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なぜ2万4000円台に定着できず?「海外勢のおもちゃ」になる日経平均株価=馬渕治好

来たる花~今週(1/22~1/26)の世界経済・市場の動きについて

<材料面では無風だと考えるが、投機筋の売りの「口実」にならないかは要注意>

(まとめ)

今週は、材料は多いものの、それで内外の実体経済などに対する判断が大きく左右される、というものは見当たりません。ただ、先週、短期筋があちこちの市場でポジションをどたばた動かしたことを踏まえると、大したことがない材料を大したことにして、短期筋が売り買いの「口実」に使い、内外の市況が上下に振れる展開になることが、懸念されます。

(詳細)

今週は、材料はそれなりに多いです。ただ、本来であれば、それが内外の実体経済などを判断するうえで、とびぬけて重要であるとか、市場動向に多大な影響を与えそうだ、というものはありません。それでも、ちょっとした点を短期筋が取り上げて売買を行ない、市況が振れる恐れはあります。

金融政策を決定する中央銀行の会合としては、日本では1/22(月)~1/23(火)に日銀金融政策決定会合が開かれます。金融政策について、全く何の変更もないでしょうし、会合後の記者会見では、黒田総裁は慎重な言い回しに努め、1/9(火)の債券買いオペにおける買い入れの減額で為替市場が振れた時のような、金融緩和縮小思惑が市場に勝手に広がるようなことは、極力避けようとするでしょう。

ただ、ここ数回の会合では、株式ETF買い入れ策の副作用を指摘する声があったなど、現在の金融政策に対する批判的な声は、委員からも上がっています。その点が強く表れると、円高思惑などが広がることはありえます。

ECB(欧州中央銀行)は、1/25(木)に理事会を開きます。ここでも金融政策の変更はないでしょうし、9月まで続ける予定の量的緩和について、10月以降の方針を示すには、まだ早過ぎます。

ただ、これまで理事などから、10月以降は債券の買い入れは必要ないのではないか、といった、出口戦略に前向きな声が挙がっているだけに、理事会後の記者会見では、ドラギ総裁に対し、10月以降の方針を探ろうとの質問が多いと見込まれます。そこで総裁が前向きと解釈される発言を行なった場合、ユーロが買われることがありうるでしょう。

最近では、ユーロ圏の緩和縮小観測でユーロ買い・米ドル売りが行なわれると、対円でも米ドルが売られる傾向が強くなっています。したがって、米ドル安・円高が進行しないか、気になるところです。

経済統計では、日本ではコンビニエンス売上高(1/22、月)や百貨店売上高(1/23、火)などの小売業界統計や、1/24(水)の貿易統計などが発表されます。

米国では、1/24(水)に中古住宅販売、1/25(木)に新築住宅販売といった、住宅統計が多く公表されます(以上は、日米とも、12月分の統計)。また米国においては、1/26(金)に10~12月期のGDP統計が明らかになります。

企業決算については、米国では10~12月期の決算発表社数がかなり増えてきます。昨年の収益実績だけではなく、2018年における、連邦法人税率引き下げの影響度合いを示す会社が多いと考えられるため、注目度が高そうです。日本でも、10~12月期の決算発表の本格化が始まります。

米国では、1/19(金)に期限が来た暫定予算について、下院では1/18(木)に期限切れ後の1か月分の予算が可決されました。しかし上院では、現時点で合意がなされていません。このため、予算は失効し、今のところ政府機関(例外的に防衛や治安関連を除く)は、お金を使うことができず、閉鎖となっています。

ただし、もともと1/20(土)~1/21(日)は政府機関はほとんど休みなので(確認していませんが、ワシントンDCの観光施設など、一部政府が管理しているところは、閉まっているかもしれません)、大きな影響は出ていません。このため、この土日も議会上院が協議して、追加の暫定予算が可決されれば、月曜日からの政府機関閉鎖は避けられる、という見解もあります。ただ、そうならず、閉鎖が長引く恐れはあります。

とは言っても、たとえばオバマ政権時も閉鎖はありました(2013年10月)。その時、それで米国経済がどうかなったわけではありません。そのため、気にしなくてよいと考えるものの、もともと米国株価を利食い売ろうと考えていた投機筋が、政府機関の閉鎖をネタにして売りを出す展開などはありうるため、要注意だとは言えます。

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※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』2018年1月21日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した「盛りの花~世界経済・市場の注目点:米長期金利の一段の上昇は危険」の詳細解説もすぐ読めます。

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馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2018年1月21日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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