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「老後不安による消費低迷」がトンデモ理論かもしれない最大の理由=藤井聡

元経済学会会長と元日銀副総裁による「フェイクレポート」の疑義

このように、吉川・山口両氏が出したレポート「低迷する消費」は、「緊縮財政によって国民の不安をすることが、消費を拡大する道となる」という強烈な政治的メッセージを発する「結論」を導きだすものでありますが、肝心のその分析内容そのものについては、ほぼ「出鱈目」と言われても仕方がない様な稚拙な水準にあるのではないか、というのが、筆者の率直な見解です。

繰り返しますが…

第1に、不安が消費を下げているという彼らの主張を正当化する根拠が示されていないからであり、

第2に、仮に不安があったとしても、その不安が「持続可能な税・社会保障制度を構築すること」で払拭されるという彼らの主張を正当化する根拠もまた、示されていないからです。

したがって、それはいくつかのもっともらしい図表が掲載された「分析レポート」の体裁をとっているものの、実態は、筆者らの「主観的意見を、明確な根拠も無く陳述する文書」であるとしか思えない――というのが、筆者の見立てです。

これでは客観的に冷静に判断すれば、「詭弁」の誹りを受けても致し方無いものと思われます(※経済政策上の論説において「詭弁」が多用されている現実については、例えば、当方の学術論文(付録2)をご参照下さい)

しかも、その詭弁にあたっては、「経済の大御所2人の権威と、複数の図表を使ってもっともらしく見せかけている」という疑義さえ想定される状況だと思われます。

ついては、筆者は、今回の吉川氏、山口氏(ならびに、他共著者一名)による分析レポートは、「フェイクレポート」である疑義が極めて濃厚であると、京都大学大学院教授として、そして、内閣官房参与として、学術的視点から冷静に判断いたします。

ぜひとも理性的な反論をお伺いしたいと思います。

Next: 筆者から山口広秀氏、吉川洋氏への「3つの質問」

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