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賢明な大家さんが「入居者が喜ぶ賃貸設備」を簡単には導入しないワケ=姫野秀喜

賃貸住宅新聞で2020年版の人気設備ランキングが発表されていました。入居希望者さんがあったら喜ぶ設備から、大家さんがお金をかけるべき箇所を考えます。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)

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プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

入居者アップにつながる人気の設備は「インターネット無料」

賃貸住宅新聞で2020年版の人気設備ランキングが発表されていたので、ざっと見てみました。入居者が欲しいと思う設備の1位から10位くらいまでを、ランキング形式で発表するものです。
参考:2020 人気設備ランキング発表:全国賃貸住宅新聞(2020年10月19日配信)

で、今年もやっぱり1位は、前年と同じく「インターネット無料」でした。

単身者向け・ファミリー向けともに1位は「インターネット無料」ということですが、手元にあるデータブックを見ると、単身者向けでは2010年から2014年を除き、ほぼ10年連続で「インターネット無料」が1位になっています。またファミリー向けでも、2016年から5年連続で「インターネット無料」が1位になっています。

「インターネット無料」設備は、大家さんからすると月々のランニングコストが上がるのでちょっと導入しづらいもの。しかし、入居者からするとネット代がかからないので、お得感があるようです。

若い世代はスマホで代用?

ただ、ちょっと気になるのは、最近の若い人は「家でインターネット契約をしない」ことが多いらしく、スマホで50ギガとか利用するのが主流のようなのです。

実際、とある物件のインターネット無料の利用状況では、若い入居者は使っておらず、スマホ自体の電話回線を利用しているようです。

一方で、60代・70代の方がその物件についている無料のインターネットを使っているとのことです。

なので、スマホの高速大容量通信の5Gが普及したら、数年後には、もしかしたら「インターネット無料」は1位の人気設備ではなくなるかもしれません。

「宅配ボックス」も人気

ちなみに、宅配ボックスも人気で、ファミリー向けでは2位、単身者向けでも3位となっています。またエントランスオートロックは、単身向けで2位、ファミリーで3位となっています。

1位~3位では、単身向けもファミリー向けもほぼ同じ設備が人気です。

興味深いのはファミリー向けの4位に「風呂の追い炊き機能」が上がっていること。単身向けでは2020年でランク外、2019年でもギリギリ10位だったので、生活スタイルの違いが感じられます。

また、単身者向けだと「24時間利用可能ゴミ置き場」が2年連続で7位にランクイン、ファミリー向けだとギリギリ10位です。

インターネットなどはランニングコストがかかりますし、風呂の追い炊きやオートロックは改装費用がかかります。でも「24時間利用可能ゴミ置き場」なら、ゴミを入れるボックスを設置できる場所さえあれば、すぐにでも実行可能です。

ゴミ置き場を開放していると、近隣のゴミまで集まってくるのが問題ではありますが、見た目もすっきりしてよいと思います。

ボックスも一度買えば長いこと使えるので、まぁ費用対効果から言えば、導入してもいいかもしれません。

Next: 大家さんはどこにお金をかけるべき?

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