とはいえ、(1)のリストラすらできていない状況で、
3兆円の時価総額を見るのは時期尚早でしょう。
次の戦略が出るか、株価が下がってくるのを待つのが賢明です。
僕の投資判断はいつも慎重なのです。
『株式投資図鑑』(2015年4月28日号)より一部抜粋
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