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2016年「アベノミクス官製相場」の仕掛けと対策 問題は7月参院選後=吉田繁治

再びの政府主導による官製相場~「外国人投資家の買い」との見分け方

3月の日経平均の上昇(2252円:15%)原因は、再びの政府主導による官製相場です。近年の日経平均は、2つの原因でしか上がりません。

(1)売買の70%を占めている外国人投資家(ヘッジファンド、海外年金基金、産油国の国家ファンド)による買い超。週間で2000億円くらいの買い超で株価は横ばい、4000億円以上のとき株価は上昇します。
(2)日銀のETFの買い、年金基金を使うGPIFの買い、郵貯・かんぽの基金による買い

海外投資家の買い超で上がるときは、株価が上がる一方で、円安になります。理由は、円ベースの保有株(31%:150兆円)の上昇があると、円高(ドルでは株価下落)のときのリスクが増すので、この円高リスクをヘッジするため、円の先物が大量に売られるからです。

円の先物を売っておけば、円高のときドルベースでの日本の株価が下がっても、利益をヘッジできます。

具体的に言うと、$1=120円の円安・株高のとき円の先物を120円で売っておけば、限月である6カ月後に$1=110円の円高・株安になったときも$1=110円で買い戻せるので、10円の利益が出ます。
(注)ちょっとややこしいでしょう。自分で数字に置き換えるとわかります

現象的には、

  • 外人投資家の買い主導で上がったときは、10秒単位で同時に、
  • 円の先物売りによる円安

になります。逆に、日経平均が下がるときは、円高になります。これが、外人買いの特徴です。

16年3月の日経平均の上昇(15%)を見ると、ドル/円は、113円付近であり、動いても112.5円から114円の1.3%幅です。つまり、ドル/円はほとんど動いていません。3月株価の上昇は、外国人投資家の買い超によるものではないからです。誰が買ったのか。

2016年の株価形成は単純構造

投資主体別にみると、外国人投資家は3月の1週は945億円の売り越しです。個人投資家も1989億円売り越しています。買い越しは信託銀行部門であり3月の1週で2813億円です。

信託銀行は、2月の3週に4989億円、4週に3848億円という大きな買い越しです。信託銀行の買いの中身は、日銀の株ETFの買いと、年金基金の買いです。

一方で外国人投資家は、16年2月には4週間の合計で2兆円(週平均5000億円)も売り越しています。1月にも1兆円売り越し、2016年には3兆円という、激しい速度での売り越しです(年間に延長すれば12兆円の売り越しに相当します)。

2016年は、単純な構造の株価形成になっています。

  • 外国人投資家と、原油下落に苦しむ産油国の国家ファンドの売りで下がる
  • 政府の官製相場と、増えてきた自社株買いで上がる

です。

この構造を言えば身も蓋もないことになります。

日銀が、年金基金と郵貯・かんぽがもつ国債を買い上げる→マイナス金利のマネーが日銀当座預金に溜まる→行き場を失ったマネーで年金基金と郵貯・かんぽが株を買う。以上の構造です。

Next: 「やけっぱち」の政府と日銀。問題は7月参院選後

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