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9回入院しないと損?保険会社が教えたくない医療保険の現状と対策=釜口博

現在の医療保険というと入院日数に応じて保険金が支払われるのが一般的。そんな医療保険について、FP事務所「BYSプランニング」代表・釜口博さんは「保険会社だけが儲かるしくみ」と指摘しています。なぜそのような仕組みになっているのかや、その現状に風穴を開けようと、近日登場する新・保険商品について解説しています。

入院日数は減少傾向。得するのは保険会社だけ

元が取れない医療保険、詳しい人は加入しない

今回は、「入院一時金をメインにした医療保険」についてお伝えいたします。

一般的な医療保険のメインの保障(主契約)は、入院すれば、入院した日数×日額給付金(5,000円や1万円)の入院給付金、手術を受ければ入院日額の10倍や20倍の手術給付金が支払われます。この保障に先進医療特約三大疾病一時金、がん診断一時金などの特約を付加して、契約します。

ところが、現状の医療現場では、平均入院日数が毎年短くなってきています。平成25年の一般病床の平均入院日数は、17.2日(厚生労働省 医療施設(動態)調査・病院報告の概況より)。最安値の終身医療保険、入院日額1万円、終身払いを平均余命まで支払ったとすると、総支払保険料は約150万円。

手術なしの入院ならば、死ぬまでに9回以上入院、手術ありの入院ならば、死ぬまでに5回以上入院をしなければ、元が取れません。

一般的な入院を前提にすれば、医療保険は保険会社だけが儲かるしくみとも言えるのです。そして、このしくみを理解している人たちは、医療保険には加入しないという選択をします。

日数に関係なく入院一時金が払われる保険商品が登場

そんな背景にある医療保険事情に風穴をあけようと、商品開発をしたのが、AIG富士生命。入院日数に関係なく、入院一時金が給付されるというしくみの医療保険「医療ベスト・ゴールド」が12月2日から発売されます。

手術給付金や特定疾病一時金、先進医療などの特約も付加でき、三大疾病保険料免除の特約も付加できるとのこと。各年齢の具体的な保険料はまだ公表されていませんが、特定の年齢分だけは、情報を入手しました。

入院一時金20万円タイプ、終身払い
35歳男性 2,738円/月
35歳女性 2,438円/月
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35歳男性が80歳まで保険料を支払ったとすれば、総支払保険料が147.8万円。1回の給付が20万円だとすると、死ぬまでに8回以上の入院をしなければ、元が取れないという計算になります。

費用対効果を見極めるには、各年齢の保険料が出てからになりますが、差別化という意味では面白い保険商品です。

生命保険の豆知識と知らないと損するかものお話』(2015年10月2日号)より一部抜粋
※太字はマネーボイス編集部による

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